社員インタビュー
Interview
デザイナー
飯塚 洋行
デザイン部デザイン課 デザイン担当課長
2006年入社
理工学部 建築学科卒業
ストリートダンスに夢中だった高校時代。大学進学後もダンスを続け、イベントや舞台に呼ばれて出演するほどの腕前だった。大学で専攻した建築の道に進むか、プロのダンサーを目指すか、大いに悩む。しかし、舞台やイベントのステージに立つ経験を何度も重ねるなかで「仮設建設」に興味・関心を抱くように。複数の会社を受験し、最初に内定を得たことで「縁」を、感じたフジアールに入社した。
一つひとつの仕事を大事に、
ていねいに取り組んだ結果、
今の自分がある
私は大学で建築学を専攻し、仮設建設に魅力を感じてフジアールに入社しました。デザイン部に配属後、丸2年間、先輩について仕事を覚え、その後、独り立ちをしました。最初は小さな案件だったのが、一つひとつの仕事を大事にして、ていねいに取り組んでいったところ、まるで「わらしべ長者」のように大規模な案件も任せてもらえるようになりました。デザイナーとしてのキャリアは17年ほどになりますが、今も初心を忘れず、すべての案件に全力で向き合っています。
私の仕事は、テレビ番組や映画、舞台などの「美術デザイン」。作品の世界観に合わせて、映像内の空間をデザインすることが、主な役割です。大きなセットをデザインしたり、お酒や額縁といった小道具のデザインを考えたり、床の模様を考えることもあります。デザイン担当の私がこれらセットや小道具の図面・ラフを描いて、協力会社に制作してもらいます。
フジアールにはさまざまなバックグラウンドを持つデザイナーが在籍していて、それぞれ「強み」をもっています。グラフィックが得意な者もいれば、彫刻が得意な者もいますが、建築学科出身の私は空間構築を得意としています。
半年以上かけて準備した
「コード・ブルー3rdシーズン」で、
テレビ美術業界最大の賞を受賞!
これまでさまざまな作品を担当してきましたが、中でも連続ドラマ「コード・ブルー3rdシーズン」は、私にとって忘れられない作品となりました。「コード・ブルー3rdシーズン」は救急医療をテーマとしており、2009年に第1シーズンが、その翌年に第2シーズンが放映された人気ドラマです。一般的に、ドラマの美術は番組のコンセプトや脚本に書かれている内容に合わせて美術プランを起こしますが、この時は放映の半年前に監督から直々に声がかかりました。当然のことですが、また脚本はできていません。「こういうストーリーにしたくて、スタジオはこのくらいの広さを想定しているんだ」――監督からドラマの構想を聞き、何度もすり合わせを行いながら一緒になって「どんな美術ができるか」を固めていきました。
おそらく、生涯で最もたくさんラフや図面を描いたと思います。たとえばロケ先でつくる「事故現場」一つとっても、お神輿が民家に突っ込むシーンや、土砂や瓦礫だらけの崩壊現場など、多様なシーンがありました。登場人物たちの拠点となる大学病院は、大規模なセットをつくることに。大げさでなく、描いたラフや図面を重ねると厚さ10センチ以上になったと思います。それくらい、ひたすら描き続けました。
今思うと、非常に大変な作業でしたが、だからこそ私自身にとって「大規模なプロジェクトをやり遂げた」という自信に繋がりました。そして、テレビ美術業界において最高の栄誉と呼ばれている「伊藤熹朔賞 大賞」を受賞することができたのです。
まだ見ぬ景色を求めて、
チャレンジを続けていく
ラフや図面を何枚も描き、現場に実寸のスケールでセットが建てられていく。何年立っても、出来上がったセットを見るたびに、感無量の気持ちになります。そして、放送を観て、「良い感じのセットにできたな」と確認して、再度、喜びに感無量になります。この喜びは、何年立っても色褪せませんし、美術デザインを担当しているからこそ味わえるやりがいなのだと思います。
美術デザインには正解がなく、デザイナーが「これでOK」と出したら、そのデザインを元に美術が作られます。私自身は、この線引きをどこに置くかが重要だと思っています。「微妙だけれど、まあいいだろう」といった曖昧な判断はしたくない。自分の中で「これなら自信を持って提案できる」というレベルまでもっていくことを常に心がけています。フジアールに入社して間もない若手デザイナーを見ていると、すごく良い「モノ」を持っている。でも、「もっとやれるのに」という手前で満足してしまうことが多いんですね。だから後輩たちには、「とことん突き詰めてほしい」と伝えたい。6合目ではなく、せめて9合目まで登ってほしい。そんな気持ちでいます。もちろん私も、まだ見ぬ景色を求めて、チャレンジを続けていくつもりです。たとえば時代モノは経験したことがないので、ぜひ担当してみたいですね。
フジアールで、
皆さん自身の可能性を拡げよう!
就職活動中の学生さんを見て思うのは、「もっと自分を出していいのに」ということ。真面目で優秀、けれど、大人しい。そんな印象を抱いています。就職活動は何かと緊張することが多いとは思いますが、その緊張を乗り越えて積極的に質問してください。じっくり考えて、説明会に参加したら聞きたいことすべてを質問して、皆さん自身の可能性を拡げていってほしいですね。そして、当社への転職を考えている方には、「自由度の高い会社です」とアピールしたいですね。仮設建築の場合、遊びを持たせてデザインができるので、とても楽しいですよ。
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