社員インタビュー
Interview
CROSS TALK
座談会
最強の美術チーム、ここにあり!
逃走中のメンバー3人が語る
美術制作のウラ側
皆さんが「美術制作」に興味を抱くようになったきっかけを教えて下さい。
吉良
フジアールが逃走中の美術を担当するようになったのは、今から10年ほど前。ゲーム要素の濃い番組だから、とにかく仕掛けが多い。
平山
10年経ちましたか! 感慨深いですね。
吉良
いろいろな仕掛けを作ってきたけれど、そもそもゲームとして面白いのか、仕掛けが安全なのかをシミュレーションする必要がある。ここがスタジオ撮影との大きな違いかもしれないね。
平山
テーマパークやショッピングモールなどを借り切って撮影するので、フィールドが広いのも逃走中ならでは。フィールドすべてを見ることはできないので、複数の班に分けて対応する。本当なら一つの班でいいはずなのに……。
今長
うんうん。
平山
僕らの仕事は段取りがすごく大切だけれど、逃走中の場合はいつも以上に細部に渡って入念に打ち合わせをする。順番がぐちゃぐちゃにならないように、手順もしっかり決めてから本番に臨む。
今長
バラエティ番組の場合、飾りはあくまでも飾りなので、出演者が触ることはない。でも逃走中は何が起こるかわからない。だからデザイナーの僕は安全対策をとにかく大切にしている。床の敷物一つとっても、スタジオ撮影のバラエティ番組は塩ビ素材のツヤツヤしたカーペットを敷くことが多いけれど、逃走中は安全第一で滑らない床にする。
平山
こうやって話してみると、逃走中の美術って大変ですね。
吉良
そうだね。年々、監督の要求もハードルが上がっているし。でもこうして続けているっていうことは、なんやかんや言って私たち楽しんでいるのかもしれないね。
平山
吉良さん。一番印象に残っている収録回はありますか?
吉良
2022年の大晦日の事前収録かな。ウォータースクリーンを設置したり、ねぶたの土台を組んだりと今までにない規模感で、最後の最後まで「本当に間に合うか!」とヒヤヒヤしていた。
平山
ぎりぎりになって変更があったから、大変でしたよね。
今長
あの時、カードキーを指したらゲートが開くミッションがあって、当日、実物を見たら図面とまったく違っていてびっくりしましたよ。しかも現場で「エイジングしたい」という意見が出て、本番直前に筆を使って「汚し」をかけてなんとか対応したんですよね。
平山
しかも逃走中って、悪天候になることが多い。屋外ロケにも関わらず大雨が降ったりする。設営時に土砂降り、本番は晴天、撤去時に強烈なスコールということもありましたね。
今長
本番が晴れていたのが、せめてもの救いですね。
平山
本当に。撤去時、スコールに打たれながらトラックを押したのは良い思い出。
吉良
現地入りしたら、マイナス7度で地面が凍っていたこともあったな……。
平山
あまり悪天候が多いから、今では雨対策や強風対策を当たり前のように行うようになりましたよね。
今長
僕は撮影と撤収を同時に行ったのが忘れられない。ロケ場所の営業時間の関係で、どうしても撤収しなければならなかったんですよね。それでエンディングを撮影している横で、封鎖ゲートをこっそり運び出して。
吉良
あったあった! 現場は常にハプニングだらけだけれど、不思議となんとかなる。というか、なんとかする。
今長
そうですね。ギリギリのところでなんとかするのが、僕らのチームワークのなせる技かもしれないですね。
吉良
今だから言えるけどさ、私、逃走中のメンバーをめちゃくちゃ信頼しているんだよね。今長くんはどんな無茶な要望を出しても、ものすごいスピード感とクオリティで仕上げてくれる。平山くんはとにかくコミュニケーション力が高くて、協力会社への心配りがすごい。平山くんのおかげで、スムーズに仕事を進めることができる。
平山
突然褒めてきましたね……。
吉良
もう言わないよ。
平山
じゃあ、せっかくだから僕もみんなへの思いを言っちゃおうかな。僕にとって逃走中のチームは「一番やりやすいチーム」。吉良さんは、何か困ったことがあって相談すると、すぐに返してくれる。吉良さんの反応が早いからすぐに対応できるし、協力会社さんを待たせずに済むんですよね。デザイナーの今長さんは甘えられる存在。「こんなことお願いしてもいいかなぁ」ということでも、笑顔で「いいですよ!」と答えてくれる。
今長
僕もみんなのことを信頼しています。図面を描きながら「こんな感じでどうかなぁ」と思ったら、すぐに2人に送って見てもらう。それくらい信頼している存在。とにかく僕は吉良さんと平山さんのことが大好きなので、用がなくても電話しちゃいます。
平山
今長くんが熱い告白をしてきたけれど、僕もチームを率いる吉良さんの人柄に惹かれています。
吉良
ありがとう。逃走中を担当するようになって10年。ありがたいことに、大晦日に放送されるくらいに大きな番組に成長した。私の親戚も好きで観てくれていて、それがモチベーションにもなっているな。
平山
逃走中はちびっこたちに大人気ですからね。僕の甥っ子も楽しそうに観ています。
今長
うちの息子も観ています。というかファンで、録画した逃走中を繰り返して観ています。息子は逃走中のハンターが本当にいると信じているんですよ。クリスマスのサンタクロースのように。
吉良
かわいい。
平山
こうやってたくさんの視聴者が楽しんでくれていると思うと、すべての苦労が吹き飛んでしまいますね。
吉良
そろそろクロストークも終盤に差し掛かってきたので、逃走中の未来について考えてみようか。
平山
逃走中が放映されるようになって20年、僕が美術を担当するようになって10年近く。安全第一を心がけてきたおかげか、大きな事故もなくここまで来ることができました。それだけでも十分にすごいことだと思っています。
吉良
そうだね。安全を守りつつ、視聴者を楽しませることができたことを、私たちは誇っていいのかもしれないね。
平山
フジアールに入社した頃は美術のことを何も知らなくて、とにかく必死になって「仕事を覚えよう!」という気持ちでここまで来ました。今もその気持ちは変わらなくて、今も毎日のように新たな学びがあります。逃走中の美術も、新しいことへの挑戦を続けていきたいですね。
今長
僕は最近、若手に刺激を受けているんです。3Dソフトを使ってゴリゴリとデザインする新人もいて、僕も勉強したいなと思っていて。だから僕の目標も平山さんと同じように「新しいことへの挑戦」を続けていくこと。そして、逃走中を長く愛される番組にしていくことです。
吉良
逃走中の美術は大変だけれど、それを楽しめる人が入ってくれたらいいな。平山くんや今長くんは、これから入社する後輩たちに伝えたいことはある?
平山
僕は典型的なダメ学生で、学生時代は大した夢や目標もなくて、就職活動もなかなかうまくいかなかったんです。たくさんの企業の説明会に参加するなかで、最後の最後に出会ったのがフジアールでした。何をやっても長続きしなかった自分が、フジアールで18年以上仕事を続けている。間違いなく、就職が自分を変えてくれました。この記事を読んでくれているみなさんも、「就職は自分が成長するチャンス」だと信じて、前向きに就職活動に取り組んでほしいですね。
今長
フジアールの場合、趣味や好きなことを仕事に結びつけることができます。たとえば僕は野球やアイドルが好きで、それをいろいろな人に公言していたら、関連する案件をふってくれる。今、みなさんが夢中になっていることをとことん楽しんでください。それが入社後、自分の武器になり強みになりますよ。
吉良
きれいにまとまったね。じゃあ最後に私から。美術を学んでいなくても、ほんの少しでも「好き」「やってみたい」という気持ちがあるのなら、ぜひフジアールに来てほしい。これから入社する皆さんと一緒に美術制作の仕事を楽しめたら嬉しいです。