表からは見えませんが、自動車にはさまざまな接着剤が使用されています。部位ごとに求められる性能が大きく異なるため、市場にはどこかの部位に特化した接着剤メーカーが多くなっています。サンスターは、自動車用接着剤のトップメーカーとして、さまざまな部位に対応する接着剤を開発しており、そこが強みになっています。その中で私は主に窓ガラスの接着剤を担当しています。接着剤は単純に接着できればいいわけではなく、どんどん付加価値が求められるようになってきました。接着の強さ、車両の振動吸収性能、耐用年数の長さ、硬化のスピードなど。さまざまな材料を組み合わせることで、用途やニーズに対応した接着剤を作り出しています。そのためには材料を幅広く知っていることが大事。サンスターには接着剤の種類ごとに開発のプロがいます。その知見や知識を、幅広く、グループとして持ってるのが強みです。俯瞰的に自分の知らない知識も広く得ながら開発できるなんて、とても恵まれている環境だと思います。さらに自動車自体が変革期を迎える中、私たちも予測して、こういうボディ素材が使われてくるだろうから、接着剤としては、こういうものを、こういう機能を、といった提案が大事な仕事になってきました。

私は、何でも自分でやりたいタイプなのですが、上長も、そのことを理解してくれています。その上で、将来のキャリアのイメージに合った仕事を用意してくれているのかなと思います。とにかく、自由にやらせていただいてることに感謝です。やりたいことがあれば、提案し相談ができる。中心でやりたいと言えば、任せてももらえる。そういう話は、たくさんあります。そういう意味でも、私は誰かに話すということを大事にしています。上長だけでなく、グローバル拠点の方とも、まずは会話してみることで、互いに何をしてほしいのかがわかったりしますので。お客様のニーズをいちばん知っているのはやはり営業の人なので、営業の人との会話からお客様のことを学ぶ場面もあります。逆に営業がお客様と会話する上で、知っておいて欲しい材料の知識を伝えたりもします。いいものづくりには、コミュニケーション能力は欠かせません。

サンスターを選んだ理由のひとつが、グローバルに拠点があることでした。専門的な知識とビジネスに対の知見を身につけて外に出たい。海外での仕事も、いま任せてもらっている仕事の延長線上にあります。欧州は、日本と接着剤の文化がまったく違うんですよ。同じクルマを作るにしても、お客様のニーズが全然違う。そういった意識的な差も、肌で感じながら、できれば自動車先進国・ドイツに行きたいと思っています。人がクルマに求める性能が変われば、接着剤に求めるものも変わる。想像しただけでも、ワクワクします。開発の仕事って、うまくいかないことの方が多いと思います。 当然お客様がいますので、希望納期までに目標を達成しないといけない厳しさがあります。時間のない中で、答えを出すのはいつも大変で、仮説・検証を何度も繰り返して、早くたどり着くよう努力していますが、失敗も少なくありません。むしろ、失敗しないと見えないこともあります。試験結果の中から、どれだけ新しい知識が得られるか。失敗にどんな意味や可能性を見出せるのか。そういう部分が大切な仕事だと思っています。

私は、元々大学院で、化学を専攻していました。就職先としては、原材料メーカーなども候補に挙げていたのですが、就活する中で原材料ではなく、製品を作りたいという思いが大きくなってきました。それに、同じ開発という部署でも、設計する人、実際にものを作る人、 それを分析する人、評価する人、さらにはお客様の声を聞く人と、業務が細分化されている企業多い中、サンスターでは、一人でぜんぶできるんですね。入社後の働き方やキャリア形成の話が、自分の理想と一致していました。面接官だった役員の方にも、そのことを聞いてみたら、そうだと。どんどん挑戦できるし、後押しもしてくれる。この会社なら自分の夢が実現できると、入社前から感じていました。とにかく手をあげること、自分がやりたいと意思を示すことで、ビッグプロジェクトのメンバーにも抜擢される。サンスターは、社員の希望を聞き、引き上げ、育ててくれる、私には理想の会社だと思っています。