内に秘める想い、
素直になりきれなかった過去

中学一年生の時、とあるアーティストへの憧れからギターをはじめました。たくさんのギター集めをして行く中で、自分が持っているものに共通したことがありました。それは職人が丹精を込め一本一本手作業でつくり上げた物であるということでした。機械ではなく、人が一から製作をしているものにこだわりを感じる、そんな性格でした。

正直、音楽自体は得意ではありませんでしたが、心から好きで、将来の就職先にもギター職人になるという道も考えていたほどです。

そんな繊細そうな内面とは裏腹、学校生活では生徒みんなで取り組むような行事をあまり好まない、どこか反抗的な一面もありました。日常生活で周りの人に迷惑をかけ、注意を受ける日々。心のどこかではしっかりすべきだと分かってはいるものの、強がりという感情が先走ってしまう事が多々ありました。そんな中でも、心を入れ替えようと勇気を振り絞って起こした生徒会委員への立候補。もちろん、先生に出鼻を挫かれ止められてしまい、いかに過去の経験が現在に影響を及ぼすのかを身をもって感じた苦い経験でした。

変わりたくても、どこか変わることができない自分と葛藤する日々の中で、たまたま友人と受けた結婚式でのサービスのアルバイト。反抗的な部分もまだまだ変わりきれず、当初は会社の先輩方含め、周囲からも認めてもらえない日々も変わらず続く中でしたが、当時のサービス責任者の方だけは唯一、過去を一切見ず、今をがむしゃらに頑張っている私を評価してくださいました。

　前向きに励むことで、その部分だけを評価をしてもらえる環境に初めて遭遇し、私自身の常識が大きく変わり始めました。そこからは徐々に気持ちの変化も起こり、集団で目標に向かって取り組む楽しさをこのアルバイト経験を通して感じ、ギター職人の道からこの会社で働き自らを変えてくださった方々や、環境に恩返しをすることを決断しました。