
TALK
上司×部下×後輩(技術・開発職)
シューズの機能性を司る技術部門。シューズの木型(足の形を模ったもの)から、ソール(靴の底の部分)の設計など、シューズの機能性を左右するものづくりを担当する技術部門に所属する3名。
上司(増井さん)と部下(倉本さん、渡部さん)の関係性ですが、普段の関わりや今後の目標などを聞きました。
技術部門での仕事
ラスト設計:シューズの木型(足の形を模ったもの)を設計する
アッパー設計:シューズの足甲の部分を設計する
ソール設計:シューズの底の部分を設計する
MEMBERS

渡部拓斗
2020年入社
情報工学部卒。大学では、人体の構造や機能、プログラミングなどのエンジニアリングを複合的に学ぶ。
現在は、アッパーの設計業務(図面の作成や修正、シューズサンプルチェック)を主に担当。

増井誠士
2003年入社
入社後、靴型設計・品質管理業務を経験。その後、海外に5年滞在。
現在は渡部や倉本の上司として、マネジメント業務を主におこなう。
社会人としての基本はもちろんのこと、自身の海外での経験を部下にしっかりと伝えるべく、日常の様々な場面でコミュニケーションを積極的にとっている。

倉本尚幸
2017年入社
情報系工学研究科修了。学生時代はバイオメカニクス、エンジニアリングを幅広く学ぶ。
入社後から、ラスト(靴の木型)の設計・作製、シューズのフィッティング確認業務に取り組む。
現在は、ラスト設計・作製業務はもちろん、若手のことも気にかけながら幅広く経験を積んでいる。
Question 01
シューズ設計とはどのようなものですか?
増井
「市場を変化させることが出来る仕事」
作り手の想い、機能、外観を具現化するために必要な仕事であり、それらを実現するのも設計次第だと思います。
倉本
様々な要素を考慮しなければならない、とても奥が深いものだと感じています。
渡部
簡単そうに見えて奥が深い。細かな作業や判断一つで仕上がりは大きく変わります。
難しいことが多いですが、やりがいもある仕事だと感じています。

Question 02
シューズの設計に携わる醍醐味は?
倉本
シューズには必要な要素が多くあります。身体を支えるための機能性、適切な歩行をおこなうための履き心地、ファッションの観点でのシルエットの良さなど、どれも重要な要素です。これらをどのように両立していくかを試行錯誤することがシューズ設計の醍醐味です。自身が担当しているラスト設計では履き心地とシルエットの良さの両立が求められますが、シルエットだけを良くしようとすると履き心地が悪くなる場合が多いため、何度も試しながら最適なバランスで設計することを心がけています。この二つを両立したシューズができたときは達成感を感じます。
また、シューズ以外のどんな製品の設計にも当てはまると思いますが、自分で設計したものが元となって実際の製品となるため、間違った設計はできないというプレッシャーは常にあります。プレッシャーは大変な部分もありますが、設計したシューズが世に出て評価されたとき(実際に履いている人を見たとき)の喜びは設計という仕事ならではだと感じています。
渡部
革靴やランニングシューズ、競技用、スニーカーなど多様な種類があります。また、当社の設計部門は幼児用から大人用まで幅広いサイズを扱っています。設計をおこなううえで根本的な考えは同じですが、材料やサイズ、製法など様々な要因によって難易度は異なります。実務では、その都度出てくる課題に対しての対応を試行錯誤し、臨機応変に対処していきます。時には難しいこともありますが、経験や知識を活用して解決していことは自身にとって醍醐味です。まだ知らないことも多くありますが、生産協力工場の担当者の意見や先輩方の指導をいただきながら、機能性とシルエットが両立したシューズの設計ができたときは嬉しく、やりがいを感じます。

アッパー(足甲の部分)の設計の設計を担当している渡部さん。
ラストやソール設計をおこなうチームとはどのような連絡をおこなう
のか聞いた。
Question 03
ラスト・ソール設計チームとはどのような関係性ですか?
渡部
それぞれの設計チームと密接に連携をおこないます。
倉本さんが所属しているラスト設計チームとは、完成したシューズサンプルに対しての足入れ(フィッティング)確認の際などに連携します。フィッティングの内容を踏まえた修正をおこなう際は、アッパーのみの修正でクリアになるのか、それともラストから修正するべきなのかなどを相談します。
また、ラストを基にアッパーのパターンという図面を作成しているため、ラストに修正があった場合はその修正内容をラストチームから共有してもらい、ラストに沿ったアッパーになるよう、パターンの調整をおこないます。パターンを作製するにあたって、ラストの形状比較をラストチームに依頼することもあります。
シューズの底面を設計するソール設計チームとは、アッパーとのバランスを確認する際に議論をおこないます。例えば、ソールに対してアッパーが大きい場合は、どちらを調整するかなど、都度相談しながら設計を進めます。使用する材料が少し変わるだけで、双方に影響が出ることもあるので、慎重な調整が必要です。
また、設計のスケジュールが双方のチームで異なる場合があるため、互いに情報共有をおこないながら進めていきます。

Question 04
今後どのようなシューズをつくりたいですか?
増井
設計者が求めるものをイメージ通りに形にし、生産工程が円滑に進み、不具合が生じないシューズ生産の体制を創りたいと思います。また、サステナビリティの観点での生産体制も重要と考えています。生産工程で発生する使用しない材料などが、次のシューズ生産でリサイクルされることはもちろん、他業種とも連携しながら、”廃棄0”のシューズ生産体制を目指していきます。
倉本
ラスト(木型)設計とフィッティングでの検証を担当しています。そのため、より多くの人に合ったシューズを届けたいという想いは常にあります。また、ハードルは高いですが、今後はユーザーに合わせたオーダーシューズを量産することができればと考えています。


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