INTERVIEW

「人」と「会社」のより良いマッチングを目指して。
心理統計の道を志したコンサルタントが、
ヒューマネージで追求する仕事の意義

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PROFILE

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事業戦略グループ
リサーチ&コンサルティングユニット コンサルタント

大学卒業後、保証会社で企業の信用調査業務に従事した後、桜美林大学大学院心理学研究科で臨床心理学を専攻。2019年4月にキャリア採用でヒューマネージに入社し、採用ソリューション事業や適性アセスメント事業、タレントマネジメントソリューション事業における統計分析業務やサービス開発に携わる。

近年人材業界でホットワードとなっている「ワーク・エンゲージメント」。働くことに対するのめり込みを表す言葉です。楽しみながら自分の仕事に取り組み、興味関心を持ち、仕事の意義ややりがいを感じている状態である、と定義づけられるこのキーワード。自分の仕事に社会的な意義を感じて働くことができている人は、ポジティブかつ充実した心理状態で仕事に取り組むことができると言います。

今回インタビューしたのは、リサーチ&コンサルティングユニットでコンサルタントとして働く社員。大学卒業後まったく違う業界に就職したものの、自分のキャリアを改めて思い描き、「人」と「会社」がより良い関係をつくることを目指してヒューマネージに入社します。「自分の仕事が何につながっているのか、実感するのはとても重要だと思います。」そう語る彼が見つめるのは、すべての人が自分に合った場所でいきいきと働くことができる未来でした。

ヒューマネージと自分の方向性が合致した

—前職では心理学や統計とはあまり関係のない仕事をされていたと聞きました。ヒューマネージに入社するまでのいきさつを教えてください。

大学では、経済学部で労働経済学を専攻していました。高校は理系選択だったのですが、政治経済の授業が好きで、数字と実際の人の行動がどう関係しているのか、というところに興味があったんです。大学卒業後は金融関係の会社に入社し、企業情報や信用不安情報に基づいて与信額判定する審査業務に従事していました。ただ、その会社が結構ハードワークな会社で退職者も多く、どうしたものかな、と思っていたんです。「人」が「会社」に定着するには何が必要なんだろう、と考え始めたのが始まりでした。

―その後、どのように行動されたのですか。

せめて自分の部署のメンバーだけはなんとか引き止めたいなと思い、仕事と並行して産業カウンセラーの勉強を始めました。勉強していくうちに、こっちの方が面白いかも、という気持ちになってきて。その後のキャリアプランを考えた結果、自分がやりたいことをやろう、と決めて、その会社を退職し、大学院に進むことにしました。

—新しいことを始めるのに、怖さはなかったのでしょうか。

これで本当に大丈夫かな?という気持ちはありましたが、自分のキャリアを考え直したいタイミングだったこともあり、不安ぎりぎりのところで一歩を踏み出した感じでしたね。

—そして大学院では働く人の心理に関する勉強をされていたのですね。

はい。働く人たちは心理的・精神的にどのような問題を抱えるのか、それをどのように支援していくか? という勉強をしていました。大学の付属の心理センターで、実際に相談者の方と心理面接(カウンセリング)したり、病院に実習に行ったりして、最終的に臨床心理士・公認心理師(国家資格)・産業カウンセラーも取得しました。 

—卒業後、ついにヒューマネージに入社します。入社の決め手はどんな部分だったのでしょうか。

ヒューマネージの事業と、自分がやりたかったことの方向性が合致していたから、でしょうか。そもそもわたしが心理学の勉強を始めようとした理由は、「人」と「会社」のマッチングというのは思ったよりも上手くいっていない、と感じたことにありました。わたしも結局前職の会社を辞めてしまったわけですが、一方で同じ会社でいきいきと働いていた人もいて。会社と自分が合わなかったとき、理由は「会社が悪い」でも「自分が悪い」でもなくて、「自分はその会社に合わなかったし、一方で合う人もいる」というだけで、つまり世の中のマッチングがもっと上手くいけば、職場でどこか“しんどさ”を感じながら働いているような人は減るだろうし、自分に合った環境を見つけていくっていうのがとても重要なんじゃないか、と考えていました。それで、一番近い領域だった臨床心理学の産業領域を学んだんです。一方で、臨床心理の基本はカウンセラーと相談者が一対一で面談をしながら、相談者の考え方や行動の特徴、ひいては課題などを一緒に探していくのですが、産業の領域で同じようにやっていっても果てがないな、とも感じていて。カウンセリングのスキルを磨きつつも、会社と人とのより良いマッチングのためのツール、より良い働き方を支援するサービスも同時に展開していく必要がある、と考えていたところで、ヒューマネージという会社が適性検査サービスを展開していることを知ったんです。

「自分がやりたかったのはまさにこれだ!」

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—ヒューマネージに入社して、どのような業務を経験しましたか。

最初は、主に採用ソリューション事業の統計分析をやっていました。採用管理システムに蓄積されたデータからお客さまの採用活動を振り返り、改善ポイントをみつけ、提案していく……とは言ってもはじめは全体像がよく見えていなかったので、ひたすら集計して分析して……、先輩や同じチームのメンバーに助けられながら、がむしゃらに仕事を覚えていきました。

—その後、適性検査の開発・提供をおこなう適性アセスメント事業や、入社後活躍を支援するタレントマネジメントソリューション事業にも携わっていくのですね。

わたしは学んできたことがどちらかというと適性アセスメント事業寄りなので、適性検査の業務に初めて取り組んだときには、「自分がやりたかったのはまさにこれだ!」と感じました。「この企業ではこういう人が活躍できる傾向がある」とか「こんな適性検査があったらいいな」とか、深堀りして考えていくのがとても面白く感じました。また、次第に「こういう風に提案した方がいいんじゃないか?」「分析に足りてない視点はここだな」といった考え方ができるようになってきて、より楽しくなってきましたね。

—自分で工夫を加えて仕事に取り組んでいるのですね。そうしているうちに、仕事の幅もさらに広がっていくのでしょうか。

そうですね。例えば2021年2月には「ストレスチェック結果にみるコロナ禍の傾向分析」というテーマで、業務提携している株式会社エムステージと合同でオンラインセミナーを開催しました。企業のストレスチェックのご担当者さまに向けて、自分で出した分析結果に対してポイントをどこに絞ってお話しようかな、などと考えることは、視野を広げてくれたと思います。分析結果は数字だけでは刺さらないというか、その先の“提案”があって初めて、お客さまにとって意味があるものになる。今後の分析にも役立てていきたい経験になりました。

—他部署やお客さまとの関わりについてはどうですか?分析の専門部隊、と言うと、現場と距離があるイメージを持たれる方もいるかと思うのですが……。

分析結果をお客さまに直接ご報告する機会もありますし、お客さまに一番近いところにいる企画営業職、カスタマーサクセス職のメンバーとは、コミュニケーションをとる機会も多いです。お客様の声も近くにあって、実際に役に立つ分析を提供することができる。それが当社のリサーチ&コンサルティングユニットの特長かもしれないですね。

大きな目標に向かっていることそのものが面白い

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—リサーチ&コンサルティングユニットとして、今後目指している姿を教えてください。

ヒューマネージが持っている価値のあるデータをどう分析し、役に立つ指標を示すか?サービスに活かしていくか?を考えるのは、当ユニットだと思っています。分析のフレームワークや統計処理のスキルをもっと開発して、サービス展開につなげていきたいです。

—現状あるデータを分析するだけではなく、それを新しいサービスの開発に活かしていくのですね。

そうですね。心理学の新しい概念を企業の採用や人材開発でどのように活かせるかを考え、サービスに落とし込んでいくことで、より多くの企業で役立ててもらうことができます。だから分析ができることに加え、企業に対して新しい提案ができるような考え方ができるといいかもしれません。

もちろん、単純集計や簡単な分析も業務としては存在しますし、その結果が役に立ってもいます。他方、サービス開発に注力できる体制づくりをする上で、個人の専門性をより活かせる取り組みができればなと思います。長期的には、データに対してどういう枠組みで分析をしていくか、マーケティング的な思考も必要になってくるでしょう。勉強することは尽きないですね。

—そこにもきっと、コンサルタントという仕事の面白さがあるんですね。

そうだと思います。わたしの場合、統計分析をすること自体が面白いか、と言われると実はそうでもないんですよね。最初に言った、「人」と「会社」のマッチングを良くする、という一番大きな目標があって、そこに向かっていることそのものがすごく面白い。
わたしの理想は、「自分に合わない会社」に入ってしまう人が0人で、働く人全員が「自分に合った会社」でいきいきと働くことができている社会です。もちろん現実的にはそんな状態は難しくて、どの企業も採用数には限りがあるので全員が望みの業界で働けるわけではありません。働いているうちに企業体制が変化して、いきいきと働けなくなることもあるでしょう。ライフイベントなどを経て価値観が変化して、会社とのマッチングが悪くなることも考えられます。でも、適性検査という科学的に人をみることができるツールを使ったり、分析による振り返りを行ったりすることで、そのミスマッチを少しでも減らすことができる。何もしないよりは確実に良いマッチングが出来る状態になっているはずで、自分が目指す理想の方向に少しでも世の中を動かせている、と実感できることが、何よりの面白さなのではないかと感じています。

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—コンサルタントの仕事にエンゲージしている理由が伝わってきました。

心理統計を勉強している人は、多かれ少なかれ自分の仕事がいい社会につながることを望んでいると思いますが、自分の仕事が何につながっているのか、実感できることはとても重要だと思います。わたし自身、自分がどういうことをしたいのか、自分の仕事が目的につながるかどうかを重視して働く場所を選んでよかったなと思いますし、つながりを自ら実感する視点を持っていたいと思います。何がしたいか明確には決まっていない場合も、目的や目指す社会に向かっていける仕事を選ぶと、自分のキャリアもよい方向へ進んでいくのではないかな、と。いま、そんな風に思っています。

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