Project Story

01

これからの長野県をどうつくる? 

UDC信州

Project Members

倉根さんアップ

倉根 明徳

2004年入庁/土木

建設部 都市・まちづくり課
(信州地域デザインセンター担当)

羽生田さんアップ

羽生田 彩乃

2018年入庁/行政

建設部 都市・まちづくり課
(信州地域デザインセンター担当)

宮田さんアップ

宮田 駿介

UR都市機構からの出向職員

建設部 都市・まちづくり課
(信州地域デザインセンター担当)

地域の人たちが一番喜ぶことを考え、伴走する

県主導の「まちづくり」のプラットフォーム

――まずは「信州地域デザインセンター(UDC信州)」について教えてください。
倉根さん

UDC 信州は、公・民・学が連携した新しい形のまちづくり支援組織です。一般的には、市町村や民間の取り組みを県が支援するケースが多いのですが、長野県には人口が1 万人を切るような自治体がたくさんあり「もっと県がベースを支えたほうがいいのではないか」という課題感から、まちづくりに特化したプラットフォームとしてUDC 信州が設立されました。

宮田さん

センター長、副センター長には東京大学や信州大学の先生をお招きしています。
長野市の善光寺中央通りに拠点を構え、常駐しているコーディネーターには、県職員だけでなく民間採用の職員もいますし、僕自身はUR 都市機構から出向してきています。

地域の人が何を望んでいるのか

――コーディネーターの皆さんは、具体的にどういった業務をしているのですか?
羽生田さん

各メンバーに担当地区があり、私は主に大町市、千曲市と安曇野市を担当しています。たとえば、大町市の中心市街地に、素人目で見ても「寂しいなぁ」と感じるようなシャッター街があるんです。とはいえ、私たちがいきなりガラッと変えることはできないので、まずは地域の人の声を聞いていきます。

倉根さん

「地域の人が何を望んでいるか」をしっかり調べてからプロジェクトを進めましょう、というのが大前提ですね。僕らが一方的に進めることはありません。
たとえばアンケートを取ってみて「未活用のスペースでイベントをやりたい」という声があれば、一緒に企画をしてみる。さらに「今回のイベントが定期的に開催されたらどうですか?」と聞いてみて「私たちは静かに暮らしたいです」という反応だったら、何ができるかをまた考えるんです。

羽生田さん

そこで暮らす人たちが「シャッターが閉まっていてもいい」と考えているなら、私たちが無理やりまちを変える必要はないと思います。ただ、話をしていくと「どうしたらいいかアイデアがない」という場合もあるので、他の地区でうまくいっている取り組みを調べて提案したり、すでに活動をしている地域や民間の団体があれば連携できるように動いたりと、相談に乗りながら一緒に伴走していくイメージです。

宮田さん

どんなプロジェクトも必ず成果が出るとは限らず、まちづくりに成功もないので、経験がない場合などは我々が主導していくこともあります。そうしたときに信頼して受け入れてくれる自治体も多いので、その点、信州の方は人がいいなと感じますね。

倉根さん

初開催のイベントが思った通りにいかなくても、それすらおもしろがる姿勢があるというか。「まぁ、初めてのことだししょうがないね」と寛大なんです。
「やってみたけどダメだったじゃん」と文句を言う人が一人もいないので「どこを改善したらうまくいくかな?」と、次のアクションに移しやすいんです。

――地元の人にヒアリングを重ねながら、トライアルを続けていくんですね。
倉根さん

そうですね。それに、僕たちがいろんな人や自治体の間に入って、それぞれの声を聞く調整役のような役割もしています。たとえば、違う地域にまたがってワイナリーを巡るバスを走らせる企画をするなど、市町村同士では連携しづらい部分も、ある意味「県」の立場を使えばうまくつなげることができるんです。

「まちづくり」に正解はない

――UDC信州での仕事に必要なことはなんだと思いますか?
倉根さん

アンテナを高く張ることが求められる気がします。仕事以外で見聞きしたことや雑談がヒントになることもありますね。ちょっとした発見を日々みんなで共有しているんですよ。おもしろそうなイベントを見つけたとか、旅先で立ち寄ったマルシェがよかったとか。もはや職業病ですね(笑)。

羽生田さん

私はまだUDC 信州に配属されて一年ですが、外に出かける機会は前よりも増えましたね。おもしろそうなイベントを見かけたら積極的に参加するようにしています。「仕事に役立つから行かなきゃ」というわけではなくて、自然と街中で起きていることに対して目がいくようになったんです。でも、一日中家にこもってパンを焼くような日もありますよ。

倉根さん

「まちづくり」には正解がないんです。昔は、道を広くしたり、住宅を作ったりすればそれでよかったはず。でも今は、もっと多様な価値観が出てきたので、ただ道を広くするだけではなく、あいたスペースを利用してマルシェをする、古い建物を改装してお店を作るなど、新しい発想ができる。その中で、何をしたら地域の人たちが一番喜ぶかを考えるのが僕らの仕事。その地域に合った提案ができるよう、柔軟でありたいですね。

UDCインタビュー
UDC 1

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