Project Story

02

これからの長野県をどうつくる?

信州ACEプロジェクト

Project Members

牧野さんアップ

牧野 光沙

2017年入庁/管理栄養士

健康福祉部 健康増進課

井口さんアップ

井口 美咲

2018年入庁/保健師

健康福祉部 健康増進課

山崎アップ

山崎 真治

2018年入庁/行政

健康福祉部 健康増進課

「健康」から長野県を変える、信州ACE(エース)プロジェクト

長野県民の健康寿命を延ばす

――健康増進課が取り組んでいる、信州ACEプロジェクトについて教えてください。
井口さん

信州ACE プロジェクトは「健康づくり県民運動」の名称です。
ACE は脳卒中などの生活習慣病予防に効果のある「Action(体を動かす)」「Check(健診を受ける)」「Eat(健康に食べる)」を表しています。

山崎さん

僕たちの目指す最終的なゴールは「長野県民の健康寿命の延伸」です。平均寿命は単純に何歳まで生きたかの指標なのですが、健康寿命は「健康で、自立して生活できている期間」を表します。
単に「長生き」を追求するだけでなく、一人ひとりが生涯にわたり尊厳と生きがいを持ち、その人らしく健やかで幸せに暮らせるための取り組みです。

井口さん

長野県民は「高血圧」の方の割合が高く、原因の一つに食塩の摂りすぎがあります。

牧野さん

減塩を推進するために、信州ACE プロジェクトの一つとして取り組んでいるのが、「ゆるしお」です。
県民を変えるには、まずは県職員からということで、調理師会の方やACE プロジェクトに参画する調味料メーカーにご協力いただいて考案した減塩メニューを、県庁食堂で提供しています。

ゆるしおくん
ACE
 
――長野県は、信州味噌や塩蔵など、昔ながらの食文化がありますよね。その意識を変えていくことは難しくないですか?
山崎さん

「この味が好きだから」「ずっとこれを食べてきたから」という声も大切にしながら、いかにプロジェクトを推進していくかが僕たちの課題です。

牧野さん

私たちとしても、毎年野沢菜を漬けているおばあちゃんに「漬物を食べちゃダメだよ」とは言いたくない。今できる方法で、健康に過ごしてほしいという思いがあります。そのために、食塩の多い食べ物を知ってもらう、香辛料を活用した薄味でも満足できる食事を提案するなどの工夫をしています。

山崎さん

それでもなお、食塩摂取量には無関心な人もいます。たとえば、「健康イベント」と銘打って県民向けの普及啓発を実施しても、すでに健康意識の高い人しか集まらないことが多いです。なので、普段健康を意識していない人にも届くようなアイデアを出しながら、企画を立案しています。

――大学や一般企業、広告代理店など、県組織の外との連携も多いんですね。
山崎さん

信州ACE プロジェクトを推進するにあたり、賛同してくれる仲間を募りました。調味料メーカーや医療機関、スポーツ団体、飲食店など幅広く参画してくださっているんです。僕たちが一般企業から企画の提案を受け、一緒に事業を進めていくこともあります。

健康から、長野県をよりよく

――井口さんは保健師、牧野さんは管理栄養士と専門職ですよね。民間ではなく県職員として働くことを選んだのはどうしてですか?
井口さん

私は、保健師になる上で看護師の資格も必要だったので、そもそもどちらの道を選ぶか悩みました。
私が保健師を選択したのは、保健師が「地域の看護師」と言われているからです。看護師は、患者さんとして病院に来た人をケアすることが中心。一方の保健師は、その前の段階に介入して地域の健康づくりに携わります。
市町村にも保健師はいるのですが、広い地域に関わって各地域の特性を把握したうえで仕事がしたいと思ったので、県職員を選びました。

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牧野さん

学生の頃、栄養調査について勉強していたんです。そのときに、長野県の栄養調査が全国的に進んでいることを知りました。長野県は調査によって県民の健康の実態を見続けて、事業に活かしてきたからこそ、健康づくりへの意識を高めてこられたんだと思います。そこに管理栄養士として携われたらなという思いがありました。

――山崎さんが県職員を選んだのはどうしてでしょう?
山崎さん

僕は地元が長野県で、大学進学を機に一度、石川県金沢市に行ったんです。当時の金沢は新幹線が開通したばかりで街全体がすごく盛り上がっていて、とてもかっこよかった。長野県もいいところだと思っていたけれど、金沢の活気から見習うべき部分があるんじゃないかなと思って。だから自分の育った街をもっとよくするために、戻ってきました。

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少しずつ地域を変えていく

――それぞれ、長野県をもっとよくしたいという思いがあって働いているんですね。実際に仕事をしていて手応えはありますか?
井口さん

県の保健師は、各自治体の保健師さんたちがどんなことで困っているのかをヒアリングして、それに合わせた研修会を企画することもあります。「参加してよかった、またやってほしい」と言っていただくと、この方向性でよかったんだな、もっとよくしていこうと思えますね。

牧野さん

保健所勤務の時は、地域の食生活改善推進員の方々と一緒にお仕事をする機会が多いのですが、みなさんと「一緒に地域をよくしていこう」という思いで働けるのはうれしいですね。

山崎さん

行政職の仕事は本当に多岐にわたります。今の業務では、県としての課題を拾ってきて「こういう事業がしたいんです」と上司に提案する機会も結構多い。
企画が通ったときはもちろん、事業効果の検証を通してよい反応をもらえたときはうれしいですね。自分の力が、長野県に対してどこまで影響力があるかはわかりませんが、少しずつ地域を変えていけるような仕事ができればと思います。

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