
VOYAGE
歴史を辿ると、ヒューマネージが見えてくる。
社長が語るHUMANAGE VOYAGE
Episode04
2004年 分社編
当時のアトラクスには、企業の販促施策を支援するマーケティング事業部門もあり、お客様からみると一体何の会社か分かりにくくなっていました。
そこで、社長と相談して、適性検査事業とEAP事業を別会社(分社)化し、(株)アトラクス ヒューマネージという子会社を設立し私がその会社の社長に就きました。
適性検査、および従業員のメンタルヘルス支援のコンサルティングという事業領域が明確になったことでブランド力がより高まり、アトラクス ヒューマネージは順調に立ち上がりました。
また、EAP事業では、従業員の方々が自己のメンタルヘルス状況をチェックできるストレスマネジメント検査『Co-Labo』も開発しました。
ストレスマネジメント検査『Co-Labo』
一方、アトラクスには、(先に登場した)採用アウトソーシングの先駆けだった事業部-採用ソリューション事業部-もありました。この事業部は、インターネットの普及に伴い、従来のビジネスモデルが通用しなくなり、会社の主力事業であるにもかかわらず、依然、存続の危機に陥っていました。社長から、次はこの事業部を統括するよう指示を受けました。
当時、採用ソリューション事業部は、少しでも売上をあげるために、あれもこれもと総花的な商品・サービスを手がけた結果、運用体制が確立できずにいました。恒常的な深夜残業や休日出勤により、メンバーはかなり疲弊しており、「運用トラブルが発生」→「お客様に謝罪」→「責任を感じた担当者が退職」→「別の運用トラブルが発生」→ … という悪循環に陥っていました。
そこで、メンバー全員と面談し、彼らのやる気を確認した上で、組織の再構築、本来の意味での“リストラ”に着手しました。まず私が打ち出したのは、効率よく仕事ができる体制ができあがるまで「営業はしない!ノルマ廃止!」という、普通の経営者なら絶対にしない大胆な施策でした。さらには、赤字決算にもかかわらず、社員を増員しました。そして、皆で知恵を絞って、マニュアルの整備をはじめとする業務の標準化を図りました。ある時、それまで打ち出した施策を数えてみたら、驚いたことに100を超えていましたが、それぐらい次々とリストラ策を打ち出したわけです。取り組みは徐々に功を奏し、次年度は、運用ミスは減少し、退職者も減りました。また利益を出すこともできました。残業も辞めていく仲間も減り、黒字決算を達成できたことで、後ろ向きだったメンバーの士気もどんどん上がり、2年後にはまったく別の組織に生まれ変わりました。
また多くの企業の選考プロセスを支援させていただいた中で培われたノウハウに基づき開発された選考管理システム『i-web』は、採用ソリューション事業部の主力商品となりました。
このように、「分社化」と「事業の再構築」により、ようやくアトラクスの人材事業が成長軌道に乗ったところ、またまた思いもよらない事件が起きました。