OUR WORK

研究

研究室の論理から、市場の言語へ。

世界初の技術を社会実装する 

Y.S

生命医科学研究科 医生命システム専攻 卒 中央研究所 2022年入社 

2022年に入社後、高槻工場へ配属。製造現場を経験したのち、2023年より中央研究所にて、機能性素材「プラズマローゲン」の研究開発と販売促進活動の双方を担当。現在は、素材の抽出実験などの研究業務に加え、国内外の展示会における技術営業やセミナー登壇など、事業の最前線に立っている。 

私が所属する中央研究所では、実験室に閉じこもるのではなく、生み出した素材を社会へ届けるプロセスそのものを担っています。現在、私は「プラズマローゲン」という鶏ムネ肉由来の機能性素材を担当しており、その業務は研究開発と販売促進の二つの領域にまたがっています。

通常、研究職といえばビーカーや試験管に向き合う日々を想像するかもしれません。確かに私も、有機溶媒を用いた抽出実験や生物系の実験を行い、防護具を装着して緻密なデータの検証を行っています。 しかし、現在の私の業務比率は、研究が3割に対し、販売促進活動が7割を占めています。 研究所で得られたエビデンスを、そのまま市場へ持ち出し、展示会やセミナーなどを通じてお客様へ直接提案する。技術の種を育てるだけでなく、それが花開く市場まで自らの足で耕しに行くのが私の役割です。

この業務の重要性は、信頼できる情報と自らの熱量にあります。実験を行った本人がそのメカニズムや有用性を語ることで、お客様の信頼感は格段に高まります。 私が目指しているのは、研究者としての専門性と、ビジネスパーソンとしての対話力を兼ね備えた、技術と市場のトランスレーターとしての立ち位置です。

STORY 01

研究職の枠を超え、技術と市場をつなぐ

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STORY 02

未利用資源から認知症予防の希望を抽出する

私が扱っている「プラズマローゲン」は、認知機能を維持・向上させる効果が期待される成分です。具体的には、認知症の原因物質とされるアミロイドベータの蓄積を抑制し、脳の健康を守る役割を果たしていると言われます。 実は、この成分を鶏ムネ肉から抽出することに成功したのは、世界でも丸大食品が初めてであり、当社独自の特許技術です。

この事業には、単なる機能性素材の開発にとどまらない、社会的な意義も含まれています。原料としているのは、採卵を終えた親鳥です。親鳥の肉は食感が硬く産肉量も少ないため、食用肉としての利用が限定的であり、廃棄されることもありました。しかし、私たちはその親鳥から効率的にプラズマローゲンを抽出する特許技術製法を確立しました。

今まで価値がないと見なされていた資源に、認知症予防という現代社会が抱える課題解決の鍵を見出す。これは食品メーカーとして、食の可能性を拡張する試みでもあります。大学院時代に予防医学や抗酸化成分の研究に没頭し、健康を軸に就職活動を行っていた私にとって、この成分の研究はまさに志望していたキャリアそのものでした。 祖母の認知症を目の当たりにしたこともあり、この成分を通じて社会課題に貢献できることに、個人的にも強い使命感を持っています。

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STORY 03

台湾での失敗で学んだ「伝える」ことの難しさ 

入社後、私が直面した最大の壁は、専門知識をいかにして専門外の人々に届けるかというコミュニケーションの課題でした。研究室のアカデミックな共通言語は、そのままではビジネスの現場では通用しません。

そのことを痛感したのが、台湾で開催された大規模な展示会での経験です。 私はそこでセミナーの登壇を任されましたが、初めての海外発表という重圧もあり、原稿を棒読みすることしかできませんでした。足が震え、聴衆の反応を見る余裕もなく、ただ情報を羅列するだけのプレゼンテーションに終わってしまったのです。 研究者として正しいことを言えば伝わるはずだ、という思い込みが打ち砕かれた瞬間でした。

この経験を経て、私は意識を根本から変えました。相手は学会に参加している有識者ではなく、ビジネスパートナーや一般のお客様です。専門用語を並べるのではなく、相手の知識レベルに合わせて噛み砕き、納得感のあるロジックを再構築する必要があります。 私は認知機能に関する周辺知識を一から学び直し、発表練習を繰り返しました。また、技術営業として多くの顧客と対話を重ねる中で、相手が何を求めているのかを察知する感度を磨きました。 今では、海外の顧客に対しても落ち着いて自社の素材をアピールできるようになり、現地の企業役員の方へのプレゼンテーションを通じて、新たな採用案件につながる成果も出始めています。

STORY 04

素材の提供から、最終製品の創造へ

現在、私たちはプラズマローゲンを原料として健康食品メーカー様などに提供するBtoBのビジネスを展開しています。 しかし、私の視線はさらにその先、最終製品として消費者の手に届く未来に向いています。 
将来的には、プラズマローゲンを配合した自社製品を開発し、より多くの人々の生活にダイレクトに貢献したいと考えています。丸大食品の研究環境は、若手であっても論理的な裏付けと情熱があれば、新しい挑戦を後押ししてくれる風土があります。 
また、市場は日本国内にとどまりません。台湾に加え、健康食品への関心が高い韓国を含めた海外市場への展開も視野に入れています。現地のニーズをより深く理解し、技術的な折衝を自らの言葉で行うために、現在は韓国語の習得にも励んでいます。 ハムやソーセージといった既存のイメージを超え、予防医学の丸大食品として世界で認知される未来を作る。それが、研究者でありマーケターでもある私の、次なるミッションです。 

MESSAGE

メッセージ

大学での研究は真理の探究が第一義ですが、企業における研究開発では社会実装の視点が不可欠です。しかし、コストや時間軸、そしてお客様のニーズとかけ離れていては、いかに優れた技術や素材であっても事業として活かすことはできません。 研究室の論理だけで完結せず、ビジネスとしての成立要件をシビアに見極めること。そのリアリズムを持って初めて、科学は社会を変える力になると私は考えています。 

TIME SCHEDULE

1日のスケジュール

  • 8:30

    出社・メールチェック

  • 9:00

    製品の出荷

    プラズマローゲン素材を購入いただいた企業様に向けて、製品の梱包および出荷手配。 

  • 10:00

    実験開始

    生物系の実験から、有機溶媒を用いた抽出実験まで、プラズマローゲンの機能性検証や品質向上に向けた実験。

  • 12:00

    昼食

    お弁当を持参し、研究所内のメンバーと昼食。 

  • 13:00

    セミナー資料作成・準備

    直近の展示会や講演に向けたスライド資料の作成や、発表のシミュレーションを行う。 

  • 15:00

    社外打ち合わせ

    販売代理店や導入検討中の企業様とオンラインで接続し、技術的な質疑応答や販売戦略のすり合わせをする。 

  • 17:30

    退社

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