OUR WORK

生産

緻密な工程管理とデータ分析で、

食の安定供給を守り抜く 

S.S

理学研究科 生物地球系専攻 卒 高槻工場 腸詰包装 2021年入社

大学では火山岩石学を専攻し、地質の調査分析を行う。「食」というインフラに関わりたいという意志と、女性が働きやすい環境に惹かれ入社。以来、主力工場である高槻工場にて、ソーセージの包装工程の管理業務に従事する。現在は生産ラインの人員配置、進捗管理、生産効率の改善を担当。後輩育成や外国人技能実習生のサポートも行いながら、現場の司令塔として稼働を支えている。 

私が担当しているのは、加熱処理を終えたソーセージやハムを製品として包装する工程の管理です。ここは製造プロセスにおける最終段階であり、製品が消費者の手に渡る直前の姿になる場所です。加熱後の製品は殺菌工程を経ないため、包装段階での汚染は絶対に防がなければなりません。私たちの現場で万が一トラブルが起きれば、それは即座にお客様の不安につながります。 
この工程は、工場内で最も厳格な衛生管理が求められるクリーンエリアです。作業者は入室前に幾重もの消毒を行い、専用の防塵服を着用します。私は現場管理者として、これらの衛生基準が遵守されているかを監視しつつ、日々の生産計画を達成するための人員配置を行います。 
例えば、主力商品である「燻製屋」の場合、1日に1万ケース以上を製造することもあります。この膨大な量を、遅滞なく送り出すことが私のミッションです。機械のトラブルや人員の突発的な欠員など、現場は常に変化します。その中で、どのラインに誰を配置し、どの順番で製品を流せば最短で完了するか。常に数時間先の状況を予測し、適切な判断を下すことが求められます。単なる作業の監督ではなく、品質と効率という二つの指標を維持し続けること。それが、食のインフラを支えるプロフェッショナルとしての私の責任です。 

STORY 01

最後の砦としての品質責任

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STORY 02

対話を重ねて実現した生産体制の変革

入社4年目の頃、私は生産能力の向上という課題に取り組みました。春先の行楽シーズンなど、主力商品である串付きフランクフルトの需要が急増する時期があります。当時、製造ラインは2つありましたが、1つはメインとして稼働し、もう1つは予備のサブラインとして、繁忙期以外はほとんど使われていませんでした。私は、このサブラインを常時稼働レベルまで引き上げ、メインラインと同等の生産能力を持たせれば、繁忙期の負荷を大幅に分散できると考えました。 
しかし、現場の反応は当初、慎重なものでした。ベテランのパートタイマーの方々からは、長年の慣習と異なる運用に対して、負担増を懸念する声が上がりました。不慣れなラインでの作業に対する不安は当然のことです。 
私は一方的に指示を出すのではなく、まず「なぜこの変更が必要なのか」という目的を丁寧に説明し続けました。そして何より重要だったのは、一度始めた施策を途中で投げ出さないことでした。運用中に発生した細かな不具合や要望には一つひとつ耳を傾け、その都度対応策を講じる姿勢を徹底しました。日々の小さな信頼の積み重ねが、やがて現場の協力を引き出すことにつながりました。結果としてサブラインの完全稼働が実現し、繁忙期の生産能力は飛躍的に向上しました。この経験から、現場改善とはシステムを変えるだけでなく、共に働く人々の納得感を作るプロセスであると学びました。 

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STORY 03

数値の乖離を埋める技術的アプローチ

生産効率の追求において、私が特に注力したのは機械設定の適正化です。ある時、同じ商品を生産している5つのライン間で、設定値に微妙なばらつきがあることに気づきました。すべての製品は規定の重量を満たしていますが、設定のわずかな誤差により、必要以上に製品を充填してしまっているラインが存在していたのです。 
食品製造において、わずかな歩留まりの差は、年間で見れば大きな金額の差となって表れます。しかし、この設定値のばらつきの原因は長らく不明確なままでした。私は設備の保全を担当する技術部門の社員と連携し、機械内部の詳細なパラメータ設定の調査に乗り出しました。 
調査の結果、機械ごとの設定値に、過去の経緯や個体差による微細な差異が発見されました。これらを一つひとつ検証し、すべてのラインで最適な値に統一しました。さらに、原料事情による製品重量の変化や包装フィルムの仕様変更に合わせて、1分間あたりの包装数(ショット数)も見直しを行いました。その結果、現在は製品重量の変化に応じて機械の回転数を上げ、1分間に10袋以上の増産を可能にする設定へと変更しています。現場の「当たり前」をデータに基づいて再検証することで、製造コストと生産性の両面で成果を上げることができました。 

STORY 04

進化する現場と次世代への継承

工場は今、自動化とデータ活用の過渡期にあります。私の担当する現場でも、AIを用いた自動検品システムのテスト導入が進んでいます。これまでは人の目に頼っていたチェック工程を、画像認識技術によって自動化する試みです。複数のパートナー企業から提案を受け、実際に現場でテスト機を稼働させながら、実運用に向けた検証を行っています。 
こうした新しい技術を導入する際も、重要になるのは現場の視点です。理論上は優れたシステムであっても、実際の運用フローに適合しなければ意味がありません。私は現場管理者として、作業者の生の声と、会社が求める効率化の狭間に立ち、実効性のある導入計画を模索しています。 
現在は、私がこれまで培ってきた業務知識や改善ノウハウを、後輩社員に引き継ぐことにも力を入れています。現場管理の仕事は、属人的になりがちな側面がありますが、それを仕組み化し、誰が担当しても高品質な生産が維持できる体制を作ることが目標です。私自身は、現場という視点だけでなく、工場全体の生産戦略を俯瞰する立場へとステップアップすることを見据えています。 

MESSAGE

メッセージ

工場の現場管理は、毎日同じ作業を繰り返す仕事だと思われがちです。しかし実際は、機械の導入や生産品目の変化、そして多様なバックグラウンドを持つスタッフとの関わりにより、二度と同じ日はありません。予期せぬ課題に対して仮説を立て、実行し、すぐに結果が数字として表れる。この高速なサイクルこそが、この仕事の知的な面白さです。変化を楽しみ、自ら仕掛けていきたい方には、最適なフィールドです。 

TIME SCHEDULE

1日のスケジュール

  • 6:00

    出社

    生産ラインのセットアップ状況を確認し、始業前点検。当日の生産予定と人員配置を最終調整し、現場への指示出しを行う。

  • 8:00

    生産稼働開始

    各ラインが予定通りに動いているか巡回確認。トラブルの予兆がないか、数値と現場の動きをモニタリング。

  • 11:00

    昼食

  • 12:00

    午前の生産進捗データを集計

    データ集計に遅れが生じている場合は、午後の配置変更や優先順位の入れ替えを判断し、現場へ指示を出す。

  • 14:00

    夜勤帯への引き継ぎ準備

    翌日以降の生産計画に基づき、夜間の人員配置表を作成。設備メンテナンスの予定なども調整。

  • 15:00

    退社

    夜勤担当の社員へ進捗状況と注意事項を綿密に引き継ぎして業務終了。

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