OUR WORK
商品開発(ハム・ソーセージ部門)
趣味のラーメン作りから、
数万食の生産ラインへ。
味を数値に変換する開発の論理
S.I
農学部 応用生命化学科 卒 ハムソー生産部 商品開発課 2021年入社
学生時代はラーメンの焼豚を自作するほど料理に没頭し、自ら食を生み出す仕事に関心を持つ。2021年に入社後は工場にて約1年間、製造や生産の基礎を現場で習得。その後、パンやトルティーヤなどの商品開発に従事。2023年より調理加工マーケティング部にてコンビニ向け惣菜を担当し、2024年からは現部署にて、主に業務用焼豚(チャーシュー)の開発を担当。
私が所属する商品開発課では、主に業務用の焼豚(チャーシュー)の開発を担当しています。これらは、皆さんがコンビニエンスストアで見かけるラーメンの具材や、スーパーで販売されている焼きそばに入っているお肉、あるいはサンドイッチの具材として使用されるものです。丸大食品というロゴが表に出ることは少ないですが、日本の食卓の中身を支える重要なパーツを設計しています。
私は学生時代、スープや焼豚を自作するほどラーメンが好きで、よく自宅で試作をしていました。その延長で食品開発の道を志しましたが、入社して痛感したのは、趣味の料理と工業製品としての食品開発は、似て非なるものであるという事実です。
家庭のキッチンであれば、手間ひまをかけて最高の一品を作れば正解です。しかし、私たちの仕事は工場での大量生産が前提です。例えば、営業から「サンドイッチ用にカレー風味の焼豚が欲しい」という依頼が来たとします。味を再現するだけでなく、工場の機械で流せる硬さか、指定された原価に収まるか、全国に流通させても品質が劣化しないか。これら全ての条件をクリアし、味という感性を、再現可能なスペック(仕様)へと変換していく作業こそが、プロフェッショナルとしての開発業務です。
STORY 01
美味しいを工業化する、趣味と仕事の決定的な違い
STORY 02
生産ライン移管の壁と、3週間の泊まり込み
入社4年目、ある大きなプロジェクトを任されました。既存の焼豚商品6〜7品を、別の工場の新設ラインへ移管するというミッションです。同じレシピ、似たような機械であっても、工場が変われば環境は激変します。それは開発者にとって、想像以上に高いハードルでした。
実際、テスト生産を始めてみると、想定外のトラブルが頻発しました。以前の工場では問題なくスライスできていた肉が、新しい機械では形が崩れてしまったり、熱のかかりかたが微妙に異なり、目標とする品質にならなかったりと、計算通りには進みませんでした。設備の差や環境の違いが、製品の仕上がりにこれほど影響するのかと、現場で思い知らされました。
私は約3週間、工場の近くのホテルに泊まり込み、現場に張り付きました。毎日工場スタッフや上司と会議を行い、その日に起きた不具合の原因を徹底的に洗い出しました。「なぜ切れないのか」「温度設定をどう調整すれば解決するのか」。感覚に頼らず、一つ一つの事象をデータで検証する。地道なすり合わせを繰り返した結果、全ての商品の移管を完了させることができました。似たような機械であっても、細かな違いによって仕上がりには差が生まれます。そうした条件の中で、いかに理想の製品に近づけていくかを考えることが、現場を知る大きな転換点となりました。
STORY 03
商品開発のプロとして、五感を研ぎ澄ます日常
開発職の日常は、華やかな試作ばかりではありません。地味でストイックな一面もあります。その一つが官能評価(試食)です。依頼内容に沿って試作したサンプルを提出したり、さらにブラッシュアップするために部署全体で試作品を確認したりと、日々さまざまな形で製品と向き合っています。
こうした業務では、普段から「味をどう感じているか」を意識するようにしています。食事の際には、塩味や甘味、旨味、酸味、苦味、コクといった要素を自然と考えながら口にすることが多く、自分の感覚がずれていないかを確かめる習慣が身につきました。また、社内では定期的に味覚の識別テストも行われており、自身の感覚を客観的に確認する機会もあります。
私が携わっている商品は業務用が中心ですが、スーパーやコンビニ向けの商品開発を担当することもあります。以前、開発に関わった惣菜を友人に勧めて食べてもらったことがあり、「これ、おいしいね」と何気なく言われた瞬間は、正直うれしかったですね。自分の仕事が誰かの日常の食事として受け取られていることを実感して、思わずガッツポーズが出ました。
STORY 04
料理への情熱と、これからの野心
仕事で食に向き合う一方で、プライベートでの料理への情熱も冷めることはありません。休日は話題の飲食店を巡って味のトレンドを収集したり、自宅で本格的な料理を作ったりしています。最近では、親しい友人の誕生日に、メニューリストから自作したフレンチのフルコースを振る舞いました。喜んで涙を流してくれた姿を見て、食が持つ、人の心を動かす根源的なパワーを再確認しました。
現在の私の目標は、5年以内に「これは自分が作った」と胸を張って言えるような、誰もが知るヒット商品を生み出すことです。現在は先輩や上司のサポートを受けながら業務を進めることが多いですが、知識と経験を蓄積し、いずれはチームを率いるリーダーとして、丸大食品の新しい柱となる商品を世に送り出したいと考えています。好きこそ物の上手なれ。食への飽くなき探求心こそが、私の開発者としての原動力です。
MESSAGE
メッセージ
食品開発というと、特別なセンスや調理技術が必要だと思われるかもしれません。しかし、実際の現場で求められるのは、料理の腕前以上に、機械の特性を理解する論理的思考や、多くの関係者と協力してゴールを目指すコミュニケーション能力です。食べることが好きなのはもちろん大切ですが、それに加えて「なぜ美味しいのか」「どうすれば工場で作れるか」を突き詰められる好奇心も重要です。丸大食品には、若手の挑戦を温かく見守り、失敗から学ばせてくれる風土があります。食への熱い想いを持った方と、共に働ける日を楽しみにしています。
TIME SCHEDULE
1日のスケジュール