OUR WORK

品質管理

日々繰り返される

製造工程に潜む違和感を察知し、

食の安全という基準を証明し続ける。

N.M

応用生物学部 応用生物学科 卒 高槻工場 品質管理室 2016年入社 

2016年に入社後、関東工場の品質管理室に配属され、主に腸詰製品(ウインナー等)の管理を担当。製造現場における品質維持の基礎を習得する。2021年に高槻工場へ異動し、ハムやベーコンなどの単味加工品の品質管理に従事。2022年より産前産後休業・育児休業を取得し、2023年に職場復帰。現在は短時間勤務制度を利用しながら、国際的な食品安全規格であるFSSC22000の運用管理および腸詰製品の品質管理を担当。 

品質管理という仕事に対し、試験室で分析を行う姿を想像する学生は多いかもしれません。確かにそれも業務の一部ですが、丸大食品における品質管理の本質は、もっと現場に近い場所にあります。私が現在所属する高槻工場は、ハムやソーセージを製造する当社の主力拠点です。ここで私は、食品安全の国際規格であるFSSC22000の運用管理を主担当として任されています。これは単にルールを守るだけでなく、工場全体が定められた手順通りに稼働しているかを監視し、記録として証明し続ける重要な役割です。

私の日常は、デスクワークだけでなく製造現場を確認することから始まります。データ上の数値だけでは見えないリスクが現場には潜んでいるからです。例えば、従業員の動きや機械の稼働状況において、昨日とは違うわずかな違和感を感じ取ること。その違和感の正体を突き止め、問題が起きる前に対処することこそが、私の仕事の核心です。

この業務に派手さはありません。毎日製品を食べ続け、味や食感の変化を舌で確認し、膨大な記録用紙を精査する地道な積み重ねです。しかし、この反復こそが、異物混入や食中毒といった企業存続に関わるリスクを未然に防ぐ防波堤となっています。何事もなく一日が終わり、安全な商品が出荷されていく。その当たり前の日常を守り抜くことに、プロフェッショナルとしての静かな誇りを感じています。

STORY 01

現場の空気を読み、国際規格を動かす実地的な管理の在り方 

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STORY 02

「骨の混入」という難題に挑み、データと執念で確率を覆す

入社3年目頃、私は品質管理担当として大きな壁に直面しました。当時、取引先へ供給していたある商品に対し、骨の混入に関するご指摘が相次いだのです。食肉加工において、原料由来の骨を完全にゼロにすることは技術的に非常に困難な課題です。しかし、お客様が口の中を怪我するリスクがある以上、言い訳は通用しません。取引先からは厳しい改善要求が突きつけられ、私はその対応の最前線に立つことになりました。 
目標はご指摘件数を限りなくゼロにすること。私はまず、問題の根本原因を探るためにデータを収集しました。原料となる肉のサプライヤーを見直し、よりリスクの低いサプライヤーへの切り替えを検討しました。さらに、骨を除去・検知するX線検査機の感度調整に着手しました。検査機器メーカーの専門家に教えを請い、最適な設定値を模索し続ける日々が続きました。また、機械だけに頼るのではなく、現場の作業員に対しても、どの工程で骨が見つかりやすいかという具体的なフィードバックを行い、人の目による監視体制も強化しました。 
改善策を講じても、結果が数字として表れるまでには半年近くの時間を要しました。出口の見えないプレッシャーの中で心が折れそうになる瞬間もありましたが、粘り強く対策を積み重ねた結果、それまで年間10件近くあったご指摘を1〜2件まで激減させることに成功しました。この経験を通じ、困難な課題であっても、論理的にアプローチし周囲を巻き込んで行動すれば、必ず道は拓けるという確信を得ることができました。 

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STORY 03

消費者の食卓を想像し、工場という閉じた空間に視座を取り戻す

工場での勤務が長くなると、どうしても視点が内向きになりがちです。日々製造される商品を見ていると、それが一つひとつ誰かの口に入る食事であるという感覚が希薄になる瞬間があります。しかし、一歩工場の外に出れば、私も一人の消費者です。スーパーの棚に並ぶ自社商品を手に取るお客様や、それを美味しそうに食べる家族の姿を見るたびに、私たちの仕事が社会と繋がっていることを再認識させられます。 
私自身、現在は一児の母として、子供の食事を用意する立場にあります。スーパーで食材を選ぶ際、やはり裏面の製造者名を確認し、信頼できるメーカーのものを選びます。自社のウインナーを子供が喜んで食べる姿を見る時、私が工場で日々行っている厳しいチェックは、この笑顔を守るためのものなのだと実感します。品質管理とは、単に規格適合を判定する作業ではなく、その先にある家族の団欒や安心を保証する契約なのだと考えを新たにしています。 
工場の中にいると、効率や生産性が優先される場面もあります。しかし、品質管理という立場だからこそ、常に消費者の視点を持ち込み、時には生産現場に対して耳の痛いことも言わなければなりません。それが、最終的にブランドの信頼を守り、長く愛される商品を作り続けるための方法だと信じているからです。 

STORY 04

属人化した技術を標準化し、誰もが活躍できる組織へ変革する

現在、私は育児休業から復帰し、短時間勤務制度を利用して働いています。工場の品質管理は現場対応が求められる場面も多く、短時間勤務と両立しながら続ける例はまだ多くありません。だからこそ、制度を活用しながら現場で成果を積み重ねることで、同じように両立に悩む社員にとって「こういう働き方もできる」という一つのきっかけになればと考えています。

そのために現在取り組んでいるのが、業務の標準化です。品質管理の仕事は、個人の経験や勘に依存する部分が大きく、属人化しやすい傾向にあります。特定の人しかできない業務が多いと、その人が不在の際に組織が機能しません。そこで私は、自身の業務を細分化し、誰が見ても同じレベルで判断できるよう、写真や図を用いた視覚的なマニュアルの作成を進めています。暗黙知を形式知へと変換することで、組織全体のスキル底上げを図ると同時に、誰もが休みを取りやすく、互いにカバーし合える体制を構築することが狙いです。

限られた時間の中で成果を出すためには、以前よりも高い密度で仕事に向き合う必要があります。しかし、周囲の理解と協力、そして何より変化を受け入れる会社の風土のおかげで、新たな働き方に挑戦できています。工場という伝統的な現場において、しなやかに働き続けられる仕組みを整えること。それが、今の私の個人的な目標であり、組織に対する貢献の形だと考えています。

MESSAGE

メッセージ

品質管理は、お客様の声を最初に受け止める部署であり、その声を製造現場へフィードバックすることで商品をより良くできるポジションです。当社には、若手であっても論理的な提案であれば受け入れ、任せてくれる風土があります。工場勤務であっても、制度を活用してライフイベントと仕事を両立することは可能です。食の安全を守るプロフェッショナルとして、私たちと一緒に成長していける方をお待ちしています。 

TIME SCHEDULE

1日のスケジュール

  • 9:00

    出社・メールチェック

    夜間に届いたメールや製造日報を確認し、当日の優先順位を決定する。 

  • 9:30

    資料作成・FSSC運用管理

    FSSC22000に関わる記録の確認や、手順書の改訂作業を行う。監査が近い場合は、提出書類の整備に集中する。 

  • 11:30

    昼食

    工場の食堂で昼食。リラックスしてリフレッシュする時間。 

  • 12:30

    現場巡回・確認

    製造現場へ入り、衛生状態や作業工程を確認。従業員へのヒアリングを行い、変わったことがないか情報を収集する。 

  • 13:30

    会議・打ち合わせ

    他部署との定例会議や、品質改善に向けたプロジェクトミーティングに参加。現場の状況を報告し、対策を協議する。 

  • 15:45

    退社

    業務の進捗を確認し、翌日の予定を整理して退社。限られた時間内で効率的に成果を出すことを意識している。 

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