OUR WORK

商品企画(ハム・ソーセージ部門)

市場データと感性の両輪で、食卓の定番を更新する

M.N

栄養学部 食文化栄養学科 卒 ハムソーマーケティング部商品企画課 2021年入社 

2021年の入社後、量販営業部の広域営業部に配属。東京を拠点に、大手小売チェーンの本部担当としてPB商品の開発などにも携わる。2023年より現在のハムソーマーケティング部商品企画課へ異動。現在は新商品や既存品のリニューアルに伴う企画立案、パッケージデザインのディレクションに加え、主力ブランド「燻製屋」シリーズのPR業務なども幅広く担当している。 

私が所属する商品企画課は、単に新しい味を考えるだけの部署ではありません。市場調査や購買データを分析し、どのような商品が求められているかを論理的に組み立て、それを最終的なアウトプットである商品やパッケージに落とし込む仕事です。 
主力ブランド「燻製屋」のパッケージリニューアルに関わった際のエピソードがあります。スーパーの加工肉売り場には、各メーカーの多様な商品が並び、非常に情報過多な状態にあります。その中で、いかにして消費者の目に留まり、かつ商品の強みを瞬時に伝えるかが課題でした。 
私は、パッケージ上部の商品の魅力を伝えるキャッチコピーに、あえて手書き文字を採用することを提案しました。デジタルフォントが並ぶ無機質な売り場において、手書きの有機的なラインは逆に視認性を高め、際立つと考えたからです。また、この商品の本質である熟成や美味しさといったこだわりを伝えるためにも、整いすぎた文字よりも効果的であると判断しました。社内からは賛同の声があがり、実際に採用されました。マーケティングとは数字を扱う仕事ですが、最終的には人の感性にどう響かせるかという定性的な判断が、商品の命運を分けることがあります。 

STORY 01

売り場に商品の本質を届けるデザイン戦略

people09_img01

STORY 02

常識にとらわれない色彩設計で、新たな顧客層へアプローチする

既存の延長線上ではない、新しい価値を市場に問いかけることもマーケティングの重要な役割です。私が生ベーコンの商品「短冊カット パンチェッタ」のデザインを担当した際、従来のハム・ソーセージ売り場の常識とは異なるアプローチを試みました。 
通常、このカテゴリのパッケージは、ファミリー層を意識した暖色系や、情報量が多い賑やかなデザインが主流です。しかし、この商品はワインなどのお酒に合わせて楽しむ洋風のおつまみというコンセプトを持っていました。そこで私は、ターゲットを大人や少人数世帯に絞り込み、売り場で異彩を放つ白と黒のツートンカラーのデザインを提案しました。 
食品のパッケージとして黒を大きく使うことは挑戦的でしたが、シンプルでスタイリッシュな外観は、結果としてターゲットとしていた層への訴求に成功しました。商品自体も右肩上がりで成長し、姉妹品を展開するまでに至っています。自身のバックグラウンドである食への興味や、普段の生活で目にする菓子や酒類のパッケージから得たインスピレーションを、論理的な戦略としてビジネスに変換できた事例です。 

people09_img02

STORY 03

ブランドの信頼を守るための、メディア対応における危機管理

マーケティング部では商品企画に加えて、テレビや新聞などの取材対応といったPR業務も担当します。メディアで商品が紹介されると、多くの人に知ってもらえるため、「同じ規模の広告を出すとしたらいくらか」という目安(広告換算)で見ても大きな価値があります。 
一方で、発信内容に誤りがないよう事実確認を徹底し、正確な情報を届ける責任も伴います。以前、「燻製屋」がテレビ取材を受けた際、私は窓口として対応にあたりました。番組制作の現場は非常にスケジュールがタイトです。編集の過程で商品特長や推奨する調理法のニュアンスが、メーカーとして伝えたい事実と微妙に食い違ってしまうリスクがありました。当時は私の経験不足もあり、放送直前での修正依頼や各所への確認に奔走し、社内外の関係者に負荷をかけてしまいました。 
この経験から、メディア対応においては受け身でいるのではなく、企画段階から制作サイドと密に連携し、誤解を生まないための情報を先回りして提供する重要性を痛感しました。華やかに見えるPR業務ですが、その裏側には、ブランドの信頼を守るための地道で緻密なコミュニケーションが不可欠です。 

STORY 04

法規制とデータに基づく、堅実な商品開発の裏側

商品企画という言葉からは、自由なアイデアを形にするクリエイティブな側面が注目されがちですが、実務の大半は極めて厳格な制約の中にあります。食品メーカーとして最も優先すべきはおいしさですが、安全性と法令遵守も重要な項目です。 
例えば、新しい商品名やキャッチコピーを考える際も、商標権の侵害がないか、景品表示法や食品表示法に抵触しないかを詳細に確認する必要があります。また、特色JAS規格のような法令に定められた規格基準も熟知していなければなりません。「燻製屋」が業界で初めて特定JAS認定(現 特色JAS)を受けたように、正確な規格に基づいた商品作りが信頼の証となるからです。 
さらに、どれほど面白いアイデアであっても、POSデータやアンケート調査などの客観的な根拠がなければ商品は日の目を見ません。時には自信を持って提案した企画が、データの壁に阻まれて白紙になることもあります。しかし、そうした数多くの制約や失敗の積み重ねの上に、市場で長く愛される商品が生まれているのです。

MESSAGE

メッセージ

私たちが扱う商品は、全国に流通網を持ち、遠く離れた場所に住む人々の食卓にも届きます。自分が企画に携わった商品が、見知らぬ誰かの日常の一部となり、生活を豊かにする手助けができる。このスケールの大きさと影響力こそが、この仕事の醍醐味です。決して華やかなことばかりではありませんが、食というインフラを通じて社会と繋がる確かな実感を得られる環境です。 

TIME SCHEDULE

1日のスケジュール

  • 8:30

    出社・情報収集とメールチェック

    まずはメールを確認し、当日のタスクを整理。営業部門から共有される日報や市場情報をチェックし、競合他社の動きや現場の声を企画に反映させるための材料を集める。

  • 10:00

    パッケージ資材メーカーとの打ち合わせ

    新商品のパッケージデザインや包材の仕様について、印刷会社や資材メーカーと打ち合わせ。発売日から逆算したスケジュール管理と、意図したデザインを再現するための細かな調整が求められる。 

  • 12:00

    昼食

  • 13:00

    商談用資料の作成

    営業担当者が小売店への提案時に使用する商品資料を作成。商品の魅力や市場における優位性が、バイヤーに短時間で伝わるよう、論理構成や視認性に配慮して仕上げる。

  • 15:00

    試食・官能評価

    開発中の試作品や、市場に出ている競合商品の試食を行う。作り手としての視点だけでなく、一人の消費者として率直に美味しいか、買いたいかを厳しく評価する重要な工程。

  • 17:30

    退社

style