OUR WORK
人事(研修)
理系院卒の視点で組織を変える。
「当たり前」を疑い、
制度と風土を再構築する人事の挑戦
K.N
バイオサイエンス研究科 バイオサイエンス専攻 卒 総務人事部人事課 2019年入社
大学では医療、大学院では植物バイオサイエンスを専攻し、研究職を志望していた中で人事として配属。入社後は社員研修の企画運営、採用、女性活躍推進などに従事。2022年から産休・育休を取得し、2024年に復職。現在は時短勤務制度を活用しながら、リーダー職として後輩育成や研修制度の刷新、新たな組織課題の解決に取り組む。
私のキャリアは、少し変わった経緯で始まりました。大学院でバイオサイエンスを専攻し、研究職や開発職を目指していた私が配属されたのは、本社の人事課でした。当時はまだ、現場経験を経ていない新卒がいきなり人事課に配属されるケースは稀でした。
配属されて直面したのは、膨大な紙のアナログ業務でした。当社は多くのグループ会社や工場を抱えていますが、当時は現場に一人一台のPC環境が整っていない拠点もあり、申請業務の多くが紙ベースで行われていました。紙の書類は物理的な移動を伴うため、決裁までのタイムラグが生じますし、紛失リスクや保管場所の問題、データ化する際の手入力ミスなど、多くの非効率が発生していました。
私はここに、理系出身者ならではの外部の視点を持ち込みました。長くその業務を行っていると、不便な手順も当たり前になってしまいますが、異分野から来た私には、それが改善すべきボトルネックに見えました。当時の上司が「新人ならではの視点で、変えられることは変えていい」と背中を押してくれたこともあり、私は入社早々、全社的な申請業務のWeb化に着手しました。
しかし、単にツールを導入すれば解決する話ではありません。利用者の負担とコストをかけずに変更するかを念頭にプロジェクトを進めました。システム担当者は多忙を極めており、どのタイミングで、どのように依頼すれば協力が得られるか等調整力が求められました。また、現場には現場の事情があり、なぜ紙でなければならないのかという業務フローの根幹を理解する必要がありました。地道なヒアリングと各部門との折衝を重ね、数年かけて自分が担当している申請業務の6〜7割をWeb化することに成功しました。この経験は、組織を動かすためには論理的な正当性だけでなく、関係者を巻き込む泥臭いプロセスが不可欠であることを私に教えてくれました。
STORY 01
「アナログな慣習」への問いと、全社的な業務フローの再構築
STORY 02
経営課題に直結する「内製化」された人材育成プログラムの設計
現在は研修チームのリーダーとして、社員教育の企画・運営を主導しています。社内研修の多くは外部ベンダーに依頼することが多いですが、近年注力しているキャリア入社者(中途採用者)向けのオンボーディング施策については社内で企画・設計することに重きを置きました。それは、会社のフェーズや風土に真に合致した施策を打つためです。
以前は新卒文化が強く、中途採用者が組織に馴染めずに早期離職してしまうケースが散見されました。そこで私は、離職率低減と早期戦力化を目的とした新たな研修プログラムを立ち上げました。組織の課題を分析し、必要な介入を行うことで、人材の定着を図るという経営的なアプローチです。
また、女性活躍推進も重要なミッションです。株主や市場からは女性管理職比率の向上が求められますが、現場の女性社員一人ひとりにはそれぞれの人生設計があります。「管理職を増やす」という会社の方針と、個人のキャリア観との間には乖離があることも事実です。単に数字を追うのではなく、本人が納得してキャリアを選択できる環境をどう作るか。現在は、管理職だけでなくスペシャリストやジェネラリストといった多様なキャリアパスを提示し、自身の適性を棚卸しするワークショップなどを企画しています。正解のない問いに対し、会社と社員の双方にとって最適な解を模索し続ける日々です。
STORY 03
キャリアの迷いを受け止め、本質的な成長を促す対話
人事の仕事は、制度設計などの仕組みづくりと、社員一人ひとりと向き合う対話の両輪で成り立っています。特に印象に残っているのが、若手社員とのキャリア面談です。
当社は総合職採用のため、初期配属が必ずしも本人の希望と一致するとは限りません。また、希望していた部署に配属されたものの、「思い描いていた仕事と違った」と戸惑いを抱く社員もいます。そうした状況の中で、不安や焦りを感じる若手に対し、私は「キャリアへの道しるべ」の役割を担っていると考えています。そんな戸惑いを抱く社員に対して、キャリア面談では安易な慰めや、短絡的な解決策を提示することはしません。
面談では、本人の考えを否定することなく、「なぜそう考えているのか」「何に違和感を覚えているのか」といった問いを重ね、思考の深掘りを行います。対話を続ける中で、実は表層的なイメージや憧れだけで職種を捉えていたケースや、本人が想像していなかった別の職種の方が適性に合っていると気づくケースも少なくありません。
彼らが自身のキャリアを客観視し、現在置かれた場所で何を吸収すべきかに気づいた時、その顔つきが変わります。人の成長の分岐点に立ち会えることは、この仕事の大きな醍醐味です。
STORY 04
「制約」を成果の言い訳にしない。新たなロールモデルへの挑戦
私自身、2022年から産休・育休を取得し、復職後は育児と仕事を両立しています。一般的に、復職後は「時短勤務でサポート業務」というイメージを持たれがちですが、私はリーダーとしてフルタイムに近い裁量を持ち働いています。
もちろん、子供の発熱など予期せぬ事態は発生します。かつては自分一人で完結させていた仕事も、今はチームで共有し、誰かが欠けても回る仕組みを構築することでリスクヘッジしています。テレワークやフレックス制度を駆使し、出張や研修の立ち会いが必要な日はフルタイムで稼働し、在宅の日は効率的に業務をこなすなど、柔軟な働き方を実践しています。
私が目指しているのは、単に管理職になることではありません。仕事と家庭を両立しながら働くことが、特別な覚悟や無理を伴うものではないと示せる存在になることです。管理職という役割に対して、「自分には難しそう」「今のライフステージでは無理かもしれない」と感じる人の心理的なハードルを、少しでも下げられたらと考えています。
特別なスーパーウーマンでなくても、周囲と協力しながら成果を出し、責任ある役割を担っていくことはできる。そんな現実的な働き方やキャリアの積み重ねを体現することで、一人ひとりが自分なりのペースで将来像を描けるような環境づくりに貢献していきたいと考えています。
MESSAGE
メッセージ
就職活動では、自分の専攻や過去の経験から「これしかない」と選択肢を狭めてしまいがちです。私自身、理系だから研究職と思い込んでいましたが、人事という全く予想外のフィールドで、論理的思考力や課題解決力を活かすことができています。初期の希望と違う配属であっても、そこで得られる視点は必ず将来の武器になります。どうか食わず嫌いせず、広い視野で自分の可能性を探求してください。
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