OUR WORK
営業(食肉)
データと現場感で、世界の食肉市場を読み解く。
H.T
生命農学研究科 応用分子生命科学専攻 卒 食肉営業部 営業企画課 2019年入社
大学院では遺伝子や食品機能の研究に従事。2019年に入社後、食肉営業部にて北米産チルドビーフの調達を担当。2022年からは担当領域を広げ、オセアニア産チルドビーフおよび国産ビーフの調達にも携わる。現在は、為替や海外情勢が大きく変動する市場環境の中で、販売会社への提案や調達戦略の立案・実行を担う。
私が所属する食肉営業部営業企画課は、グループの販売会社やその先のスーパーマーケット、外食産業に対し、市場動向を踏まえた提案を行い、世界中から食肉を調達する部署です。扱っているのは工場用の加工原料ではなく、スーパーの精肉売り場に並ぶステーキ肉やスライス肉、飲食店で提供されるメニューの原料となる商品が中心です。
この仕事の難しさは、仕入れ先の国によって市場構造が異なる点にあります。例えばアメリカの場合、牛肉生産量の多くが国内で消費されるため、相場は米国内の需給に左右されます。一方、オーストラリアは輸出比率が高く、世界各国からの引き合いが価格に直結します。これに加え、関税や為替、各国の政治経済の動きがビジネスに影響を与えます。
私は大学院時代、実験データに基づいて論理的に解を導き出す研究を行っていました。その経験は現在の業務にも生きています。感覚だけに頼るのではなく、生産頭数や消費トレンドなどの客観的なデータに基づき、なぜ今この産地を選ぶべきなのかを社内外に説明します。そうすることで、不確実な相場の中でも納得感のある提案が可能になります。現在は、価格高騰が続く北米産ビーフへの依存度を相対的に下げ、オセアニア産ビーフの取り扱いを拡大するという、新たな調達ポートフォリオの構築に取り組んでいます。
STORY 01
客観的データに基づく調達戦略の転換
STORY 02
規格の見直しによる需給ギャップの解消
北米産ビーフを担当していた時期に直面した課題についてお話しします。当時、ある特定の規格(スペック)で輸入しようとしていた牛タンがありました。しかし、日本国内はタンの不需要期に当たり、販売が伸び悩んでいました。一方で、現地のサプライヤーからは契約時の予定より生産が増えたことに加えて、当社向けの特殊スペックで生産しているため、契約を超える数量も全て引き取ってほしいという要望があり、需給のバランスが崩れていました。
この状況を変えるきっかけとなったのは、同僚との対話でした。現在のスペックに固執するのではなく、規格自体を変更してはどうかという仮説が生まれました。具体的には、加工工程で更に一手間加えることで、消費者にとってより使いやすい新たな規格を模索しようという案です。
このアイデアを具体化し、現地への提案に向けた準備を進めました。規格を改良したことで、仕入コストが上がりましたが、この新規格の商品は市場に受け入れられ、滞留していた在庫が一転して不足するほどの状況へ一変しました。結果として、元々納品先の評価が高かった商品価値を更に上げた規格変更となり、反響を呼びました。既存の条件を受け入れるだけでなく、商品設計そのものを見直すことで、サプライヤーと当社の双方がメリットを享受できる解決策となると学びました。
STORY 03
予期せぬ物流遅延へのチーム対応
海外からの調達には、天候や物流の混乱といったリスクが伴います。オセアニアからの輸入を担当していた際、年末の最需要期に向けて手配していたコンテナ船が、悪天候の影響で大幅に遅延したことがありました。通常であれば1ヶ月で到着する船が、2ヶ月経っても到着しないという事態です。
積載されていたのは年末商戦向けの商品であり、到着の遅れは販売機会の損失に直結します。予め多少の遅れが発生することを想定していましたが、想定を越えて遅延は拡大する一方でした。私は事態を速やかに上司へ報告し、対応策の検討に入りました。
私たちは商社を通じて船会社への確認を急ぐと同時に、国内にある在庫状況を再確認し、販売会社と連携して販売計画の修正を行いました。さらに、遅れている船の到着を待つだけでなく、別ルートで手配可能な代替品がないか調整に奔走しました。社内外の関係者が連携して動いた結果、ギリギリのタイミングで商品を確保し、販売先への納品を完了させることができました。トラブル発生時の初動と、組織的なリカバリーの重要性を痛感した経験です。
STORY 04
現地現物で埋める商習慣の違い
私はデータ重視のタイプですが、現地に足を運び、現物を確認することの重要性も認識しています。初めてオーストラリアへ単身出張し、現地の工場を視察した時のことです。日本向けに出荷される商品の最終確認を行っていた際、撮影した写真を見て違和感に気づきました。小売店で販売するためのトレーのデザインが、事前の連絡なく変更されていたのです。
現地のサプライヤーとしては、デザインを刷新したことを良かれと思い、サプライズで導入していました。しかし、日本の小売業界において、予告なくパッケージが変わることは店頭での陳列に支障をきたす可能性があります。すぐに日本にいる上司や営業担当者に連絡を入れ、報告しました。
商品はすでに出荷直前の段階でしたが、日本に到着する前に販売先へ事情を説明し、新デザインへの切り替え案内を行うことで、現場の混乱を最小限に抑えることができました。もし現地に行かず、写真の違和感を見過ごしていれば、日本到着後に問題になっていたはずです。海外ビジネスにおいては、日本とは異なる商習慣が存在します。それを肌で感じ、細部まで確認することもバイヤーの役割だと再認識しました。
MESSAGE
メッセージ
私は男性社員として育児休業を2回取得しました。責任ある仕事を任されながらも、ライフイベントを大切にできる環境があります。また、フレックス制度を活用し、海外との時差に合わせて早朝から業務を行い、夕方は自分の時間を確保するといった働き方も可能です。グローバルな視点を持ちつつ、長期的なキャリアを築きたい方にとって、当社は挑戦しがいのあるフィールドです。
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