
~旅の最後1時間でお客さまの欲しい全てが揃うゾーン~
「みやげもん市場」15年ぶりのリニューアルを支えた
プロジェクトメンバーたちの想い

1975年3月、山陽新幹線博多駅開業と同時にオープンした「博多デイトス」は、博多駅の発展とともに進化を遂げてきました。なかでも、福岡・博多のお土産物店がずらりと並ぶ「みやげもん市場」は、福岡を訪れる観光客はもちろん、地域のお客さまにも大人気です。そのようななか、みやげもん市場をさらに魅力的なゾーンにすべく、大規模なリニューアルプロジェクトが立ち上がりました。プロジェクトの主要メンバー4名に、立ち上げの経緯やリニューアルオープンまでの道のり、リニューアルに込めた思いについて語ってもらいました。

コロナ禍で県外客が減少!?
みやげもん市場最大の危機の裏で、リニューアルの構想が生まれる!

小林
みやげもん市場リニューアルプロジェクトが立ち上がったそもそものきっかけは、コロナ禍で県外からのお客さまが減少したことにある。みやげもん市場も苦戦を強いられるようになり、営業部内でリニューアルの構想が生まれたんだよ。

大倉
実際に動き始めたのは、もう少し先ですよね。

小林
実は、新型コロナウイルス感染症が「2類相当」から「5類」に移行し、「全国旅行支援」など国の支援も相まって、県外からのお客さまが復調したんだ。みやげもん市場の売上も回復傾向となったため、一旦リニューアルプロジェクトが中止になった。

嘉村
僕がJR博多シティに入社する前の出来事ですね。中止になったプロジェクトが再び動き出したのは、どんな理由からですか?

小林
一部のテナントから店舗改装に関する要望をもらったこともあって、2023年3月頃から再度、検討するようになった。課題を整理してリニューアルプランを策定し、取締役会議にかけて承認を受けたのが、2024年2月のこと。

柴田
こうやって聞いてみると、紆余曲折あってのスタートだったんですね。

小林
その後、みんながプロジェクトの主要メンバーとして参加してくれたんだよね。プロジェクトが本格始動するまでに4年近くかかったと思うと、感慨深い気持ちになるね。


さまざまな部署からメンバーが集結し、
精鋭部隊を組む!

嘉村
今回のリニューアルプロジェクトでは、改装ポイントを5つに絞ったんですよね。

小林
「隣接施設との境界壁を撤去し、通路新設により回遊性を高める」「MDでのゾーン分けを行い、どこにどんな商品があるか分り易い売場づくり」「催事区画を新設」「ファサード(コンコース側)のデザイン変更しコンコースからの認知を高める」「エリア閉鎖せず、段階工事を行うことで売上減を最小に留める」の5つだね。

嘉村
僕は入社1年目でプロジェクトに参加したので、知識や経験が圧倒的に不足しているなか、必死になって出店や移転に向けた調整・対応に取り組んだのを今もはっきりと覚えています。

大倉
私は、退店や出店に伴う工事の調整や施工監理を中心に、共用部の工事も担当しました。

柴田
私は販売促進の立場から、フロアサインのサイネージ化や新フロアマップデザインの策定、みやげもん市場リニューアルの特設サイトの立ち上げ、新店舗の販促運用など、多岐にわたる業務を担当しました。

小林
営業部や施設安全部、マーケティング戦略部など、さまざまな部署のメンバーが協力しながら、準備を進めていったんだよね。プロジェクトが動き出した頃は今ほど参加メンバーが多くなかったけれど、優秀な社員が集まってくれた。嘉村君や大倉君のように若いメンバーが中心になって動いてくれたから、当時から頼もしく思っていたよ。



より魅力的なゾーンにするため、
根気強くテナントと交渉!

柴田
ここで、リニューアルに向けたスケジュールを改めて振り返ってみますね。2024年秋に、まずはリニューアル第1弾として新店舗・リニューアル店舗が9店舗オープンしました。その後、2025年3~4月にかけて第2弾に3店舗、そして5~6月にかけて第3弾に7店舗と、段階的にリニューアルを進めていきましたよね。

大倉
その間、いろいろなことがありましたよね。

嘉村
小林さんはプロジェクトを統括する立場にいたから、僕たち若手には想像できないような苦労もあったんじゃないですか?

小林
どうだろう。今となってはすべてが良い思い出だけれど……。強いて挙げるなら、売上が好調だった複数の既存テナントに移転のお願いをしたことかな。

柴田
改装ポイントの「隣接施設との境界壁を撤去し、通路新設により回遊性を高める」や「MDでのゾーン分けを行い、どこにどんな商品があるか分り易い売場づくり」を実現するために店舗の配置を変える必要があったんですよね。それで、小林さんが移転交渉をした。

小林
ご出店者さまからしたら、「せっかく良いお店ができて、売上好調にもかかわらず、移転しなければならないのか?」とご意見も頂きました。

大倉
どうやって説得したんですか?

小林
根気強く、誠意を込めて何度も説明をした。「みやげもん市場を、より魅力的なゾーンにしたい」って。リニューアルの目的を丁寧に伝えていった結果、私たちの思いを受け止めてくれたよ。

嘉村
僕は出店や移転に向けた調整・対応を担当したので、交渉を行った小林さんの気持ちも、移転交渉を受け入れてくれたテナントの気持ちもわかるような気がします。移転にあたって、店長からは、「これはどうしたらいいですか?」「これはやっても大丈夫?」と問い合わせを多くいただきました。そこで、疑問や困りごとが出てきたらすぐに対応できよう、現場に入って積極的に声をかけていきました。

小林
嘉村君は、早い段階からテナントと信頼関係を築いていたよね。

嘉村
ありがとうございます。テナントや関係各所とのコミュニケーションを大切にするのはもちろん、スピード感をもって対応するよう心がけたのも良かったかもしれません。



ファサードデザインの変更に特設サイトの制作。
やるべきことはまだまだある!

大倉
今回のプロジェクトでは、テナントの新規出店以外にも、さまざまなことに取り組みましたよね。私はコンコースから見えるファサードのデザインを変更したことが特に印象に残っています。

小林
大倉君と嘉村君が中心となって取り組んでくれたんだよね。

大倉
博多駅は九州新幹線と山陽新幹線の接続駅で、JR九州とJR西日本の2社が管轄しています。みやげもん市場は駅構内のさまざまな施設と隣接しているので、まずはエリアごとに財産区分を確認し、両社とデザインを協議していく必要がありました。こうした協議は初めての経験だったので、承認を取るだけでも一苦労でした。

小林
デザインの検討はどうだった?

大倉
すごく楽しかったです。嘉村君と一緒に工場に行って、「この文字はこのくらいのサイズがいいね」と検討して、デザイン案をまとめていって。自分たちの提案が承認され、新しいファサードが取り付けられていく様子を見るだけでもワクワクしました。

小林
大倉君はお客さまの目線になってファサードデザインを提案してくれたよね。嘉村君も、1年目ながら堂々と意見を言ってくれた。

嘉村
実はすごく緊張しました。でも、「こういうデザインはどうだろう」という考えがあったので、勇気を出して提案しました。

柴田
ファサード一つとっても、さまざまな部署のメンバーが知恵や力を出し合って創っていく。JR博多シティならではのチームワークを感じますね。

小林
そうだね。柴田さんはフロアサインの変更やみやげもん市場リニューアルの特設サイトの運営など、販売促進を一手に引き受けてくれたよね。大変だったことはある?

柴田
一つの店舗をリニューアルオープンさせるには、ホームページとの連携やフロアサインの変更、装飾手配など、さまざまな業務が発生します。それが19店舗あったので、常にバタバタしていましたね。

小林
まさに縁の下の力持ちだね。

柴田
万が一、イレギュラーな出来事があっても間に合うように、先を読みながら「いつ、どのタイミングで何をするか」を考え、細かくスケジューリングして取り組みました。

嘉村
さすが柴田さん!

柴田
そんなことないですよ。むしろ、みんなのおかげです。少しでも疑問が生じたら、すぐに関係各所に確認を取りながら進めていったから。


内覧会の朝、仮囲いが外れていない!?
一致団結して解決に導く!

大倉
ところで、みやげもん市場リニューアルプロジェクトといえば、あの話題をしないわけにはいきませんよね。

柴田
あの話題?

大倉
仮囲いが取れていなかった件ですよ。

柴田
思い出した!リニューアル第1弾の内覧会当日の出来事ですよね。あの日、私が一番早く出勤していたので、すぐに関係各所に連絡しました。

嘉村
現場を見て目を疑いました。気づいたのが朝の8:00で、内覧会まで6時間くらいしかなかったんですよね。しかも小林さんは出張中。

小林
出張先で嘉村君から連絡を受けた時はびっくりしたよ。仮囲いを外さなければ内覧会を開催できないから、まさに「一触即発」といった状況だった。

嘉村
小林さんとチャットでやり取りをし、指示を仰ぎながらなんとか対応していきました。

大倉
通常、工事は営業時間外に行いますが、この時は営業時間中に仮囲いを外さなければなりませんでした。そのため、お客さまはもちろん、隣接のテナントにも迷惑がかかってしまうリスクがありました。残された時間はほとんどありませんでしたが、だからこそ安全管理を何よりも優先して、リアルタイムで作業工程や通路の確保などを決めていきました。

柴田
本当に大変でしたね。でも、みんなが一丸となったおかげで、無事に内覧会を開くことができた。

大倉
この時ほど、JR博多シティのチームワークを感じたことはありません。

嘉村
僕もこの時の出来事を通じて、「さまざまな部署の協力があってこそ、リニューアルプロジェクトを成功に導くことができる」と実感しました。

大倉
JR博多シティは社員同士の仲が良く、困ったことがあってもすぐに相談できる雰囲気がありますよね。日頃から部署間のコミュニケーションが取れているからこそ、今回のようなトラブルが起きてもチームの力で解決できたのだと思います。



リニューアルプロジェクトを通じて得た
「学び」と「成長」

嘉村
こうやって振り返ってみると、自分のような若手社員が大規模なプロジェクトに関われたことが奇跡のような気がします。

大倉
本当に。

小林
そんなことないよ。二人とも大いに力を発揮してくれたじゃないか。

柴田
若い時期に大規模なプロジェクトに携わったからこそ、学べたこともあるのでは?

嘉村
そうかもしれません。悩んだり立ち止まったりすることもあったし、小林さんや大倉さん、柴田さんに迷惑をかけることもたくさんあったけれど、一つのプロジェクトを完遂するために必要な知識やスキルが一通り身についたと思います。

大倉
私はこのプロジェクトに参加したことで、主体性が育まれました。それまでは「上司に言われたことをしっかりこなそう」という気持ちで仕事に取り組んでいたのですが、ある時、「大倉君はどうしたいの?」と指摘されてハッとしたからです。おかげで、ものごとを俯瞰して捉えるようになったし、デザイナーや施工会社と出店工事の打ち合わせをする時も、コンセプトに沿って「こういう風に進めていきたい」と発言できるようになりました。

柴田
私もみんなと一緒にリニューアルプロジェクトに取り組めたことを誇りに感じています。すべての経験が私にとってかけがえのない財産だし、今回のプロジェクトで得たスキルを、他のエリアの改装でも活かせています。

未来の後輩たちと一緒に、
JR博多シティの未来を築き上げていく

小林
今回、みやげもん市場をリニューアルしたことで、テナントだけでなくお客さまにとってもより魅力的なゾーンになったと思うんだ。

嘉村
店舗の配置を大胆に変更したことで、利便性が大幅に向上しましたよね。リニューアルしたみやげもん市場がどんなふうに発展していくのか、とても楽しみです。

大倉
お客さまが博多駅でお土産を買おうと思った時、まずは「みやげもん市場」を思い浮かべてほしいし、地元のお客さまにもご自身ご家族へのちょっとしたプレゼントを買う場所としても利用してもらえたら――と、イメージを膨らませています。

嘉村
同感です。お客さまがワクワクしながらお買い物を楽しめるような場所になってほしいし、県外のお客さまには「博多の思い出」として印象に残り続けるような場所であってほしい。

柴田
私はフロアサインのサイネージ化に取り組んだので、サイネージが多くのお客さまの目に留まり、「みやげもん市場に行こう」と足を止めてもらえたらと願っています。

小林
みんなそれぞれ、未来への思いがあるんだね。

柴田
自分たちが考え、準備したことが形になり、それが一つの大きな賑いを見せていく。これは、JR博多シティに勤務している私たちが日頃から感じているやりがいだと思います。こういう気持ちを、これから入社する後輩たちと分かち合えたら嬉しいですね。

小林
柴田さんがいいこと言ってくれた!私も、当社の取り組みや思い共感してくれた人が、当社の新たな仲間になってくれるのを心から楽しみにしている。これからもみんなで力を合わせて、JR博多シティの未来を築きあげていこう。
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