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PROJECT MEMBER

A.Y (プロジェクト長)

西東京データセンター1号棟の建設プロジェクトに携わったのち、2号棟建設プロジェクトの責任者となる。建設計画の立案、スケジュール・予算管理、全メンバーのマネジメント、建設会社との折衝など、プロジェクト全体の統括を行う。

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T.T (プロジェクトマネージャー)

西東京データセンター1号棟の運営、M&O認証(※)取得に携わったのち、2号棟建設プロジェクトのプロジェクトマネージャーに就任。1号棟の運用経験を活かして、センターの仕様決めから参画する。※Management and Operations…米国の民間団体が定めるデータセンターの運営基準

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R.Y (SE)

入社1年目にして、西東京データセンター2号棟プロジェクトに参加。協力会社との交渉、設計・施工の発注と、幅広い業務を担当する。

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どこよりも安全で、ハイスペックな
データセンターをめざして

2012年10月、キヤノンITソリューションズは自社データセンターの第1号として『西東京データセンター』を設立しました。センターの持つ「高性能ファシリティ」、「充実した運用サービス」、「世界基準の運営品質」といった強みが評価され、金融業、製造業、クラウド事業者など、数多くの企業にご利用いただいています。ニーズが高まり続ける中、2018年には、同じ敷地内に1号棟と同規模の2号棟を新設することが決定。「1号棟を超えた、ハイスペックを追求する」という目標を掲げ、2020年10月に竣工した2号棟は、1号棟と等しい安全性に加え「同じ床面積でありながら1号棟の1.9倍にのぼる供給電力」を実現。一見不可能とも見えるミッションは、いかに達成されたのか。現場で活躍した3人に話を聞きました。

データセンター事業の“未来”を賭けたプロジェクト

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A.Y

私は西東京データセンター2号棟新設のプロジェクト長を務め、1号棟の設立にも携わりました。当社では、以前よりデータセンターサービスを提供していましたが、それは他社のデータセンターを利用してのサービスでした。しかし、日本を代表するIT企業として、お客さまに責任が持てるサービスを提供するには、自前のデータセンターを持ち、インフラから一貫して自社で管理できる体制が必要です。そこで2012年10月、初めての自社データセンターとして作ったのが、西東京データセンターでした。

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T.T

西東京データセンターの設立後、私はセンター運営の中心メンバーの一人として、お客さま対応や運用体制の構築に携わりました。1号棟は、想定以上のペースで利用者が増加。その理由は、競合他社と比べても、十分に高いスペックを実現したからだと思います。

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A.Y

私も、1号棟のスペックは、当時最高レベルの性能、信頼性、セキュリティを追求したと自負しています。日本データセンター協会が定めるファシリティスタンダードにおいて、国内最高レベルの「ティア4」に準拠していることが、その証です。しかし、それ以上にこだわったのは運営品質ですね。西東京データセンターは、世界で唯一のデータセンター運営品質の評価認証「M&O」を取得していますが、この基準をクリアした企業は国内で2番目です。

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T.T

1号棟は、そのスペックや運営品質が評価され、スペースが次々に埋まっていった結果、2号棟を新設する計画が始まりました。2号棟の設立プロジェクトにおいて、市場の要求は、「多くの電力を使用できる設備が必要」というものでした。メガクラウドベンダーの急成長が示す通り、近年データセンターへのニーズは高まり続けています。またAIを活用した先端的な高性能サーバは、従来のサーバと比べて圧倒的に消費電力がかかります。1号棟に比べてどれだけ電力供給を高められるか。それが、2号棟設立における最大の課題でした。

最先端のスペックと比類なき安全性を妥協なく追求

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A.Y

同じ面積で電力供給を高めるというのは、物理的にかなり難しい要求でした。多くの電力を供給するためには、電力設備を増やすしかありません。しかし、電力設備の面積が増えると、サーバを置くスペースが減ってしまいますし、電力を多く使えば発熱量も比例して増加します。すると、必然的に空調設備も大きくなる。同じ面積でハイスペックのサーバをたくさん設置するためには、極限まで効率的にスペースを使わなければならないわけです。2号棟の設計において最も苦心したのは、この点ですね。設計は、T.TさんとR.Yさんがゼネコンや通信会社と直接交渉しながら、細部を詰めてくれました。

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T.T

週に3回、4回とゼネコンの設計担当者と打合せを重ね、細部を詰めていくのはかなり大変な作業でしたね。設計書、設計図をチェックし、要件に合わない部分を指摘し再設計を指示することの繰り返しでした。スペースの有効活用はもちろん重要でしたが、私がそれ以上に重視したのは安全性と運用性です。1号棟の運営実務に携わった経験を活かし、どうすれば現場の運用がうまくいくか、ということは常に意識していました。まず、絶対に漏電などの事故は防がなければいけません。さらに、データセンターは一度作って終わりではなく、お客さまのサーバを入れるたびに配電やネットワークの工事を行います。そのため、追加工事のしやすい設計も重要なポイントでした。施工が始まってからも現場に足を運び、自分の目で見て意見を出していました。

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R.Y

新卒で入社後、私が本格的に参加したのは、2号棟の内部設計からです。主にゼネコン・通信会社との交渉を行いました。協力企業との会議では時に意見が食い違うこともあり、当社のめざす仕様を実現するためには粘り強い交渉が必要でした。たとえばギリギリのスペースでケーブルを通すために、通信会社とゼネコンの両者に、相当がんばってもらいましたね。

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A.Y

R.Yさんは2018年に新卒入社して、最初に加わったのがこのプロジェクトだったんですよね。タフな交渉は、新人とは思えないほど見事でした。少数精鋭の2号棟建設プロジェクトの中で、最年少メンバーとして選ばれただけのことはあると思います。
 

会社の未来を担う、データセンター事業の意義

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A.Y

2020年10月に、西東京データセンター2号棟は無事稼働しました。最終的に供給電力は1.9倍にスケールアップしました。運営面の信頼性も確保し、1号棟に続いてM&O認証のグローバル基準に準拠しています。

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T.T

M&O認証においてチェックされる内容は、一言でいうと「システムを絶対に止めないための設備と、それを適切に管理・保守する仕組みが確立されているか」です。日常的なオペレーションマニュアルから長期的な保守計画まで、とても細かく評価されます。しかし、運営品質の徹底は、データセンターの運営企業としてある意味「当たり前のこと」ですし、それを完璧にやり切るのが当社の社風であるようにも思います。

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A.Y

データセンターは、1秒たりとも止めることが許されず、長期的な運用が鍵を握ります。当社の真面目な社風に適していると思います。
それでは最後に、今回のプロジェクトを通じて感じたことを教えてください。

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R.Y

データセンターの新設プロジェクトは、当社のビジネスの中でもかなり特殊で、しかも非常に大きな予算のついたビッグプロジェクトです。入社1年目からこの事業部に加わり、責任ある仕事を任せていただけたのは、本当に貴重な経験でした。複数の発注先とギリギリの交渉をしながら仕様を固め、一度に数千万円が動く工事を発注する業務はプレッシャーがありましたが、他のSE業務にも通じる「普遍的なプロジェクトの進め方」を広く深く学べたと思います。データセンターができあがったときには、心からほっとしましたね。

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T.T

私は過去にSEとして様々な経験をしましたが、今回のプロジェクトはこれまでと全く違いました。お客さまのオーダーに沿って作るシステム開発と違い、データセンターの新設プロジェクトは「事業部の将来を見据えた巨額の先行投資」です。建設計画の承認を得るためには、何度も当社や親会社の経営陣に説明する必要がありました。こうしたプロセスを通じて、今までになかった「経営視点」を身につけることができましたし、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアアップという点でも良い経験を積めたと思います。とはいえ、すでに2号棟の追加工事やお客さま対応などが始まっており、これからは安定的で確実な運用が求められてきます。「50年先まで使えるデータセンター」をめざし、安全第一の運用をしっかり続けたいと思います。

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A.Y

データセンター事業は、今後も当社の飛躍の鍵を握る事業としてずっと続きます。ここ数年、日本ではハイパースケールデータセンターの建設ラッシュとなっており、当社もいずれ新たなデータセンターを作る可能性があります。そこで、私が自らの使命と考えているのは、「決められる人」を育てること。データセンター事業においては、我々自身が施主として責任を持ち、会社のお金をどう使うかを考え、決断しなければならない難しさがあります。今回のプロジェクトでは、T.TさんもR.Yさんも立派に「決める力」を発揮できたと思いますし、今後も「決める文化」を伝承し、事業部の成長につなげたいと考えています。

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