“海外の技術者との交流を重ね、世界的なマルウェア解析者をめざす。”
ITプラットフォーム事業
2014年入社
M.I
マルウェアの解析を通じ、サイバー攻撃から企業を守る
私が現在所属しているマルウェアラボは、マルウェア(ウイルスやアドウェアなどの悪意を持ったソフトウェア)の解析などに取り組んでいる研究部門です。私の主な仕事は、マルウェアに感染してしまった企業からの依頼を受け、送られてきたマルウェアを解析することです。そのマルウェアがコンピュータに対してどんな影響を与えるのか、コンピュータからどのような情報を盗み取るのかを明らかにし、レポートにまとめて企業に報告しています。これにより、企業は感染に対して適切な対応をとることが可能となります。時には国の機関と協力し、国内で流行しつつある新型マルウェアの解析を行うこともあります。日々、サイバー犯罪に立ち向かうという使命感を持って業務に取り組んでいますが、複雑な構造の新型マルウェアを解析することは、決して簡単ではありません。しかしその分、読み解けたときは、難解なパズルを解いたときのような達成感を感じられます。
スロバキアのセキュリティ企業で、世界最高水準の解析技術を習得
サイバー攻撃に国境はないので、日本という枠を超えて活躍するチャンスがあるところが、この仕事の面白さだと思います。たとえば世界中からマルウェア解析者が集まる国際会議は日本でも開かれているのですが、こうした場に出席して海外の解析者と直接議論したり、情報共有したりすることは、非常に刺激的な経験になります。さらに当社では海外のセキュリティ企業の製品も国内で販売しており、それらの企業から情報を得ることもできます。私の場合は、スロバキアにある世界トップクラスのセキュリティ企業で、4か月間にわたる研修を受けることもできました。ここで私はマルウェア解析のスペシャリストからマンツーマンでトレーニングを受け、世界水準の解析手法を直接学びました。そこで身につけた技術はその後の解析業務にも大いに活かされており、解析のスピードや正確さは確実に向上したと感じています。
“日本を代表するマルウェア解析者として、国際的に活躍したい”
現在私は、マルウェア解析の傍ら、セキュリティに関する記事をメディア向けに執筆したり、マルウェアの脅威と対策についてセミナーで講演したりもしています。今後もこうした啓蒙活動には積極的に取り組み、一人でも多くのサイバー攻撃に悩む人達に貢献したいと思います。そして将来の目標は、さらに大きな成果を上げ、海外で開かれている国際的な学術会議で発表を行うことです。世界的に流行しているマルウェアを初めて発見し解析すると、その解析者により名付けられたマルウェアの名称が世界中で使われることになります。私もいつかは、それぐらいの価値ある仕事をし、日本を代表するマルウェア解析者としてグローバルに活躍してみたいです。まずは、アメリカで開かれている世界最大級の国際会議に出席し、世界のトップ解析者たちのレベルを肌で体感してみたいと考えています。
“学生のみなさんへ”
マルウェア解析はとてもやりがいのある仕事ですが、時には1か月をかけて解析に打ち込む粘り強さも必要ですし、日進月歩で新しい技術が登場するため、常に情報を吸収し続けなければなりません。セキュリティへの興味はもちろんですが、好奇心が強く、日々新しい情報を仕入れるのが好きな人にとっては、これほど適した職場はないのではないか、と思います。就職活動をしている学生の皆さんに伝えたいのは、今興味を持っていることを、貫き通してほしいということ。そうすれば、きっとやりがいのある仕事に巡り合えると思います。
“一日の流れ”
9:00
情報収集
国内外のセキュリティに関する情報を収集し、社内の情報共有ツールにアップします。情報収集はニュースサイトなどから幅広く行い、毎日チェックする記事は数百件に上ります。
10:00
マルウェア解析
解析中はマルウェアのコードとひたすら向き合います。ほかのメンバーも多くの時間帯は同様の業務を行っています。集中力を要する仕事のため、執務室はしんと静まり返っています。
13:00
ミーティング
現在のチームメンバーは私を含めて4名。各人の進捗確認や、新たに入手したマルウェアの解析を誰が担当するかといった仕事の割り振り、セキュリティに関する新着情報の共有など、業務に必要な情報はこまめに交換しています。
15:00
講演資料作成、記事執筆
セキュリティ関連の講演会に出席される方や、記事を読む方は、ITの専門家とは限りません。資料作成や記事執筆にあたっては、聴衆や読み手の立場に立ち、専門用語を適宜かみ砕いて、わかりやすく書くことを心がけています。
エントリーはこちらから
©Canon IT Solutions Inc.