データマネジメント職の仕事

どんな仕事?

臨床試験において、データの発生から解析に利用するまでの一連の工程に関与し、データの信頼性を確保します。 また、臨床試験を実施する環境 (被験者の来院に依存しない形の臨床試験: Patient Centricity、DCT) の変化にいち早く対応し、新しいIT技術 (DDC、Wearable Device) の導入に取り組むことで、臨床試験期間の短縮及び新薬の早期上市並びに価値最大化に貢献します。
685886_s

どんな業務内容?

臨床試験における高品質かつ効率的なデータ収集システムの構築・運用・活用

  •   データ収集方法/システムの選定
  •   CRF、データベース、およびEDC画面の設計・構築
  •   コンピュータ化システムバリデーション (CSV) 計画に基づいたシステムテスト
  •   CDISC (国際的臨床試験データ標準) 準拠への対応

治験データの品質マネジメント

  •   データの重要性 (Risk Based Approach:RBA) に応じたデータクリーニングプランの作成
  •   不足しているデータの洗い出し、記入ミスの指摘や修正理由の確認
  •   CRFと外部データ間の整合性確認
  •   データコーディング

データマネジメントに関連したプロジェクトマネジメント

  •   社外協力者や社内他部署とのコミュニケーションや調整
  •   外部委託業者 (CROやベンダー) のスケジュールおよびタスク管理

 実際の取り組み事例

従来の医療機関中心で行っていた臨床試験から、被験者の来院に依存しない形の臨床試験の実施

・日常生活の中でも臨床試験に必要な情報を収集できるデバイスの選定

  (Wearable device、eCOA/ePRO [electronic Clinical Outcome Assessment / electronic Patient Reported Outcome]

     など)

データの多様性

・EDCだけではなく、DDC (Direct Data Capture) システム利用による効率的なデータ収集方法を活用した臨床試験のデータマネジメントプロセス策定

・Wearable device、eCOA/ePROなど被験者から発生する多様なデータのハンドリングプロセスの策定

・データ二次利用のためのデータ格納/払出し、新規データ種の格納プロセス策定スピード

・効率的なCROオーバーサイト手法と全体スケジュールの検討および管理

・また、新たなシステム構築手順の検討 (Waterfall型からの脱却) により、システム構築をスピードアップし、治験開始までの準備期間の短縮を目指しています。

必要なスキル

ロジカルシンキング

物事を分析して、何をすることが必要か、どれだけのインパクトのあるリスクが発生するか、それらはどの程度影響があるかなどを理論立てて考える。

同時に複数の試験を担当するため、業務に優先順位を付け、冷静に判断することが求められる。

コミュニケーション能力

一つのプロジェクトを成功させることを目標に集まったチームは、役割ごとに決まっているルール、それぞれの国の習慣、社外協力者 (企業) の文化や手順など、背景や習わしが異なるが、それぞれが持っているものをきちんと理解して目標を達成していくことができる。また、社外協力者 (CROなど) と対話しながらタスクを進め、時にはリーダーとなって問題解決を図ることができる。

ITに対する親和性

既存のシステム、ソフトウェアやコンピュータ言語のみならず、新しいシステムや言語にも素早く慣れて、使いこなせる。

探求心

医療や薬以外にもいろいろなことに興味を持ち、世界中にある情報に自らアクセスし、必要な情報の収集やそこから新しいことやその情報の深掘りができる。

SHIONOGIらしさ

開発本部に所属する社員の多くは、大阪の淀屋橋オフィスに在籍しています。そのため、タテ・ヨコのコミュニケーションが活発。困った時に気兼ねなく相談できる環境も、スムーズに試験を進める上ではとても大切なことです。

ヤリガイ

医療機関から集められたデータは、医師が被験者に診察や問診を通じて集めた情報で、臨床試験データとしては不足している部分もあれば誤りもありますし、医師や被験者ごとに言葉の「揺らぎ」があるため、統計をとって解析できるような状態ではありません。そこで活躍するのが、我々データマネジャーです。

また、規制や技術革新などで臨床試験を実施する環境が変わっていく中、効率的で適切な試験評価がされるためのデータ管理を推進することで、人々の健康を守るために必要な最もよい薬を患者さんに届けることに貢献できます!

                                       スタッフの声

ユーザーの立場に立って、最も適したデータの品質を想像することが楽しいです。ユーザーの要望を正しく理解し、提供できるよう日々努めています。

・あなたの現在の業務内容を教えてください

臨床試験で得られるデータの質を管理し、保証する業務を行っています。具体的には、臨床試験が始まる前に、どのようなデータが必要かをプロジェクトメンバーと協議し、CRFを設計します。試験中には、医療機関で収集したデータに不備がないことを随時チェックし、データに関するトラブルが発生した際には、トラブルの解決までプロジェクトを積極的に主導することもあります。

また、最近では新しいデータ収集法を実装する取り組みを行っています。技術の進化により様々なデバイスやアプリケーションが発表され、今までとは異なるデータ収集法を選択することができるようになりました。今までの臨床試験との差を明確にできるよう、データ収集方法を提案し、試験に導入することも業務の一部として行っています。

・職場の雰囲気は?

明るく、働きやすい雰囲気だと思います。解析センターの特徴かもしれませんが、個々人が強みを持っており、お互いの良い部分を認め、個性が尊重されていると思います。

積極的に自分が興味のある分野について学び、個性を伸ばしながら成長できていると思います。それは周囲の先輩方や上司が、その強みを持つことに非常に協力的であったからだと、今振り返ってそう思います。

・ヤリガイは?

自分の提案が採用されたときです。ユーザーの立場に立って、最も適したデータの品質を想像することが楽しいです。データの品質はスピードや量、正確性等、様々な要素が絡んできます。例えば、今すぐデータを見たいという要望があった時、あなたはどうしますか?最速で提供するとして、量と正確さはどのくらいの精度を保証しますか?データの形だけ見たいのか、テスト解析を行うのかで、求められる量や正確さは変わってきます。その要望を正しく理解し、提供できるよう日々努めています。

・あなたが今後チャレンジしてみたいことは?

患者さんも研究者も、誰もが臨床試験にアクセスしやすい環境をつくることです。開発には多くの患者さんのご協力が必要不可欠です。また、試験に携わる者として、新薬開発の費用が高い理由は理解できるのですが、そのままで本当にいいんだろうかという疑問も同時にあります。HaaS企業を目指すSHIONOGIが良いサービスを提供するためには、良いエビデンスが必要だと考えています。その一手として、臨床試験に取り組みやすい環境づくりができたらと思っています。

・就職活動されている方へのメッセージを!

就活をしていると会社から選ばれる立場であることを意識しがちですが、就活生は会社を選ぶ立場でもあります。「何故働くのか?」「どんな大人になりたいか?」という質問に、素直な答えを出してください。そして、その理想に近づくために、会社を、人を選んでください。理想と現実をしっかり認識できた人ほど、就活がうまくいっていた印象があります。もしSHIONOGIで働くことで、自分の理想像がかなえられそうだと思ったとき、SHIONOGIを選択いただけると幸いです。頑張ってください!

解析センター長メッセージ

私たち解析センターは、統計及びデータ取り扱いの専門家としてグローバルに医薬品の承認取得に向けたエビデンス構築の一翼を担ってきました。今日では、従来の医薬品に加え新たなモダリティへの対応、上市後のエビデンス構築などさらなるチャレンジが必要となっています。

日々自己研鑽して専門性を磨きながら大いにチャレンジし会社の発展に貢献するという目標の下、エキサイティングな仕事を私たちと一緒に進めていきましょう。

Copyright ©SHIONOGI & CO., LTD. All right reserved.