東京エレクトロンは、世界の半導体製造装置市場で大きな存在感を示す。「産業のコメ」から「社会のコメ」と言われるようになった半導体は、デジタル化と脱炭素化などへの対応とともに、さらなる技術革新が求められている。新ビジョン「半導体の技術革新に貢献する夢と活力のある会社」を掲げる同社の若手社員4人の声を通し、東京エレクトロンの成長の源泉、働く環境などを紹介する。
若手のうちからグローバルに活躍できる
――東京エレクトロンに入社した動機を教えてください。
中西 一番大きな動機は、若手のうちからグローバルに活躍できる環境があると感じたからです。世の中にグローバル企業はたくさんありますが、日本で経験を積み、中堅になってから海外へ出張したり赴任したりするケースが多いとイメージしていました。でも東京エレクトロンでは、入社3年目の私も海外出張によく行かせてもらいますし、同期の中には海外に駐在して活躍している人もいます。
藁科 就職活動中に、東京エレクトロンで要素開発の仕事をしている若手社員の方と話した際、どういう志を持って研究に取り組んでいるかなどを聞き、いい環境で研究しているのだろうなと感じたことが決め手になりました。私は大学院の物理学科で研究していましたが、その方から感じたモチベーションの高さや仕事への熱量に影響を受け、同じ環境で要素開発や基礎研究を行いたいと強く感じたのです。
橋本 父が東京エレクトロンに勤めていたので、小学生のころ会社主催のイベントで熊本の工場を見学したことがあります。自分の身の回りにある携帯電話やテレビなどに使われているモノに関わる装置を造っていることに感銘を受け、ずっとあこがれの会社でした。
持田 私は中途採用で入社しました。前職で人材管理などを行う基幹システム導入に関わっていたのですが、日本企業の成功事例は少なかったのです。東京エレクトロンがこのシステムを導入し、日本だけでなくグローバルで統一したシステムや人事制度を構築、展開すると聞き、チャレンジしたいと思いました。以前ドイツにいたころ、ヨーロッパの東京エレクトロン社員と話し、働く人の雰囲気や人柄はもちろん、働きやすそうな会社だと感じたことも大きかったですね。


頑張りや苦労が成果に結びつく実感
――現在、どのような仕事をしていますか。また、やりがいを感じることは何でしょう。
橋本 東京エレクトロンの強みは、半導体製造においてキーとなる成膜・塗布/現像・エッチング・洗浄という連続する4つの工程の製造装置を手掛けていることです。その中で私は、洗浄装置の営業をしています。まだ入社1年目ですが、お客さまと接することが楽しく、特に現場の声を聞けることにやりがいを感じています。
藁科 私は技術マーケティング部という部署で、5年、10年先の半導体製造に用いる技術を探索するために、社内だけではなく大学や外部機関と連携しながら、その技術の新規性や有用性の実証実験などを行っています。もう一つ、社内の開発基盤整備の活動にも携わっています。社内の開発部隊に向けて実験用のウエハーの作製、提供も行っているのですが、私の作製したサンプルを用いて取得したデータをお客さまに紹介し、いい結果につながったという話を聞くと頑張った甲斐があったと思いますね。
中西 フィールドエンジニア(FE)は、お客さまと工場との懸け橋になり、お客さまに一番近い存在です。昨春のアメリカでの装置立ち上げの際には、現地でお客さまの現状をヒアリングしながら日本の工場とやりとりし、新しい開発機の稼働をサポートしました。未知なことも多く大変でしたが、お客さまだけでなく現地のFEや先輩から「来てくれて助かった」という言葉をいただき、とてもうれしかったです。
持田 人事部とDX(デジタルトランスフォーメーション)推進部で採用や業務プロセス改善、デジタル支援・活用などの仕事をしています。部門や領域を横断したプロジェクトを推進することも多く、昨年は赤坂本社オフィスのリノベ―ションにも関わりました。生産性の向上を目的の一つとして、人と人とのコラボレーションを促す仕掛け、オフィスの動線設計、レイアウトや什器(じゅうき)にもこだわりました。実際に使う社員の方たちの反応も見つつ、試行錯誤を重ね、オフィスという形に落とし込むことができて非常に良い経験になっています。
橋本 オフィスのリノベーションで緑が増え、仕事していても癒されます。個別ブースでは集中できるし、フリーアドレス制で毎回違う人の近くで仕事ができ、新人の私も顔を覚えてもらいやすく、すごくいいなと思っています。


挑戦させ、見守り、成長をサポートする体制
――働く環境、企業文化についてはどのように感じていますか。
中西 上司が、少し背伸びすればできる、程よくチャレンジングな業務を与えてくれています。だからとても働きやすいし、頑張ろうと思える。もし、そのレベルを超えたゾーンに入ってしまっても、先輩たちに相談することができます。上司が一人ひとりをよく見てくれていると感じています。
橋本 私も、挑戦させてもらっていますし、不安なときはいつでも相談にのってもらえます。こちらから相談しなくても、見守りながら声をかけてくれる。仕事を投げるだけでなく、それに対するフィードバックが手厚いですね。
持田 制度やルールというハード面だけでなく、さじ加減が難しいような運用を後押しするサポート体制があるのだと思います。それから、立場にかかわらずフラットにコミュニケーションできる文化もある。本当に、風通しがいい会社なのだと思います。
藁科 そうですね。社長にも役員にも敬称はつけず「さん」で呼ぶので、上司とのコミュニケーションが取りやすく、意見も言いやすいですね。
高付加価値な装置開発し 社会要請に応える
――注目を集める半導体製造装置産業の中で、それぞれどのような貢献ができると考えていますか。
藁科 半導体製造装置の進化が良い半導体デバイスにつながり、今のデジタル社会をさらに豊かにしていけると思います。加えて、世界的な脱炭素化の流れを受け、半導体デバイスの進化においても低消費電力化は欠かせません。微細化・高集積化の追求だけでなく、グリーン化の視点でどう付加価値をつけるか――。こうした性能の高いデバイスにつながる装置開発によって、社会的な要請にも応えていきたいと考えています。
橋本 東京エレクトロンの主要製品には、世界シェア1位、2位を占める製品がいくつもあります。それだけ影響力のある装置を売っているという意識で、グローバルな視点を持ちながら営業に携わっていきたいです。
持田 半導体市場は今後10年間で、現在の2倍の1兆ドル以上に成長すると言われています。その中で東京エレクトロンは2027年3月期までの中期経営計画の財務モデルで、売上高3兆円以上、営業利益率35%以上、ROE(自己資本利益率)30%以上という目標を掲げています。こうした財務目標を達成するためにもバックオフィスの在り方を模索し、さらに働きやすい環境を整えていきたいですね。
中西 この数年、以前は半導体に関心の無かった人たちからも「半導体不足なんだって?」と言われることもあり、世の中に不可欠なものとして半導体が身近になり、社会システムのインフラになっていることを実感します。東京エレクトロンは、これまで業界最大の8万6000台以上の装置を出荷し、毎年約6000台の装置を投入しています。FEとしては、お客さまの装置稼働の維持向上に貢献し、結果として半導体産業の成長に貢献していければと思います。


「守り」のバックオフィスでも「攻める」
――これから挑戦したいこと、将来の抱負を聞かせてください。
中西 半導体製造装置のメンテナンスにはハードとソフトの両方の知識が必要です。私はこれから、さまざまな機会を活用して、特にソフトを中心に多くの知識を取り入れていきたいと考えています。プライベートでは、将来的には育児も頑張り、FE業務と育児の両立を目指したいですね。
橋本 営業の私も、もっと技術的な知識を蓄えていかなくてはと思っています。先輩からもお客さまからもよくしていただいているので、早く一人でバリバリ仕事をこなせるようになり、皆さんに恩返ししたいです。
持田 私が今後挑戦したいことの一つは、企業や大学などとのコラボレーションです。デジタル化やシステム導入などで連携し、企業の成長に生かすような取り組みがもっとあってもいいと思っています。もう一つは、「守り」と言われるバックオフィスでも「攻めて」いきたい。
藁科 まずは、今研究している要素技術の案件を一つでも実際の装置化へつなげたい。そして、いつか自分の開発部隊を持ちたいと思っています。東京エレクトロンは、今後5年間で1兆円以上の研究開発費投入を見込んでいます。こうした恵まれた研究開発環境を生かし、より小回りの利く開発部隊で、付加価値の高い次世代製品を開発したいです。


定着率94.7%が示す、働きやすい環境
――就職・転職活動中の人に、東京エレクトロンの魅力を伝えてください。
橋本 東京エレクトロンは、最先端でグローバル。若いうちから挑戦する機会も多く、成長できる場だと思います。
中西 多種多様な人を受け入れてくれることも魅力です。グローバルな拠点にさまざまな経歴を持った人が大勢います。自分がこれまでやってきたことに自信を持って入社してください。
藁科 一言で言うと魅力は人。社内の色々なところに色々な分野の専門家がいて、その人たちに気軽にアクセスできる。私のように、元々半導体を専門としていない人でも働きやすい会社だと思います。
持田 社員の定着率が高く、日本の入社3年後では94.7%。制度や評価がグローバルで統一されていて、成果は報酬にも反映されます。私自身、東京エレクトロンに入社してよかったと思うのは、これほどのグローバルカンパニーでもまだまだ成長余地があり、手を挙げれば自分がその成長に貢献できるということです。とにかく面白い会社ですよ。
※著作・制作 日本経済新聞社(2023年2月20日~3月20日 日経電子版広告特集)。
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