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データや解析技術を使うことが目的化しないように。

あくまで大切なのはSHIONOGIのあるべき姿を考え抜くこと

2004年度入社:農学部・応用植物科学科 卒

Q1. 現在の業務内容とヤリガイについて教えてください

私が所属しているコンピュータサイエンスグループのミッションは「社内の解析基盤の整備と先進解析技術の活用を推進すること」とされ、現在はAIや解析技術の最新の知見を幅広く収集し、各部門のニーズをヒアリングしながら実装に向けた検討を行っています。

先進解析技術といっても様々ありますが、その中で個人的には特に自然言語処理(人間が日常的に使用している言葉をコンピュータに処理させる技術)の領域に大きな可能性を感じています。日本語という独特の言語も相まってハードルは高いのですが、だからこそヤリガイは大きく、楽しみながら業務に当たっています。

またその他にも幾つかプロジェクトに参画しており、詳しい内容はお伝え出来ませんが例えばコンテンツマーケティングの分野にデータサイエンスの観点で関わっています。様々な情報ソースを用いて社会のトレンドやニーズを収集し、その上で自社のコンテンツがそれらに適うようにするためにはどのようにすべきかをコンテンツ主幹部門に提案する、といった業務です。おそらく多くの方にとって(私にとっても)、医薬品産業と聞いて自然と想像されるような職務内容ではなく、それが非常に新鮮で刺激的に感じています。

Q2.あなたの経歴について教えて下さい

入社後約7年、MR職として医薬品の適正使用情報の提供を行いました。医療連携への関心が強まっている頃で、特にがんの緩和ケア領域において様々な先生方とお話させて頂いた経験が今でも強く印象に残っています。

その後、人事部門に異動となり主に採用業務を8年間担当しました。MR職の採用担当から始まりましたがその後は研究開発系職種やコーポレート系職種まで結果的に全ての職種に関わり、バリューチェーンそれぞれの活動や課題の理解を深めることに繋がりました。

今回データサイエンス部に異動となったのは社内の公募制度を活用したものです。採用活動をよりエビデンス重視にしようと統計学やデータベース構築、機械学習といった勉強を個人的に進めてきました。学べば学ぶほどデータサイエンスの可能性に関心が強くなっていく中、データサイエンス部からの社内公募を見た時に頭の中で「やりたい!」という感情が湧き、自分の気持ちに素直に生きたいという思いから応募したという経緯です。

Q3.職場の環境やデータサイエンス部の雰囲気は?

新卒入社/キャリア入社、学生時代の専攻、異動歴、得意分野などスタッフのバックグラウンドが多様であり、それぞれ独自の経験と知識を持っているのがデータサイエンス部の特徴で交流を通して互いに高め合うことができる組織風土だと思います。温かい性格かつ知的好奇心が強いスタッフが多いのでコミュニケーションは活発に行われており、日ごろからあちらこちらで自然発生的な議論がなされています。

最近では在宅勤務が導入されていますがチャットツールも頻繁に活用されていますし、部内ではコミュニケーション施策も随時実施されており孤独を感じることはありません。

なお物理的なオフィス環境としては、フリーデスク制、PCモニター配備、防音ブース、テーブルソファ席など業務効率や健康面への様々な配慮がなされており、快適に業務にあたることができます。

Q4.前所属の経験が今の業務にどのように活かせていますか ?

一般社団法人データサイエンティスト協会が定義する「データサイエンティストに求められるスキルセット」では「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」が挙げられています。

このうちビジネス力(課題背景を理解した上でビジネス課題を整理し、解決する力)については、MRや採用業務を通して医療従事者や社内各本部にヒアリングを行い、それぞれの課題を理解し、かつ困りごとの解決に向けた提案を行った経験は少なからず活かせると考えています。

Q5.現在の業務に必要なスキルはどのように磨いていますか?

日頃の業務や研修を通じて必要なスキルや知識を積み重ねていくことはできますが自己学習も習慣的に行っています。例えば政府提供のオープンデータや各社サービスのAPIなど広く提供されているデータを用いてプライベートのPCでPythonを用いた解析トレーニングは毎日行っています。データサイエンスの基礎はプライベートでも練習できる環境が豊富にありますし、扱うデータによっては趣味も兼ねられますので(例えばキャンプ場の情報を集めるなど)楽しみながら取り組んでいます。

また、新しく得た知識や解析手法については部内のスタッフに意見をもらうように心がけています。例えばそれ自体が間違っていなくても、人によってまた別のアプローチで解析をしていることも多くとても参考になります。上の項目で回答した通りデータサイエンス部は相談しやすい組織風土なので、この点においてもとても助かっています。

Q6.あなたが今後チャレンジしてみたいこと、将来の夢は?

自然言語処理や画像・動画解析、リアルワールドデータ解析など、今後関わりたい領域を挙げ出すとキリがありません。Society5.0、インダストリー4.0といった言葉をよく聞きますが、技術革新によって日々膨大な情報が集積されている中でそれらの解析から有益な知見を得ることはビジネス上の価値がありますし、それは個人のヤリガイにも繋がると思います。

ただ、そういったデータセットや技術は自ら目的を持って取りに行かない限り集まりませんし、また例え集まったとしてもそれを使うことが目的化してしまっては得られる恩恵も小さくなります。大切なのはSHIONOGIという会社が社会から求められ続けるためには何をすべきか、そのあるべき姿を考え抜くことだということを常に意識していきたいです。