慣れ親しんできたお菓子を
自らの手で進化させ続ける

研究所 第二商品開発センター キャンディ開発グループ

2013年入社

現在の仕事内容

さまざまなデータを分析し、味覚の最適解を追求する

研究職として入社し、現在はキャンディ開発グループに所属。「ハイチュウ」の既存品のリニューアルや新フレーバーの開発、さらにキャラメルを含む新しいソフトキャンディの開発などを行っています。

仕事の進め方としては、マーケティング部が企画した商品に対し、味や食感の具体的な提案を行います。商品の方向性が決まったら試作や製造ラインのテストを実施し、製品化を進めていきます。例えば「ハイチュウ」の新しいフルーツのフレーバーを作る場合、必ずしも果物の味をリアルに再現することが最適解とは限りません。あくまでお菓子としてのおいしさを目指すため、マーケティング部と味や食感・見た目などのゴールを設定し、試行錯誤の上、味を実現していきます。また、昔から定番のグレープ味なども、その時代のお客様の嗜好性に合わせて少しずつリニューアルしており、お客様が求める、よりジューシーな果汁感を味わえる工夫を重ねています。

「おいしさ」は人によって異なるため、味作りに絶対的な正解はありません。そのような中で、常に市場調査や売上実績、物理特性、そして人間の五感を用いた官能評価など、さまざまなデータ分析を行いながら、一人でも多くのお客様に喜んでいただける品質を目指しています。

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仕事のやりがい

ロングセラーを進化させ、お客様の声を聞ける喜び

研究所は、商品そのものに、徹底的に向きあっている部署でもあります。だからこそ商品の企画段階では、研究員なりの視点で、品質上の意見を積極的に提案することを心がけています。「ハイチュウ」は、私自身も子どもの頃から慣れ親しんできたお菓子であり、入社前から大きな存在でした。それを今、自分の手で改良し、新しい商品を生みだしていることは研究員ならではのやりがいであり、同時に大きな責任も感じています。

このように真摯に取り組んだ商品を、お客様においしかったと言ってもらえた時や、店舗で買っていただいているお客様を見かけた時は、大きな喜びを感じます。もちろん売り上げが数字に表れるのも嬉しいことですが、実際にお客様の顔が見えることで実感が伴い、その喜びも倍増します。

また近年は、有志の研究員が、自分たちの作りたいお菓子を製造して店舗で販売する「森永新研究所」という取り組みも行っています。私もキャラメル商品を開発し、自ら店頭に立って販売もしました。普段はなかなかお客様と接することができない部署なので、このような機会に、お客様の声を直接お聞きできることは非常に貴重な体験で、大きなやりがいにつながっています。

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私の成長エピソード

あらゆる事態を想定し、失敗を成功へとつなげる

ある新規キャラメル商品の、工場への製造移行を初めて任された時のことです。研究所内での検討段階ではまったく問題がなく、安心してラインテストに臨みました。ところが工場の製造ラインで流してみると、具材の多い商品だったこともあり、生地を細長く伸ばす工程でブツブツと切れてしまったのです。キャラメル作りは砂糖の結晶状態を変化させることで物性を制御しますが、研究所と工場の製造設備の違いが大きく、その影響を正確に予測できていなかったことが原因でした。

多くの協力を得て臨んだ初のラインテストが完全な失敗に終わり、準備不足だった自身の責任を感じて、非常に落ち込みました。すぐに何が問題だったのかを自分なりに考え、まずは研究所と工場の設備仕様を比較。ラインテスト時のデータを分析して、何とか研究所内でも現場の状況を再現できないか試みました。さらに、商品のコンセプトや目標とする品質は維持しながら、物性を改良できる配合を何パターンも考えて、試作を重ねていきました。その結果、ついに工場の製造ラインでも安定して製造できるようになり、最終的には失敗を成功へ変えることができたのです。

結果的には無事に製造移行させることができましたが、「失敗に備えて事前にあらゆる対策をしておく」という準備の大切さは、その後の大きな教訓となりました。今も試行錯誤しながら「おいしさ」作りに取り組む毎日ですが、キャンディ製品は非常に奥が深く、学ぶことはまだまだたくさんあると感じています。今後も研究開発のスペシャリストとして常に知識を深めながら、幅広い商品に携わっていきたいと意欲を燃やしています。

※掲載内容は、取材当時のものです。

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