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2026.2.20

面接で見抜けない「隠蔽体質」──自己保身の嘘とコンプライアンスリスクの予兆

はじめに

面接では人当たりが良く「真面目そう」に見えた人物が、入社後にミスを隠蔽したり、保身のために平気で嘘をついたりする──こうした「コンプライアンスリスク」は、従来の人柄重視の面接だけでは見抜くことが困難です。その背景には、周囲からの評価を過剰に気にすることによって生じる歪んだ認知構造が存在します。
本記事では、心理学および組織行動学の視点から、自己保身による「嘘」や「ルール逸脱(ディレールメント)」の兆候を科学的に検知し、適性検査を活用してリスクを未然に防ぐための見極め方を解説します。

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1. なぜ「良い人」がルールを破るのか

コンプライアンス違反や隠蔽工作は、必ずしも根っからの悪意を持つ人物が行うとは限りません。むしろ、「よく見られたい」という欲求が過度に強い場合、窮地に陥った際に倫理的判断よりも自己防衛を優先してしまう心理的メカニズムが働きます。

1-1. 過剰な「公的自己意識」と他者軽視のパラドックス

組織行動学の観点から見ると、コンプライアンス違反のリスクが高い人材には特有の傾向があります。それは、「周囲からどう見られているか(公的自己意識)」を過剰に意識する一方で、「他者を尊重する姿勢(他尊)」が著しく低いというアンバランスな状態です。
「人から良く見られたい」という欲求が強いにもかかわらず、他者への配慮が欠けている場合、自分を守るためであれば嘘をついたり、ルールを逸脱したりする行動に至りやすくなります
これは、社会的に望ましい自分を演出しようとする「社会的望ましさ」が歪んだ形で表出している状態とも言えます。

1-2. 組織を腐敗させる「ディレールメント(脱線)」

こうした傾向を持つ人材は、平常時には「空気を読む良い人」として適応しているように見えます。しかし、ミスやトラブルといったストレス状況下では、その特性が「ディレールメント(キャリアからの脱線)」として顕在化します。
具体的には、自身の評価が下がることを極端に恐れるあまり、不都合な事実を報告しなかったり、責任を他者に転嫁(投影)したりする行動が見られます。
個人の保身行動が見過ごされると、やがて組織全体の隠蔽体質や重大なコンプライアンス違反へと発展する危険性を孕みます。

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2. データで可視化する内面的リスク要因

面接での「印象」というフィルターを外し、客観的なデータに基づいて内面的なリスク要因を可視化することが、採用の安全性を高めるための重要なアプローチです。

2-1. 責任転嫁と回答矛盾の確認

面接では、過去の失敗経験や困難な状況について質問し、その原因をどのように捉えているかを確認します。
コンピテンシー(行動特性)の分析において「投影(責任転嫁)」の傾向が強い場合、うまくいかなかった原因を自分ではなく「環境」や「他者」に帰属させる発言が目立ちます。
また、適性検査における「回答の一貫性」や「虚偽申告傾向」に関するアラートも重要です。
類似した質問に対して回答が矛盾している場合、自分を良く見せようと作為的に回答している可能性が高く、その不誠実さは入社後の行動にも表出するリスクがあります

2-2. 自尊と他尊のバランス測定

心理統計学に基づく検査を用いて、「自尊(自分を大切にする心)」と「他尊(他者を大切にする心)」のバランスを定量的に測定します。
特に、「自尊」が高く「他尊」が低い、かつ「公的自己意識」が高いタイプは、自己保身のためにルールを破るリスクが統計的に高い傾向が示されています。
面接では見抜けない「内面的欲求のバランス」をデータで把握し、リスク因子を持つ人材を事前にスクリーニングすることが、コンプライアンス遵守の土台となります。

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3. リスク管理としての採用基準設計

面接で見抜けない「コンプライアンスリスク」を予見するポイントは、以下の3点です。

  • 「周囲からどう見られるか」を気にする一方で「他者を尊重しない」という自己保身のメカニズムを理解し、その兆候をデータで検知すること。
  • 適性検査における「回答の一貫性」や「虚偽申告」に関するアラートを見逃さず、面接での印象とデータの乖離(=虚偽の可能性)を冷静に評価すること。
  • 失敗経験を語らせることで、責任を他者に転嫁する「投影」の傾向がないか、思考の癖を確認すること。

「真面目そうに見える」という主観的評価から脱却し、科学的データに基づいた採用基準を導入することで、組織を内側から壊すリスク人材の流入を防ぎ、健全な組織文化を守ることが可能になります。
誠実さは印象ではなく、一貫性と行動事実の中にこそ宿ります。

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サービスのご紹介

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適性検査『TG-WEB』に含まれるチーム・コミュニケーション検査(W8)では、「自尊」と「他尊」のバランスや「公的自己意識」の強さを測定し、自己保身のためにルールを逸脱するコンプライアンス違反リスクを定量的に可視化します。
また、ベーシックパーソナリティ検査(B5)では、回答の矛盾から「回答の一貫性」を判定し、自分を良く見せようとする虚偽回答の可能性を示唆します。
これらを活用することで、面接では把握しきれないリスクを科学的に見極め、採用の安全性を高めることができます。

チームで成果を発揮するためのコミュニケーション力を測定

チーム・コミュニケーション適性検査 W8

チームで成果を発揮するためのコミュニケーション力を測定
組織や部署にマッチする性格を測定

ベーシックパーソナリティ
適性検査 B5

組織や部署にマッチする性格を測定

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