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2026.1.30

「打たれ強さ」は危険?ストレス耐性の本質「コーピング」を見極める採用基準

はじめに

「ストレスに強い人材を採用したい」と考えたとき、多くの人事担当者は「嫌なことがあっても動じない人(鈍感さ)」や「我慢強い人(耐性)」をイメージしがちです。しかし、単に我慢強いだけの人材は、限界を超えると突然折れてしまうリスクを抱えています。本記事では、心理学の知見に基づき、ストレス耐性の本質は「鈍感さ」ではなく、困難な状況に対して行動や認知で適応しようとする「コーピング(対処する力)」にあることを解説し、適性検査を活用した科学的な見極めの視点を提供します。

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1. ストレス耐性を「我慢強さ」と捉えるリスク

従来の採用基準において、「ストレス耐性」という言葉は、「打たれ強さ」や「我慢強さ」といった先天的な資質として解釈されることが多くありました。しかし、現代の複雑な職場環境において、単なる「我慢」は根本的な解決策にはなりません。

1-1. 「受け入れる器」と「対処する技術」の違い

一般的なストレス耐性のイメージは、ストレスを水に例えた際、それを受け入れる「器の大きさ」を測るようなものです。しかし、どれほど器が大きくても、水(ストレス)が注がれ続ければいつかは溢れ、メンタル不調や早期離職につながります。心理学的なアプローチでは、ストレス耐性を「耐える力」ではなく、ストレッサー(原因)に対して効果的に対処しようとする認知的・行動的努力、すなわち「コーピング(対処する力)」と定義します。重要なのは、ストレスを溜め込むことではなく、溜まらないように水を外に掻き出す「技術」を持っているかどうかなのです

1-2. 我慢強さが招く「突然の離職」

「サンドバッグ」のように打たれ強い人材は一見頼もしく見えますが、適切な対処行動をとらずに我慢し続けると、本人が気づかないうちに限界を迎え、ある日突然出社できなくなるケースがあります。また、ストレス耐性(鈍感さ)が高くても、問題そのものを解決するコンピテンシー(行動特性)が伴わなければ、状況は改善されず、周囲に負荷をかけ続ける可能性もあります。「感じないこと」を評価するのではなく、「感じた後にどう動くか」を評価しなければ、組織の持続的なパフォーマンスは保証されません

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2. 行動と認知による「コーピング」

適性検査のデータを用いて、応募者がストレス状況下でどのような「対処スタイル」をとる傾向があるかを可視化し、面接でその再現性を確認します。

2-1. 問題解決と援助希求

ストレス対処には、具体的なアクションを起こす「行動コーピング」の側面があります。特に重要なのは、自ら状況を変えようとする「積極的な問題解決」と、上司や同僚に相談する「他者への援助希求」です。面接では「辛かった経験」を聞くだけでなく、「その時、具体的に誰に相談し、どう動いて解決を図ったか」を確認してください。一人で抱え込まず、周囲のリソースを適切に使って現状を打破できる「行動力」こそが、入社後の定着と活躍を支える鍵となります

2-2. 思考・環境レベルでのアプローチ:認知の転換と適合性

行動で解決できない理不尽な状況においては、物事の捉え方を変える「認知コーピング(レジリエンス)」が重要になります。困難を前向きに捉え直す「ポジティブ思考」や、感情に流されず事態を俯瞰する「客観的視点」を持っているかを見極めます。また、中途採用においては、前職で「量(時間・業務量)」と「質(役割・裁量)」のどちらにストレスを感じていたかという「ストレッサー分析」を確認することも有効です。個人の対処力が高くても、組織が求める環境と個人の特性が乖離していれば、それが新たなストレッサーとなり、パフォーマンスを阻害する要因となります

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3. 「耐える人」から「対処できる人」へ──科学的な採用基準の確立

「ストレスに強い人材」を正しく見極めるためのポイントは以下の3点です。

  • ストレス耐性を「我慢強さ」ではなく、具体的な行動や思考で対応する「コーピング(対処する力)」として再定義すること。
  • 適性検査で「他者に助けを求められるか」「問題解決に動けるか」といった対処スキルを可視化し、リスクを事前に検知すること。
  • 面接では「ストレスを感じたか」ではなく、「感じた後に具体的に何をしたか」という行動事実を確認し、再現性を評価すること。

経験や勘に頼った「感覚的な採用」を脱し、データに基づいた科学的な手法を採用基準に組み込むことで、採用ミスによる組織の停滞を防ぎ、社員が長期的に定着・活躍し続けられる強い組織を築くことが可能になります。「耐える人」ではなく「対処できる人」を採用することが、健全な組織運営の第一歩となります。

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サービスのご紹介

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ヒューマネージの適性検査『TG-WEB』に含まれるコーピング適性検査(G9)では、ストレス耐性を単なる「強さ」ではなく、行動や認知による「対処する力(コーピング)」として可視化し、入社後の定着リスクを定量的に測定します。また、コンピテンシー適性検査(A8)と組み合わせることで、ストレス状況下でも成果につながる具体的行動がとれるかを多角的に分析できます。これらのデータを活用することで、面接だけでは見抜けない「真のストレス対処力」を科学的に見極め、貴社の採用精度向上を強力に支援します。

ストレス対処力を測定

コーピング適性検査 G9

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成果につながる行動を起こす力を測定

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