2026.1.16
能力が高いのになぜ?チームを壊す「自己中心型」人材を見極める採用基準
はじめに
採用面接で「非常にエネルギッシュで実績も豊富」と判断した人物が、入社後に独断専行を繰り返し、チームの和を乱してしまうケースは少なくありません。こうした「自己中心的なハイパフォーマー」は、個人の能力は高くても、組織全体の心理的安全性を損なう大きなリスクを孕んでいます。本記事では、心理統計学の視点から「自尊」と「他尊」のバランスに着目し、適性検査のデータを用いて入社後のトラブルを未然に防ぐための見極めのポイントを解説します。
INDEX
1. 成果創出の陰に潜む「他者軽視」という組織的リスク
2. データに基づく「自律的ハイパフォーマー」の見極め方
3. まとめ:感覚的な採用からデータに基づいた科学的な採用への転換
サービス紹介
1. 成果創出の陰に潜む「他者軽視」という組織的リスク
個人の業績が優れているからといって、その人物が組織にとって望ましい貢献をするとは限りません。
1-1. 自尊と他尊のバランスが崩れるメカニズム
組織行動学において、チームで活躍できる人材の特徴として、自分を肯定する「自尊」と、他者を理解し尊重する「他尊」の双方が高い状態にあることが挙げられます。一方で、自尊のみが極端に高く、他尊が著しく低いタイプの場合、自身の意見を強引に押し通すなど、いわば「自分本位」に振る舞う傾向が見られ、周囲のメンバーの主体性を損なうリスクがあります。
適性検査において、この二つの軸のバランスを定量的に把握することは、表面的な社交性の背後に潜む独善的な傾向を捉えるために不可欠です。
1-2. 極端な自己中心性がもたらす「ディレールメント」の事象
他者軽視の傾向が強い人材は、困難に直面した際に「周りの環境が悪い」と責任転嫁(投影)を行うリスクが高まります。また、周囲からの評価を過剰に気にする一方で他者を尊重しないタイプは、自己保身のためにルールを逸脱したり虚偽の報告をしたりするコンプライアンス違反を招く「ディレールメント(脱線)」を引き起こす可能性があります。採用基準においては、能力の高さだけでなく、組織を瓦解させかねない潜在的な行動リスクを事前に可視化することが重要です。
2. データに基づく「自律的ハイパフォーマー」の見極め方
「自己中心型」の擬態を剥がし、真にチームに貢献する人材を見抜くには、多角的な評価軸が必要です。
2-1. 行動事実とコミュニケーションの質を深掘りする
面接では「どう思うか」という主観ではなく、過去の具体的な「行動事実」を確認すべきです。コンピテンシー(行動特性)は思考力や性格ではなく、過去にどのような行動をとって成果を出したかによって再現性を予測する指標です。面接官は時系列でエピソードを深掘りし、他者と協力して成果を上げた「客観的な事実」があるかを確認することで、作られた自己演出ではない等身大の実力を特定することが可能になります。
2-2. 組織の価値観との適合性とストレス対処力の重要性
個人の資質が発揮されるかは、組織風土との「適合性(マッチング)」に大きく左右されます。また、ストレス耐性についても、単に「耐える力」ではなく、ストレス反応が出た際にいかに適切に対処できるかという「対処力(コーピング)」の視点で評価すべきです。自社の価値観と応募者の価値観をデータで照合し、困難な状況下でも自律的に「対処」できる能力の有無を確認することが、入社後のミスマッチや早期離職を防ぐ土台となります。
3. まとめ:感覚的な採用からデータに基づいた科学的な採用への転換
「自己中心」なハイパフォーマーのリスクを見極めるポイントは、以下の3点に集約されます。
- 自尊と他尊のバランスを確認し、自己保身や他者軽視による行動リスク(コンプライアンス違反など)を事前に検知すること。
- 面接では意欲やイメージを問うのではなく、過去の具体的な「行動事実」を深掘りし、コンピテンシーの再現性を精査すること。
- 組織風土との「適合性(マッチング)」や、逆境を乗り越える「ストレス対処力」を定量的に評価すること。
経験や勘に頼った「感覚的な採用」を脱し、データに基づいた科学的な手法を採用基準に組み込むことで、組織の心理的安全性を守り、長期的に活躍し続けられる真の優秀層を確実に確保することが可能になります。一貫した基準の構築が、将来の強い組織を築く第一歩です。
サービスのご紹介
適性検査『TG-WEB』に含まれるチームコミュニケーション検査(W8)では、自尊と他尊のバランスから「自己保身によるルール逸脱リスク」を可視化し、チームワークへの阻害要因を特定します。コンピテンシー検査(A8)やコーピング検査(G9)では、過去の「行動事実」や「ストレスへの具体的な対処力」を定量的に測定できるため、面接だけでは見極められない潜在的なリスクを科学的に排除し、貴社にとって真に価値のある人材の採用を強力に支援します。
チーム・コミュニケーション適性検査 W8
コンピテンシー適性検査 Another8
コーピング適性検査 G9
© Humanage,Inc.
