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2025.07.04

エンゲージメントの高い人材を見極める!
面接&適性検査の活用法とは?

はじめに

近年、多くの企業が注目している「エンゲージメント」。
これは単なるモチベーションや満足度とは異なり、仕事に熱中し、楽しさや意義を感じながら取り組む状態を指します。生産性の向上、離職率の低下、創造性の発揮など、組織にとって多くのメリットをもたらすことから、採用・育成の現場でも重要なテーマとなっています。

では、そんなエンゲージメントの高い人材を、採用の段階でどう見極めればよいのでしょうか?
そのヒントとなるのが、「ジョブ・クラフティング」という行動特性です。

本記事では、エンゲージメントの基礎知識から、面接や適性検査を通じてその素養を見極める方法までを解説します。Z世代の採用にも活かせる視点を交えながら、実践的なアプローチをご紹介します。

1. エンゲージメントとは何か

1-1. エンゲージメントの定義

エンゲージメント(ワーク・エンゲージメント)とは、従業員が仕事に熱中し、やりがいを感じながら業務に取り組む心理的な状態を意味します。これは一時的なモチベーションとは異なり、持続的な没頭・充実感に支えられたものです。

具体的には以下のような特徴が見られます

  • 仕事にのめり込んでいる
  • 興味深いと感じながら取り組んでいる
  • 心身の健康状態が良好
  • 離職意識が低く、定着率が高い
  • 集中力や創造性が高まる

これらの状態が維持されることで、組織全体としても生産性が向上し、業績にも好影響を与えることが分かっています。

1-2. エンゲージメントがもたらす組織への効果

エンゲージメントの高い組織には、以下のようなメリットがあります

  • 生産性・業績の向上
  • 従業員の離職率の低下
  • 心身の健康改善による医療コスト削減
  • 従業員同士の関係性の向上
  • イノベーションの促進

また、エンゲージメントの高い企業はそうでない企業に比べ、1年後の営業利益率が最大で3倍にまでなるという調査結果も存在し、その重要性はますます高まっています。

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2. ジョブ・クラフティングとは何か

2-1. エンゲージメント向上とジョブ・クラフティングの関係

ジョブ・クラフティングとは、働く人が自ら仕事のやり方や認知を変え、「仕事を自分のものとして作り出す力」のことを指します。例えば、アサインされた仕事や課題を解決するために仕事のプロセスに工夫を加えたり、周りの人を巻き込んで仕事をつくり変えていく、ミッションの意義を自分なりに捉え直してみる、というような行動です。
この力を持っている人は、外部環境に左右されず自らモチベーションを高められるため、エンゲージメントの高い状態を維持しやすい傾向があります。
採用において、この特性を持った人材を見極めることで、入社後の高い定着率やパフォーマンス向上につながります。

2-2. ジョブ・クラフティングを構成する3つの行動特性

ジョブ・クラフティングは以下の3つの行動によって構成されます

  1. プロセスのクラフティング
     仕事のやり方を自ら工夫・改善しようとすること。
  2. 関係のクラフティング
     周囲の人との関係構築に積極的に取り組むこと。
  3. 意味のクラフティング
     仕事の意義や目的を自ら見出し、やりがいを持って取り組むこと。

これらの行動ができるかどうかを面接や適性検査で見極めることで、ジョブ・クラフティング力の高い人材を採用することが可能になります。

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3. Z世代の特徴とエンゲージメント

3-1.Z世代がエンゲージする条件

近年の新卒採用市場では、1990年代後半から2010年代初頭に生まれた「Z世代」が主役となっています。この世代の特徴を理解し、彼らが仕事にエンゲージする条件を把握することは、採用の成功に直結します。

Z世代に見られる主な価値観は以下の通りです

  • タイムパフォーマンスを重視する
     無駄を嫌い、効率的な働き方を志向します。
  • 認め合い・助け合う関係を好む
     上下関係よりもフラットな人間関係を求める傾向があります。
  • 価値観が合わない仕事・組織を避ける
     会社のネームバリューや待遇だけでなく、理念や仕事内容の共感度が重視されます。

このようなZ世代に対しては、従来の「企業の魅力を押し出す」だけの採用広報ではなく、「どのような仕事ができるか」「どんな価値観と合致するか」といった情報提供が不可欠です。
Z世代が仕事にエンゲージするためには、自分の興味や信念にマッチする業務、そして自らの裁量が発揮できる環境が必要なのです。

3-2.“推し活”に見る没頭力と採用への応用

Z世代の象徴的な行動に、「推し活(おしたい人・モノ・ことを応援する活動)」があります。

この行動には、以下のようなエンゲージメント特性が表れています

  • 興味のある対象に対して自発的に情報を集め、分析・行動を起こす
  • SNSなどを活用して、仲間とつながり、情報発信を行う
  • 自らの行動が「推しの役に立っている」といった自分の行動に対して満足感や充実感を得る

このような没頭力は、趣味の領域にとどまらず、仕事への高いモチベーションや自己成長にもつながる可能性があります。採用面接では、「推し活」などの過去に熱中した経験を尋ね、そのプロセス(なぜそれを始めたのか、どのように行動したのか、何を工夫したか)を深掘りすることで、その人が仕事においてもジョブ・クラフティングを発揮できるかどうかを見極めるヒントになります。

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4. ジョブ・エンゲージメントタイプによる仕事との相性

4-1. 4つのジョブ・エンゲージメントタイプの分類

エンゲージメントが高まる条件は、本人の行動特性だけでなく、「どのような仕事に没頭しやすいか」という相性にも影響されます。この相性を示すのが、以下の4つの「ジョブ・エンゲージメントタイプ」です。

  • スペシャリストタイプ
    特定の分野で、専門性を活かす仕事にのめり込みやすい。研究職や技術職、企画開発などに適性があります。
  • プロフェッショナルタイプ
    規則やマニュアルに縛られず、個性を活かす仕事にのめり込みやすい。営業職やコンサルティング、プロジェクト管理などに向いています。
  • チームオペレーションタイプ
    時間や経験を重ねて、知識やスキルを身に着けていく仕事にのめり込みやすい。事務職、オペレーター、サポート業務などで力を発揮します。
  • プロジェクトタイプ
    考えの違う人たちと議論をしながら進めていく仕事にのめり込みやすい。イベント企画や立ち上げ業務、ベンチャー系の業務で力を発揮します。

これらのタイプを理解したうえで、「本人の興味関心」「価値観」「過去の没頭体験」などを照らし合わせ、どのタイプに当てはまるかを見極めることが、エンゲージメントを高める職務配属や採用成功に直結します。

5.ジョブ・クラフティングを面接で見極める方法

5-1.有効な質問例と評価ポイント

ジョブ・クラフティングを採用面接で見極めるには、候補者の過去の行動事実に焦点をあてることが重要です。ポイントは、「その人が自ら考えて、行動を起こしているか」を確認することです。

以下のような質問が有効です

  • 「これまでに熱中したり、のめり込んだりした経験を教えてください。」
    → 単なる感情の共有・確認に留まらず、「熱中のきっかけ」「その後の工夫」「乗り越えた壁」などを具体的に尋ねることで、自ら主体的に取り組んだ行動の有無を確認できます。
  • 「その取り組みはまず何から始めましたか?」
    → 自ら課題を設定し、それを乗り越えるような工夫を行ったか、他人の指示や成り行きで動いたかを見極めるヒントになります。
  • 「その後、どのように考え、どう工夫しましたか?」
    → ジョブ・クラフティングの「プロセスのクラフティング(やり方の工夫)」「意味のクラフティング(意義づけ)」の観点を確認することができます。

評価時は、「行動の具体性」「主体的かどうか」「工夫の有無」の3点を基準に、表面的なやる気や演出ではなく、本質的な行動特性に注目することがポイントです。

5-2. 適性検査を活用した見極めの実践

面接だけでジョブ・クラフティングの有無を判断するのは難しい場合もあります。その補助ツールとして有効なのが「適性検査」です。

ジョブ・クラフティングを測定できる適性検査を導入することで、
以下のような活用が可能になります

  • ジョブ・クラフティング傾向が高い人材に注目
    → 検査で高スコアが出た候補者には、面接でさらに具体的な過去行動を確認する質問を行い、再現性のある特性かを見極める。
  • 傾向が低かった人への深掘り
    → スコアが低い候補者でも、過去に特定の業務や、課題において工夫をしている可能性があります。検査と面接を組み合わせることで、ミスマッチの見逃しを防げます。

適性検査は、面接では見えにくい「のめり込みやすさ」や「行動の癖」を可視化できるため、エンゲージメント観点での人材見極めにおいて、非常に有効な手段です。

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6. 採用活動におけるエンゲージメント視点の導入法

6-1. 採用プロセスに組み込む方法

エンゲージメントの高い人材を確保するには、採用活動そのものにエンゲージメントの視点を取り入れることが重要です。具体的なプロセスは以下の通りです。

  • エンゲージメントを引き出す設問をエントリーシートや面接に反映する
    → 過去に熱中した体験を中心に質問し、ジョブ・クラフティング的な行動の有無を確認。
  • エンゲージメントタイプ別に職務の適合性を検討する
    → 検査結果や面接内容から、候補者がスペシャリストタイプか、チームオペレーションタイプかを把握し、職種適性を考慮する。
  • 興味関心を尊重する選考設計
    → 一律の質問だけでなく、個々の志向や行動背景を掘り下げる柔軟な設計が有効です。

これらのプロセスを採用活動に組み込むことで、企業側と候補者の間に認識のズレが起きづらくなり、ミスマッチを防止することができます。

6-2. 入社後のフォローアップと育成への活用

エンゲージメントの視点は、採用段階だけでなく入社後にも活用することで、より効果的に機能します。

  • ジョブ・クラフティング傾向に応じた育成支援
    → 「関係のクラフティング」が強い人材には、チームでの活動を積極的に経験させるなど、特性に応じた育成環境を整備します。
  • エンゲージメントタイプに合った業務アサイン
    → スペシャリストタイプには専門性を磨ける業務、プロジェクトタイプにはチャレンジングな役割を与えることで、仕事への没頭を促進。
  • 継続的な対話・フィードバック
    → 定期的にエンゲージメント状態を確認し、本人の仕事の意義や価値を再確認する機会を設けることで、離職リスクを軽減できます。

エンゲージメントを意識した人材マネジメントにより、採用の成功だけでなく、長期的な定着・活躍にもつながる組織づくりが可能になります。

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サービスのご紹介

ジョブ・クラフティングの視点を取り入れた採用が、いま多くの現場で注目されています。
『Q1』は、エンゲージメントを高める行動特性を科学的に可視化できる適性検査です。
面接では見えにくい「のめり込みやすさ」や「仕事への向き合い方」を把握できることで、ミスマッチを防ぎ、採用の精度向上にもつながります。
エンゲージメントを大切にした採用を検討されている方は、ぜひ一度『Q1』の導入をご検討ください。

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