

2025.06.06
面接で「何を見ればいいか」迷ったら。コンピテンシーでブレない選考を
面接の場で「この候補者は本当に活躍できるだろうか?」と迷った経験はありませんか?
特に短い時間の中で、印象や話し方に左右されがちな面接では、候補者の本質を見抜くことが難しいと感じることもあるでしょう。
そんな採用の現場で注目されているのが「コンピテンシー面接」です。
これは、候補者の過去の具体的な行動に着目し、その中から“再現性のある力”を見極める手法。
たとえば、面接中に「この人は積極性がありそうだ」と感じても、それが単なる印象なのか、実際にそうした行動を取った経験があるのかは別です。
コンピテンシー面接では、その経験を具体的に掘り下げることで、「どんな場面で、どのように行動したのか?」を確認し、本当に期待できる人材を見極められます。
この記事では、そんなコンピテンシー面接をより効果的に活用するためのポイントを具体例とともにご紹介していきます。
「印象に左右されない、ブレない選考」を実現したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
INDEX
1.はじめに
2.新卒採用におけるコンピテンシー面接のシミュレーション
3. コンピテンシー面接の基本ステップ
4. 面接成功のために押さえておくべきポイント
5. 高コンピテンシー人材の特徴と見極め方
6. コンピテンシー面接をアレンジする際の注意点
7. まとめ:未来につながる人材を見極めるために
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1. はじめに
1-1. コンピテンシー面接が注目される背景
変化のスピードが増す今の時代。企業が求める人材像も、これまでとは少しずつ変わってきているように感じませんか?
たとえば、「学歴」や「過去の実績」だけでは語りきれない力――自ら学び、変化に対応し、行動を起こし、成果を出す。そんな“アジャイル型人材”への注目が高まっています。
一方で、採用の現場では限られた面接時間のなかで、どうしても「印象」で候補者を判断してしまうことはありませんか?
「話し方がしっかりしていた」「雰囲気が良かった」といった要素が評価に大きく影響することもあり、結果として「面接の印象と、実際の働きぶりにギャップがあった…」という悩みに繋がるケースも少なくありません。
そんな中、近年あらためて注目を集めているのが「コンピテンシー面接」です。
この面接手法では、候補者の過去の具体的な行動を深掘りし、その中から“再現性のある力”を見極めます。
「なんとなく良さそう」ではなく、「こういう行動をとっていたから、こんな場面でも活躍できそう」と、根拠のある採用判断を後押ししてくれるのが特徴です。
1-2. なぜ今、行動ベースの選考が必要なのか
少し前までの採用活動では、「学歴」や「経歴」、あるいは「第一印象」といった“分かりやすい情報”をもとに候補者を評価することが一般的でした。
でも最近、「それだけでは判断が難しい」と感じる場面が増えてきてはいないでしょうか?
たとえば、これからのビジネス環境では、「今できること」以上に、「これから成長しながら成果を出せるかどうか」に関心が高まっています。
さらに、DEIB(多様性・公平性・包摂性・帰属意識)といった考え方が浸透しつつある中で、「型にはまった人材」よりも、「個性や柔軟性を活かして変化に対応できる人材」が求められるようになっています。
こうした変化をふまえると、「学歴や肩書き」などの表面的な情報だけではなく、行動の中に現れる“その人らしさ”や“強み”を見つけるという視点が、ますます重要になってきます。
そのためには、印象やスペックに頼らず、「実際にどんな行動をしてきたか」「それが再び発揮されそうか」を見極める必要があります。
そんな採用のあり方を実現する方法の一つが――このあとご紹介するコンピテンシー面接なのです。

2. 新卒採用におけるコンピテンシー面接のシミュレーション
2-1. 面接開始〜取り組み課題・成果の特定
コンピテンシー面接は、まず候補者の「これまでの経験」にしっかり耳を傾けることから始まります。
たとえば、こんなふうに問いかけてみてはいかがでしょうか。
【質問例】
「学生時代にもっとも力を入れて取り組み、何らかの成果をあげた体験について教えてください」
この質問は、面接全体の土台づくりになる大切なステップです。
ここで出てくるエピソードは、その後の深掘りのベースとなるもの。だからこそ、話の“規模”ではなく、その中にある行動や思いに注目することがポイントになります。
たとえば、「大会で優勝した」といったわかりやすい成果だけでなく、チームの裏方として支えた経験や、地道に困難を乗り越えたエピソードも、十分に面接で掘り下げる価値のある内容です。
「どんな場面で、どんな行動をしたのか?」
この視点で対話を進めることで、候補者の本質的な力が少しずつ見えてくるはずです。
2-2. プロセス・場面を掘り下げる質問例
取り組みのテーマと成果が見えてきたら、次は「その過程」や「場面」に注目していきます。
単なる結果だけでなく、そこに至るまでにどんな行動があったのか――。
このプロセスを丁寧にたどることが、候補者の実力を深く知るうえでとても重要です。
たとえば、以下のような質問を使ってみましょう。
【質問例】
「その成果をあげるために、最初に何をしましたか?」
「最初に動いた場面について、具体的に教えてください。(いつ・どこで・誰と・何を)」
「その場面で、あなたはどんな役割を担いましたか?」
こうした問いを通じて、5W1H(いつ・どこで・誰と・なぜ・何を・どうやって)を意識しながら、候補者の“行動の物語”を描き出していきます。
たとえば「資金集めをがんばった」という抽象的な言葉の裏側にある、
「OB訪問を企画し、担当を割り振り、訪問先リストを優先度で整理した」といった具体的な行動を引き出すことが目的です。
この段階での掘り下げが浅いと、次の質問が表面的になりがちです。
だからこそ、この“場面づくり”にしっかり時間をかけることが、面接全体の質を左右するとも言えるでしょう。
2-3. 行動と結果を結びつける問いかけ方
候補者の行動が具体化できてきたら、次に大事なのが、「その行動が、どんな結果を生んだのか」を確かめることです。
行動だけを聞いて終わらせるのではなく、その結果に目を向けていくことで、候補者の力がより立体的に見えてきます。
【質問例】
「その行動をとった結果、どんな変化や成果がありましたか?」
「そのとき、なぜその行動を選んだのですか?(意図や工夫について)」
「苦労した点や、工夫して乗り越えたことはありますか?」
こうした質問を通じて、「成果に向けたプロセス思考」や「課題への取り組み姿勢」が自然と浮かび上がってきます。
また、意図や工夫を掘り下げることで、単に言われたことをこなす人なのか、自ら考えて行動できる人なのか、といった違いも見えてくるでしょう。
候補者の“行動”と“結果”を丁寧につないでいくこと。それが、面接の中で本当の力を見極める大きなヒントになるはずです。

3. コンピテンシー面接の基本ステップ
3-1. 行動を引き出す6つのステップ
コンピテンシー面接を行う際、候補者の具体的な行動をどのように引き出すか――この点に難しさを感じたことはありませんか?
実は、無理なく話を深めていくためには、ある程度の「型」を持っておくことが非常に有効です。
その基本フローとしてご紹介したいのが、以下の6つのステップです。
行動を引き出す6ステップ
① 取り組み課題・テーマを特定する
② 第1プロセス(最初に取り組んだこと)を特定する
③ 第1場面(具体的なシーン)を特定する
④ 第1場面での行動事実を時系列で確認する
⑤ 第1場面での工夫・困難克服を深掘りする
⑥ 次の場面やプロセスに展開して掘り下げる
この流れを意識することで、「抽象的な話で終わってしまう…」というありがちな課題を防ぎ、候補者自身の“リアルな行動”にしっかりフォーカスすることができます。
「行動 → 結果 → 行動 → 結果」と、まるでストーリーをたどるように会話をつなげていく。
これこそが、コンピテンシー面接ならではの魅力であり、強みでもあります。
3-2. 取り組み課題、プロセス、場面の明確化
面接をスムーズに進めていくうえで、見落とせないのが「話の土台」をしっかり作ること。
そのためには、候補者のエピソードの中から、次の3つの要素を明確にしていくことがカギになります。
- 取り組み課題・テーマの特定
→ どんな目標や課題に向き合っていたのか? - プロセスの特定
→ その課題に対して、どんなステップで取り組んでいたのか? - 場面の特定
→ 具体的にどんな場面だったのか?(いつ・どこで・誰と・何をしたのか)
この3点を面接の中で丁寧に掘り下げていくことで、候補者の記憶が鮮明になり、本人が「思い出しながら話す」状態を自然に引き出すことができます。
特に「場面」を具体的に描けるようになると、その後の質問がスムーズに広がっていきます。
面接の質を左右する、大切なポイントです。
3-3. 行動事実と成果の芋づる式ヒアリング
話の流れがつかめてきたら、次に大事なのは「行動」と「成果」をセットでたどっていくこと。
単に「何をしたか?」ではなく、「それによって何が起きたか?」を確かめながら会話を進めていきます。
【ポイントとなる質問例】
・「そのとき最初にやったのは何ですか?」
・「次にどんな行動をしましたか?」
・「その行動の結果、どうなりましたか?」
・「そのとき、どんな工夫をしましたか?」
・「何か苦労した点や、乗り越えたエピソードはありましたか?」
このように、時系列を意識して、行動と結果を“芋づる式”に引き出していくことで、候補者の「成果を生む力」や「工夫して行動する力」がよりリアルに伝わってきます。
一問一答ではなく、一つひとつの行動の背景にある考えや工夫、結果とのつながりまでを物語のようにたどる――
そんな面接の進め方ができると、候補者の持つ“再現性のある力”がぐっと見えやすくなります。
面接官としても、聞きながら手ごたえを感じられる瞬間が増えてくるはずです。

4. 面接成功のために押さえておくべきポイント
4-1. 面接開始5分で「行動ベース」を伝える
「面接の雰囲気がうまくつくれなかったかも…」そんな経験はありませんか?
実は、コンピテンシー面接をスムーズに進めるうえで、最初の5分間がとても大切です。
このタイミングで、「どのような面接を行うのか」「どんな内容を大切にしているのか」を、候補者にわかりやすく伝えておくことで、会話の土台がしっかりと整います。
たとえば、こんな言葉を添えてみてはいかがでしょうか。
🌟【伝え方例】
1.「これまでどんな経験をされてきたかだけでなく、具体的に“どんな行動を取ったか”をぜひ教えてください。」
2.「うまく話そうとしなくて大丈夫です。ありのまま、どんな行動をしたかを一緒に振り返るイメージで進めていきましょう。」
3.「考え方や意欲も大事ですが、今日は“実際にやったこと”を中心に聞かせてもらえたら嬉しいです。」
4.「どんな小さな行動でもかまいません。思い出せる範囲で、具体的にお話しいただけると助かります。」
5.「この面接では、“正しい答え”を探す必要はありません。あなたらしく取り組んだ行動について教えてください。」
こうした言葉があるだけで、候補者は「何を話せばいいのか」がわかりやすくなり、緊張も和らぎやすくなります。
結果として、行動ベースのエピソードを自然と引き出しやすくなるのです。
4-2. リラックスした雰囲気づくりと話題の軌道修正
コンピテンシー面接では、いくつかの質問を重ねて会話を深めていきます。
ただ、その積み重ねが“尋問”のようになってしまうと、候補者の本来の力が出づらくなってしまうことも。
大切なのは、「面接=対話」であることを意識すること。
笑顔や相槌を交えながら、自然な会話の延長として進めていくことを心がけてみてください。
また、話が脱線したり、想いばかりが前面に出てしまったときには、やんわりと軌道を戻す必要があります。
相手の話を肯定しつつ、“行動”に焦点を当て直すための言葉があると安心です。
🌟【軌道修正の言い方例】
1.「少しだけ視点を変えて、そのとき具体的にどんな行動をされたかをもう少し詳しく教えてもらえますか?」
2.「素晴らしいお考えですね! そのお考えをもとに、実際にどんな行動をとったかもぜひ聞かせてください。」
3.「すごく興味深いエピソードですね! もしよければ、その場面で何をしたかを、もう一歩詳しくお聞きしてもいいですか?」
4.「そのお気持ち、よく伝わってきました。では、そのとき具体的にどんなアクションを起こしたのか、教えてもらえますか?」
5.「ありがとうございます。もう少しだけ掘り下げて、行動レベルで教えてもらえると、よりイメージが湧きやすいです!」
こうした表現をいくつか持っておくと、候補者の想いを尊重しながらも、面接の目的にそった形で話を深めていくことができます。
4-3. 時間に応じた簡易型コンピテンシー面接活用
「もっと聞きたいのに、時間が足りない…」そんな悩みも、現場ではよくあるのではないでしょうか?
理想を言えば1時間かけてじっくり聞きたいところですが、限られた時間の中でも要点を絞って行動を見極める方法はあります。
それが、“簡易型コンピテンシー面接”というアプローチです。
🌟【簡易型コンピテンシー面接のコツ】
・1〜2テーマに絞って深掘る
・特に「工夫した点」「困難を乗り越えた経験」にフォーカス
・行動と意図を簡潔に確認する
「短い時間では見極められないかも…」と思われるかもしれませんが、
実は“困難をどう乗り越えたか”という場面こそ、コンピテンシーが最も表れやすい瞬間です。
テーマを絞って深く掘り下げることで、候補者らしさや強みをしっかり捉えることができるはずです。
5.高コンピテンシー人材の特徴と見極め方
5-1. 記憶の鮮明さと行動の多様性
コンピテンシー面接を進めていると、「この人、きっと現場でも力を発揮しそうだな」と感じる応募者に出会うことはありませんか?
そんな方々には、ある共通点が見えてきます。
ひとつは、過去の行動を驚くほど鮮明に覚えているということ。
自ら考え、工夫し、試行錯誤しながら取り組んだ経験は、時間が経っても色あせることなく、いきいきと語られるものです。
もうひとつは、行動の引き出しが多いこと。
決まったやり方に頼るのではなく、状況に応じて柔軟に考え、さまざまな手法を試してきた経験は、言葉の端々に表れます。
こうした対応力の豊かさは、変化の激しい今の時代において、大きな強みとなるのではないでしょうか。
面接の中でふと見えるその片鱗を、見逃さずに拾っていきたいものです。
5-2. 自ら考え工夫する力が浮かび上がる
コンピテンシー面接が映し出すのは、単に「頑張った」というエピソードだけではありません。
困難や壁にぶつかったときに、どう考え、どんな工夫で乗り越えようとしたのか――そのプロセスにこそ、応募者の“らしさ”がにじみ出ます。
たとえば、
- 上手くいかなかった状況を、自分なりの工夫で打開しようとした経験
- 周囲と連携するために、相手に合わせたアプローチを模索した経験
そういった行動の裏には、その人なりの思考と挑戦の跡があります。
「どんな工夫をしましたか?」
「そのとき、どんな気持ちで行動しましたか?」
そんな問いかけを通して、候補者の“伸びしろ”や“可能性”を、やさしく引き出してみてください。
気づけば、表面的な評価だけでは見えなかった魅力が、そっと浮かび上がってくるはずです。
5-3. 面接がもたらす「顧客満足」という副次効果
実は、コンピテンシー面接にはもうひとつ、見逃せない効果があります。
それは、面接そのものが、応募者にとってポジティブな体験になるという点です。
自分の努力や工夫を、時間をかけて丁寧に聞いてもらえる――
それは、応募者にとって「この会社は、自分をきちんと見てくれている」と感じられる、大切な時間になるかもしれません。
たとえ選考の結果が不採用だったとしても、
「この会社と出会えてよかった」と思ってもらえるケースは少なくないのです。
とくに優秀な人材ほど、複数社からオファーを得ていることが多いもの。
だからこそ、選考過程そのものが、その人の意思決定に影響を与えるという視点も、これからの採用活動ではますます重要になるのではないでしょうか。
未来の仲間になるかもしれない一人ひとりに、誠実に向き合うこと。
その姿勢が、結果として組織の魅力として伝わっていくのかもしれません。

6. コンピテンシー面接をアレンジする際の注意点
6-1. 「行動事実を引き出す」ことを軸にする
「コンピテンシー面接って、やっぱり決められた手順通りに進めないとダメなんだろうか…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
たしかに、一定の「型」は存在しますが、それを一字一句守る必要はありません。
むしろ、応募者の個性やその場の空気感に応じて柔軟に対応することも、面接官に求められる大切な姿勢です。
一番大切なのは、「行動事実を引き出す」ことを面接の軸に置き続けること。
質問の順番が入れ替わっても、予定していた流れと違っても構いません。
「この人は、どんな場面で、どう行動してきたのか?」――この本質さえ押さえておけば、しっかりと価値のある面接になります。
完璧さを求めるよりも、自分たちらしい面接スタイルを少しずつ育てていくという視点で臨んでみてはいかがでしょうか。
6-2. 人間の癖を理解し、バイアスを防ぐ
面接をしていると、「この考え方はしっかりしているな」「なんとなく感じがいいな」といった印象が先に立ってしまうこと、ありませんか?
人はつい、考え方や態度から相手を判断しがちになるものです。
また、「この質問で相手の本音を試してみよう」といった探るようなスタンスになってしまうこともあるかもしれません。
でも、コンピテンシー面接で大切にしたいのは、考えや印象ではなく「過去の行動事実」。
なぜなら、実際に取った行動こそが、その人がどんな力を持ち、どのように成果を出してきたかを最もリアルに語ってくれるからです。
また、面接官の「好意的な先入観」や「ちょっとした違和感」といった感情が、質問の仕方や深掘りの角度に影響してしまうことも。
だからこそ、まずはニュートラルな姿勢で、一つひとつの行動を丁寧に聞き取ることがとても重要です。
少し意識を変えるだけで、面接の精度や公平性がぐっと高まっていきます。
6-3. 面接=調査。議論よりデータ収集に集中を
「応募者と価値観をすり合わせたい」「その場で見極めたい」――そんな気持ち、面接官としては自然なことかもしれません。
ですが、コンピテンシー面接は“議論の場”ではなく、できるだけ多くの行動エピソードを集める「調査の場」だと捉えてみてください。
つい話の途中で「この人は良さそう」「ちょっと合わないかも」と評価したくなることもありますが、
面接中は判断をいったん保留にして、行動データの収集に集中することがポイントです。
たとえば、
- 「最初に何をしましたか?」
- 「そのあと、どんな行動を取りましたか?」
- 「どんな工夫をしましたか?」
──こうした問いを重ねていくことで、応募者の“実際の動き”が少しずつ明らかになってきます。
そして、面接が終わったあとにじっくりデータを見返しながら評価を行うことで、
「なんとなく」ではない、納得感ある選考ができるようになります。
焦らず、丁寧に。
ひとつひとつの行動を見つめながら、その人の「力の根っこ」を探っていくこと。
それが、コンピテンシー面接の醍醐味でもあるのです。

7. まとめ:未来につながる人材を見極めるために
7-1. 感覚ではなく、行動を見極める選考へ
面接の中でふと、「この人、なんだか活躍しそうだな」と感じること、ありませんか?
採用の現場では、そんな直感に助けられる場面も確かにあります。
けれど今、多くの企業がその一歩先へと進み始めています。
印象や“なんとなく”の感覚だけではなく、「実際にどんな行動をとってきたのか」という事実に目を向けることで、
候補者の持つ力の“再現性”や“これからの伸びしろ”を、より具体的に見極められるようになるからです。
もちろん、行動の裏にはその人の考え方や価値観が存在します。
でもまずは、「やったこと」から得られるリアルな情報を丁寧に聞いてみること。
それがこれからの選考における、新しいスタンダードになっていくのではないでしょうか。
7-2. 面接の納得感が、組織の未来を変える
行動に基づいた面接を行うことは、候補者をより正確に見極める手助けになるだけではありません。
面接を担当する側の「納得感」や「意思決定の一貫性」にもつながっていきます。
たとえば、面接官同士で評価の基準が揃ってくると、「なぜこの人を選んだのか」が共通の言葉で語れるようになります。
その結果、採用後のフォローや育成も一貫性を持って行いやすくなり、チームとしての納得度も高まるはずです。
また、応募者にとっても、「自分の行動をきちんと見てもらえた」という実感は、
企業への信頼感や、入社後の前向きな姿勢につながっていきます。
いま、目の前で行っているひとつの面接が、組織の未来をつくっていく。
だからこそ、“行動”という確かな手がかりをもとに、可能性を見極めていく視点が、これからの採用にはますます求められていくのではないでしょうか。


サービスのご紹介
面接で「この人なら活躍してくれそうだ」と感じたとしても、印象だけでは評価がブレやすいもの。そんな中で「行動事実」に基づき、確実に応募者を見極められるのがTG-WEBです。
TG-WEBは、応募者の「知的能力」「性格特性」に加え、実際の「行動事実」まで確認できる適性検査です。これにより、「話し方がうまい」「印象が良い」といった表面的な要素ではなく、「どんな場面で、どんな行動を取ったか」を明確に評価できます。入社後の活躍を予測しやすく、面接での納得感も高まります。

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