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理系採用における適性検査とは。課題解決のための具体的な方法を解説

2025.04.04

「今ほしい人」じゃなくて「将来育つ人」を採る新卒採用のすすめ

ビジネス環境がめまぐるしく変化する今、新卒採用は企業の「これから」を形づくるための大切な一歩です。即戦力を求めることに注力しがちですが、同時に、長期的に成長を支え合える人材を見極め、育てる視点が必要とされています。

本記事では、新卒採用の目的を改めて見直し、実際の採用活動にどのような工夫ができるのかを考えていきます。適性検査の活用法や採用後の育成に至るまで、より実践的なポイントをやわらかく解説します。

1. 新卒採用の重要性が増している理由

1-1. 新卒採用は「未来への投資」である

企業にとって新卒採用は、単なる「人員補充」ではなく、将来の成長に向けた「投資」です。
特にデジタル化やグローバル化が進む中で、企業が将来にわたり競争力を維持するためには、今の課題だけでなく、今後に直面する変化に対応できる人材を確保する必要があります。

採用活動に「即戦力」を求める企業が増えていますが、新卒採用においては「即戦力」よりも「成長力」や「適応力」に着目することが重要です。
現代のビジネス環境は目まぐるしく変化しており、現在必要なスキルが3年後には陳腐化している可能性があるためです。

だからこそ、将来の変化に対応し、自ら学び成長できる「未来のリーダー」を採用することが、企業の持続的成長に不可欠です。


1-2. 変化の激しい時代における採用戦略

テクノロジーや市場環境の変化に伴い、企業の採用戦略も変化しています。
特に以下のようなトレンドが採用活動に影響を与えています:

  • DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速
    → 業務の自動化やデジタル対応が進み、求められるスキルが変化

  • グローバル競争の激化
    → 海外企業との競争が激化し、「グローバル人材」の確保が必須

  • 働き方改革とワークライフバランス
    → 柔軟な働き方に対応できる人材が求められる

これらの変化に対応するためには、「今あるスキル」だけでなく、「将来の成長可能性」を評価できる採用戦略が重要です。


1-3. 「今必要な人材」ではなく「今後に活躍する人材」を採用する視点

企業にとって重要なのは、「現時点で成果を出せる人材」ではなく、「今後にわたって成果を出し続けられる人材」を見極めることです。

このために必要な視点は以下の通りです:

  • 柔軟性 → 市場や環境の変化に適応できる
  • 成長力 → 自らスキルを高め、持続的に成長できる
  • 主体性 → 新しい価値を生み出すために自ら行動できる

従来の「スキルベース」の評価だけでなく、成長ポテンシャルや対応力を重視する採用が、今後の企業競争力を左右するのです。

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2. 今後に必要な人材とは?未来を支える人材の条件

企業の将来を支える人材とは、どのような人物でしょうか。
かつては「学歴が高い」「論理的に話せる」「協調性がある」ことが重視されていました。
しかし、時代が大きく変化している今、求められる力も大きく変わってきています。

以下では、これからの社会で活躍できる人材が持つべき4つの要素について整理します。

2-1. 変化に適応できる柔軟性

社会やビジネスのルールが短期間で変わる今、過去の成功体験がそのまま通用するとは限りません。
こうした環境では、「正解が決まっていない状況にどう向き合うか」が問われます。

柔軟性を持つ人材は、例えば次のような行動ができる人です:

  • 新しいやり方や考え方をすぐに取り入れようとする
  • 既存の方法にこだわらず、状況に合わせて工夫ができる
  • 「変化はチャンス」と前向きに捉えられる

このような思考を持つ人は、業界や職種に関係なく、どんな環境でも必要とされます。


2-2. 論理的思考力と課題解決能力

変化の中では、決められた通りに動く力以上に、「何が問題かを見つけ、どう解決するかを考える力」が求められます。

課題解決力のある人は、例えば次のような特徴を持ちます:

  • 状況を整理し、本質的な問題を発見できる
  • いくつかの選択肢を考え、その中から最適な方法を選べる
  • 行動したあとに結果をふり返り、改善につなげられる

こうした力は、日々の小さな業務から大きなプロジェクトまで、あらゆる場面で活かされます。


2-3. 自律性と主体的な行動力

これからの職場では、誰かからの指示を待って動くよりも、自分で考え、判断して動ける人が重宝されます。

主体的に動ける人とは、たとえばこうした人です:

  • 自分から仕事や役割を見つけて行動できる
  • 困難なことにも前向きに取り組む姿勢を持っている
  • 周囲に頼りながらも、自分の意志をもって行動できる

特にリモートワークやハイブリッドワークが定着した現在、現場で細かく指示を受ける環境がない中で、主体的に行動できるかどうかが成果を左右します。


2-4. チームで働ける力と周囲を動かす力

どんなに優れた能力があっても、一人でできることには限界があります。
チームで協力し、目標に向けて力を合わせられる人こそ、組織にとっての財産です。

さらに、「ただ協力する」のではなく、次のような力も求められています:

  • 他者と信頼関係を築き、意見を調整しながら合意をつくる力
  • メンバーの強みを引き出しながら、目標に向けてチームを前に進める力
  • 自ら率先して動き、まわりを巻き込んで成果を出す力

役職に関係なく、こうした「まわりを動かす力」がある人は、チームの中心となって活躍できます。


まとめ:今後求められるのは「変化を前提に成長し続ける人材」

これからの社会で必要とされるのは、「優秀な学生」ではなく、**「変化を前提に成長し続ける人」**です。

  • 正解のない中で動ける
  • 変化に合わせて自分を変えられる
  • 周囲とともに新しい価値を生み出すことができる

こうした力を持つ人材こそが、これからの企業の未来を担う存在になっていきます。
そしてその見極めには、過去の実績よりも、「どのように行動してきたか」「どんな考え方をするか」という視点がより重要になるのです。

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3. 企業の成長戦略に合わせた組織モデルの選択

変化の激しい時代において、企業がどのような人材を採用すべきかを考える上で、
まず整理すべきなのは「自社がどのような組織を目指しているか」という視点です。

すなわち、採用活動は単体で存在するのではなく、企業のビジネスモデルや組織構造、成長戦略と密接に連動しているということです。

近年、企業組織のあり方としてよく見られるのが、次の2つのモデルです:

  • 業務の標準化や効率化によって、安定した成果を生み出す「オペレーション最適化型」
  • 変化に対応しながらスピーディに新たな価値を生み出す「アジャイル型」

どちらを選ぶかによって、採用すべき人材像は大きく異なります。
ここでは、それぞれの組織モデルの特性と、企業にとっての選び方のヒントを紹介します。

3-1. オペレーション最適化型の組織とは?

オペレーション最適化型の組織とは、業務を標準化・効率化し、安定した成果を継続的に生み出すことに強みを持つ組織です。
製造業、物流、小売チェーン、飲食業界など、定型的な業務が多く、品質やコストの安定が重視される業種で多く採用されています。

特徴
  • マニュアルや業務フローが整備されており、誰がやっても同じ成果を出せる体制
  • 業務の属人化を避け、効率よく大量処理が可能
  • 成果は「安定性」と「正確性」によって評価される傾向が強い
メリット
  • 新人でも一定レベルの仕事が早期にできる
  • ミスが少なく、コスト管理がしやすい
  • 規模拡大がしやすく、品質を保ったまま全国展開なども可能
課題
  • 環境変化に対する柔軟性が乏しい
  • 新たな挑戦や創造的な業務への対応は苦手
  • 担当業務外の動きに消極的な人材が育ちやすい
この組織に合う人材
  • 決められたことを確実に実行できる人
  • 丁寧でミスの少ない仕事が得意な人
  • 周囲と協調し、安定した環境で力を発揮するタイプ

3-2. アジャイル型の組織とは?

一方、アジャイル型の組織とは、変化の速い環境に対応しながら、新しい価値をスピーディに生み出すことを重視する組織モデルです。
明確な上下関係よりも、柔軟で自律的な動きが求められる組織といえます。

ITサービス、コンサルティング、広告・マーケティング、ヘルスケア、エンタメ業界など、変化や多様なニーズへの即応性が求められる業界でよく見られます。

特徴
  • チームごとに裁量を持ち、状況に応じて素早く判断・行動できる
  • 明確な手順やルールよりも、現場での創意工夫が評価される
  • 試行錯誤を前提とし、柔軟なプロセスで成果を追求する
メリット
  • 市場や顧客の変化に対してスピーディに対応できる
  • 個人のアイデアや行動がそのまま成果につながる可能性が高い
  • 成長意欲の高い人材が活躍しやすい
課題
  • 組織全体での方向性が見えにくくなる可能性がある
  • 行動の自由度が高い分、個人差によるパフォーマンスのばらつきが出やすい
  • 未経験者や指示待ち型の人材には負担が大きい
この組織に合う人材
  • 自ら課題を見つけて行動に移せる人
  • 多様な人と協働しながら成果を出せる人
  • 変化や不確実性を前向きに楽しめる人

3-3. どちらの組織モデルを選ぶべきか?

オペレーション最適化型とアジャイル型、それぞれに強みと課題があります。
どちらが「優れている」というわけではなく、企業の業種・事業フェーズ・成長戦略に応じて適切なモデルを選ぶことが大切です。

例えば…
  • 業務の安定性や品質管理が最優先であれば、オペレーション最適化型
  • 不確実性の高い市場や新規事業を多く抱えているなら、アジャイル型

また、最近では事業部やプロジェクト単位で異なる組織モデルを併存させる、
ハイブリッド型の組織運営を選ぶ企業も増えています。

  • 本業(既存事業)→ 安定運営に強いオペレーション最適化型
  • 新規事業や変革領域 → 柔軟性のあるアジャイル型

このように、自社の方向性と業務内容に合った組織モデルを設計し、
それにフィットする人材像を定義することが、効果的な採用と育成の第一歩になります。

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4. なぜ「アジャイル型」の人材を新卒で採用すべきなのか

企業の成長戦略と組織のあり方として、「オペレーション最適化型」と「アジャイル型」の2つの組織モデルがあることを解説しました。

安定運用を強みにした前者と、変化に柔軟に対応する後者。
どちらにもメリットと課題がありますが、特に中長期的な成長や新規事業への挑戦を志向する企業にとっては、アジャイル型の組織モデルと、それに適応できる人材の存在が不可欠です。

本章では、なぜアジャイル型の人材を新卒で採用すべきなのか、その理由を整理していきます。

4-1. オペレーション最適化型で成功するのはトップ企業だけ

オペレーション最適化型の組織は、仕組みの力で再現性高く成果を出す点において非常に有効です。
しかしそのモデルで市場をリードできるのは、圧倒的な規模と資本力、ブランド力を持つ一部の企業に限られるのが現実です。

たとえば、国内外に数千店舗を展開し、大量仕入れによって原価を抑え、マニュアル化された業務フローで全国一律の品質と価格を実現する――。
こうしたオペレーションはトップ企業だからこそ可能であり、中堅企業や成長企業が同じ土俵で戦っても太刀打ちできない構造になっています。

だからこそ、ほとんどの企業にとっては、
仕組みに依存するのではなく、人材の力で柔軟に動ける組織づくり=アジャイル型を目指すほうが、現実的かつ戦略的といえるのです。

4-2. アジャイル型が求める人材の特徴

アジャイル型の組織は、「決まったことを効率的にこなす」よりも、環境の変化に合わせて行動し、自ら価値を生み出すことができる人材を必要としています。

このような環境で活躍できる人材には、以下のような特徴があります:

  • 自律性:自ら課題を見つけ、判断し、行動できる
  • 柔軟性:正解がない状況でも、変化を楽しみながら対応できる
  • 巻き込み力:周囲と信頼関係を築き、チームを前に進められる
  • ストレス耐性:プレッシャーや混乱の中でも冷静に対処できる
  • 試行錯誤力:うまくいかなくてもあきらめず、改善を重ねられる

これらの資質を持つ人は、組織内で新しいアイデアを形にしたり、チームを横断して成果を出す「変革の担い手」になり得ます。


4-3. 「ハイポテンシャル採用」という考え方

アジャイル型の組織を支える人材は、決して市場に多く存在しているわけではありません。
むしろ、そうした高いポテンシャルを持つ人材は、企業間での争奪戦となっており、中途採用だけでの確保は難しくなっています。

そこで注目されているのが、「ハイポテンシャル採用」という考え方です。

これは、今すでに完成された人材ではなく、「将来的に大きく成長する素地を持つ人材」を見極めて採用し、育成していく戦略です。

新卒採用においては、以下の視点がカギとなります:

  • 大学名や経験ではなく、行動の特性や思考の傾向を見極める
  • 短期のスキルよりも、中長期での成長の可能性に着目する
  • 採用後の育成を前提に、「育つ人材」を採る視点を持つ

このように、ハイポテンシャル採用は、採用そのものを「未来への投資」と捉える発想です。
新卒の段階から適性を見極め、計画的に育成していくことで、将来のコア人材を自社で育てる体制を整えることができます。

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5. 適性検査を活用して「今後に活躍する人材」を見極める

これまで述べてきた通り、これからの時代に企業が求めるのは、環境変化に柔軟に対応し、持続的に成長できるアジャイル型の人材です。しかし、そうした人材は履歴書や表面的な面接だけでは判断が難しく、いかにして見極めるかが採用活動の大きな課題となっています。

その手段として有効なのが、適性検査の活用です。特に、行動特性(コンピテンシー)とパーソナリティ(性格特性)の両面からアプローチすることで、将来の活躍可能性をより客観的かつ戦略的に判断することができます。

5-1. コンピテンシー適性検査で確認すべきポイント

コンピテンシー適性検査では、「過去の行動に現れた特性」からその人が将来どのような行動をとる可能性があるかを予測します。

特に、アジャイル型人材の見極めにおいては、以下のような行動特性を確認することが重要です。

  • 課題設定力:状況を分析し、自ら課題を発見する力
  • 実行力:行動を継続し、結果を出すまでやり抜く力
  • 柔軟性:状況に応じてアプローチを変えられる力
  • 関係構築力:周囲と信頼関係を築きながら、協力体制を整え成果につなげる力

これらは、面接や書類だけでは判断が難しい要素です。適性検査を通じて定量的に把握することで、「見落としていた原石」の発掘にもつながります。

5-2. パーソナリティ適性検査で見るべき適応力・柔軟性

パーソナリティ適性検査では、個人の性格傾向や価値観、対人スタイルを可視化し、変化の激しい環境においても持続的に活躍できる人材かどうかを多角的に判断することが可能です。

アジャイル型の組織やプロジェクト環境では、単なる「協調性」ではなく、以下のような内面的な安定性と関係構築力が求められます。

見るべきパーソナリティの特性
  •  自己成長志向
    変化を前向きに受け止め、自ら学ぶ姿勢を持っているかどうか。成長機会を自ら見つけ、環境に適応できるか。

  • 対人柔軟性
    異なる価値観やバックグラウンドを持つ人との関係でも円滑にコミュニケーションを取り、調和的に行動できるか。多様性のあるチームで成果を出せるか。

  • ストレス耐性
    プレッシャーのかかる場面でも冷静に対応し、安定して行動を継続できるか。困難な状況でも感情に振り回されず、客観的に判断できるか。

  • 巻き込み力(関係構築スキル)

    自分一人で完結させるのではなく、他者を信頼し、適切に頼りながら周囲を巻き込んでいけるか。共創を前提とするプロジェクト型の仕事で成果を出せるか。

これらの特性を把握することで、「仕事で成果を出すための行動傾向」を見極めることができます。また、パーソナリティ検査の結果は、採用後の配属設計や育成支援にも活用でき、長期的な人材活用の視点でも非常に有効です。

6. 新卒採用は企業にとって「投資」

6-1. 採用をブラックボックスにしないためのデータ活用

多くの企業において、新卒採用は感覚や経験則に頼る部分が多く、意思決定の根拠が曖昧になりがちです。これが「ブラックボックス採用」と呼ばれる問題です。

  • 「なんとなく良さそうだから」
  • 「学歴や印象で判断してしまう」
  • 「面接官ごとに評価基準がバラバラ」

このような状況を脱し、採用の透明性と再現性を高めるには、適性検査による定量的データの活用が不可欠です。

適性検査を導入することで、次のような変化が生まれます。

  • 面接の質が向上する(検査結果をもとに深掘り)
  • 評価のバラつきが減る(共通の評価軸ができる)
  • 採用後の振り返りが可能になる(オンボーディングや育成に活用)


6-2. 適性検査を組み込んだ採用戦略

新卒採用に適性検査を取り入れる際は、単なる「足切り」や「選考の一要素」にとどまらず、戦略的に組み込むことが重要です。

そのためには、以下のようなフローが有効です:

  • 採用したい人材像(要件)を明確にする
    → 自社にとって「将来活躍する人材」はどのような特性を持つか
  • 適性検査で見極める項目を設計する
    → コンピテンシー/パーソナリティの両面から分析
  • 面接と連動させる
    → 検査結果をもとに、深堀りすべき質問を設計
  • 採用後の育成まで一貫して活用する
    → 配属・研修・OJTの方向性に連動

このように、適性検査は「選ぶためのツール」だけでなく、「育てるためのツール」としても活用できるのです。


6-3. 採用後の人材育成にも適性検査を活用する

将来のリーダー候補となるハイポテンシャル人材を新卒で採用できたとしても、適切な環境と育成がなければポテンシャルは開花しません。

そこで、採用時に得た適性データを以下のように活用することが効果的です:

  • 初期配属の最適化
    → ストレス耐性・対人傾向に合った職場を選定
  • 個別育成計画の立案
    → モチベーションの源泉や成長の方向性に応じて設計
  • フィードバック面談の材料
    → 自己理解を深め、主体的な成長を促すきっかけに

このように、「採用したら終わり」ではなく、「採用から育成まで一貫して活用する」ことで、採用の成果をより確かなものにすることができます。

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7. 未来を支える新卒採用のあり方とは

変化の激しい時代において、新卒採用は企業の未来をつくる戦略そのものです。
これからの人材マネジメントでは、単なる人数確保や即戦力重視の姿勢から脱却し、「今後で成長し、企業を支える人材をどう採用・育成するか」が問われます。

ここでは、企業が未来の競争力を高めるために、新卒採用で意識すべきポイントを整理します。


7-1. 「今後に必要な人材」を確保することが最大の目的

企業が新卒採用に求めるべき最大の成果は、「今すぐ役立つ人材」ではなく、「将来にわたって企業の価値を高める人材」を採用することです。

将来の事業環境は予測困難であるからこそ、以下のような特性を持つ人材がより重要になります。

  • 自律的に行動できる人材
  • 多様性の中で力を発揮できる人材
  • 変化を前向きに捉え、自ら成長し続けられる人材

短期的なスキルよりも、将来の可能性(ポテンシャル)に投資する視点をもつことが、企業の未来を左右します。


7-2. 採用の「見える化」を進めるための適性検査の活用

従来の新卒採用は「経験」や「直感」に頼りがちな面があり、採用判断の再現性や透明性に課題がありました。

その点で、適性検査を活用することで、以下のような「見える化」が可能になります。

  • 自社で活躍する人材の傾向(共通する強み)をデータで把握
  • 候補者の行動傾向・思考特性を客観的に評価
  • 面接や選考時にブレない評価軸を持てる

これにより、採用の質が向上し、属人的な判断から脱却できます。
採用活動そのものが企業のナレッジとなり、次年度以降の改善にもつながるという副次的効果もあります。


7-3. 採用後の育成とキャリア支援を重視する

「採ったら終わり」ではなく、「採ったあとどう育てるか」が企業の人材戦略の本質です。

特にハイポテンシャル人材を採用した場合、以下のような取り組みが重要になります。

  • 適性検査結果をもとに、個別最適な育成計画を立てる
  • 配属後も定期的にフィードバックや1on1を実施し、自己理解を深める
  • キャリアの選択肢を提示しながら、自律的な成長を支援する

これにより、せっかくのポテンシャルを埋もれさせず、中長期で活躍する人材へと育てていくことができます。


7-4. 「採用=投資」という意識を持つ

新卒採用は、決して「その年の業務要員を確保するための活動」ではありません。
それはあくまで表面的な目的であり、本質は「将来の企業価値を高めるための投資」です。

仮に初年度に30名を採用すれば、その給与だけでも億単位の人件費がかかります。
これほどの資金を設備投資や新規事業に使うのであれば、十分な審査と判断プロセスを経るはずです。

人材においても同じ視点が必要です。

  • 誰に、どのような期待を込めて投資するのか
  • どのように育成し、成果を生み出す人材に成長させるのか
  • その成果はどのようにして可視化・評価するのか

これらの問いを採用プロセス全体に組み込むことで、人材投資の質が高まり、企業の持続的な成長につながります。


7-5. まとめ:未来の競争力を高めるための新卒採用戦略

これからの採用において企業が目指すべき姿は、「単なる就職機会の提供者」ではなく、次世代の人材を見出し、育て、企業と共に成長させるパートナーです。

そのためには以下の3つが不可欠です:

  • 将来活躍できる資質をもった人材を採用する(ハイポテンシャル採用)
  • その人材を見極める評価軸を整える(コンピテンシー+パーソナリティ適性検査の活用)
  • 入社後の成長を見据えた育成設計を行う(適性に応じた配属・育成)

こうした採用戦略を実行していくことこそが、未来の不確実性を乗り越え、企業の競争力を維持・向上させる鍵となるのです。

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サービスのご紹介

なお、こうした「将来を見据えた新卒採用」を実現するには、見極めや育成の基盤となるツールの存在も欠かせません。

たとえば、適性検査「TG-WEB」は、知的能力や性格特性に加えて、入社後に成果を生む行動特性(コンピテンシー)まで含めて測定できる適性検査です。面接では見えづらい部分をデータで把握できるため、採用の透明性が高まり、評価基準の統一にもつながります。

また、受検結果は採用後のフォローや育成にも活用しやすい設計となっており、「どのように育て、どう活かしていくか」という視点でも役立てることができます。Web受検に対応しており、不正対策としてAI監視型の「TG-WEB eye」を選ぶことも可能。

見極めから育成まで一貫して支援できるツールとして活用されています。

成果につながる行動を起こす力を測定

コンピテンシー適性検査 Another8

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組織や部署にマッチする性格を測定

ベーシックパーソナリティ
適性検査 B5

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“応募者の利便性向上”と“公正・公平な採用試験”を実現

オンラインAI監視型Webテスト

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