理系採用における適性検査とは。課題解決のための具体的な方法を解説

2024.03.04

Z世代新卒採用を勝ち抜く! 今こそ見直したい適性検査の選び方と活用法

近年、採用担当者の皆さまから「適性検査を使っているものの、本当に活用できているのか不安」「10年以上同じ検査を続けており、そろそろ見直したいが、どのように変えればよいか分からない」という声が多く聞かれます。実際、母集団形成のための求人広告や採用管理システムの導入・変更は積極的に行われる一方で、適性検査の見直しは後回しにされがちな傾向があります。

しかし、社会環境や若手の就職観はここ10年で大きく変化しています。特にZ世代と呼ばれる1996年頃以降に生まれた若手の志向を踏まえると、従来型の検査だけでは見極めきれない資質や価値観が増えているのも事実です。本記事では、こうした背景を踏まえて、適性検査を今こそ見直すべき理由やZ世代が持つ特徴、さらに新卒採用に適した検査の選び方・活用方法を詳しくご紹介していきます。

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話を聞いた人

株式会社ヒューマネージ 適性検査 営業担当

本記事では、適性検査『TG-WEB』の営業担当の知見をもとに、具体的なポイントを解説します。
1. 適性検査を今こそ見直すべき理由

1-1. 採用活動における適性検査の位置づけと現状

新卒採用において、適性検査は“応募者の能力やパーソナリティを客観的に評価するツール”として、すでに多くの企業で導入されています。一般的には言語や数理などの能力検査と、人となりや性格的特徴を捉える性格検査の2種類が広く用いられており、以下のような場面で活躍してきました。

  • 大量応募時のスクリーニング
  • 面接における情報の補完
  • 合否決定前の客観指標

一方で「10年以上同じ適性検査を利用している」という企業が3社に1社という調査結果もあります。長年にわたって同じ検査を使っているうちに、既存の検査と現代の採用課題とのあいだにズレが生じていても気づかず、「長年利用してきても問題なく運用できているため、改めて見直す必要はない」と放置されているケースが少なくありません。

 

1-2. 社会・学生気質の変化と採用現場のギャップ

この10年で、社会環境や若手の就職観は急速に変化しました。デジタル化の加速により、ものや情報はいつでも手元で入手できるようになり、ワークライフバランスやダイバーシティへの意識が高まり、転職へのハードルが下がるなど、人々のキャリア観が多様化しています。若手が就職先を選ぶ基準も大きく変わり、10年前とは異なる価値観や志向性を持つ層が増えているのが現状です。

こうした背景から、企業側の採用課題も変化していると言えます。10年前は「とにかく大量に応募者を集める」ことが最優先だったかもしれませんが、今では早期離職を防ぎ、入社後も長く活躍してもらうための視点がより注目されています。実際、10年以上前に導入した検査が、いまの採用環境で十分機能しているかを確認できていないケースも多く、新たな採用課題に合った検査の見直しや活用法の再検討が必要になってきているのです。

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2. Z世代がもつ特性と、適性検査に求められる視点

2-1. コスパ・タイパを重視するZ世代の背景と採用への影響

Z世代(1996年頃以降に生まれた若年層)の多くは、デジタルネイティブとして育ち、スマートフォンやSNSによって常に膨大な情報に触れています。結果として「短時間で効率よく成果を得たい」「無駄な時間や労力を極力かけたくない」というコスパ(費用対効果)・タイパ(時間対効果)の志向が強く、就職活動にもそのまま現れています。

もし企業が「60~90分かかる適性検査を一次選考で課す」「テストセンターへの移動が必要」など、過度な負担を応募者に強いると、そもそもエントリーを敬遠されるリスクが高まります。こうした背景から、「短時間で必要な要素を測定できる」「Webで完結できる」など、受検のしやすさを意識した適性検査が求められています。

 

2-2. 転職に前向きなZ世代をどう見極めるか

Z世代は「自分に合わない」と感じた際の決断が早く、入社後1~2年で転職を検討するケースが増えていると言われます。実際、多くの若手社員が転職サイトに登録し、“いつでも別の選択肢を探せる状態”にあるというデータもあるほどです。

こうした転職志向の背景には、以下のような要素が挙げられます。

  • 自分の理想や価値観に合わない仕事なら、早めにキャリアを切り替えて損失を最小化したい
  • 他社の情報が手に入りやすく、隣の芝生が青く見えやすい
  • 新卒入社後の早期離職が一般化しており、不満があれば辞めても問題ないという認識が広がっている
     

企業側としては、こうした志向を踏まえ、「入社後にモチベーションを維持できる人材か」「ストレス要因や不満に対してどの程度踏ん張れるか」といった観点で見極める必要があります。具体的には、早期離職を起こしやすいタイプなのか、それを防ぐ施策が必要なタイプなのかを事前に把握することが重要です。

 

2-3. 価値観が多様化する中で必要な“マッチング”の視点

Z世代は「自分の価値観に合った職場で働きたい」という思いが強く、会社選びの基準も多様化しています。給与やキャリアアップだけでなく、ワークライフバランスや社会貢献、ダイバーシティなど、重視するポイントは人によって大きく異なります。

そのため、企業側は「自社がどんな仕事環境を用意でき、どんな人材が活躍しやすいのか」を明確にし、応募者との相性(マッチング)を高める必要があります。具体的には、仕事観・価値観を測れる適性検査や、検査結果のフィードバックを通じた相互理解を行い、Z世代の「自分に合うかどうかを確かめたい」という欲求を満たす工夫が求められています。

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3. 自社課題に合った検査の選び方と活用例

3-1. 新卒採用における能力検査・性格検査の活用パターン

新卒採用では一般的に「能力検査」と「性格検査」の組み合わせが多いですが、Z世代の特徴を踏まえると、その導入タイミングや受検時間の見直しがポイントになります。コスパ・タイパを重視する応募者にとって、過度な負担がかかる検査や移動を伴う形式は敬遠されがちです。そのため、できるだけ短時間で効率的に受検できる検査を選ぶ視点が重要となっています。

大量応募が見込まれる企業の場合

一次選考で能力検査と性格検査をまとめて行うケースが主流です。不正受験が懸念される場面ではテストセンターやAI監視型Web方式を活用し、信頼性を担保しながら応募者の負担を軽減する仕組みが注目されています。また、受検時間を短縮できる検査を選ぶことで、多数の応募者を効率的に評価し、応募辞退を防ぐ効果が期待できます。

募集人数や応募者数が限られる企業の場合

必要以上に応募者をスクリーニングする必要がなければ、能力検査をスキップし、性格検査だけに絞ると応募者の負担を大幅に抑えられます。一次面接後に性格検査を実施し、その結果を次回面接で深掘りすることで、応募者の本質を短時間で把握しやすくなります。

いずれにしても「どの検査を、いつ、どんな目的で行うか」「結果をどう活用するか」をしっかり設計しておくことが大切です。

3-2. 早期離職対策に有効なアセスメント活用例

Z世代は、自分の理想や興味に合わない環境だと感じた場合、隣の芝生が青く見えやすく、入社して間もない時期に転職を検討しやすい傾向があります。こうした早期離職リスクを軽減するためには、「自分の芝生を茶色くしない能力」と「自分の芝生を青くする能力」という2つの視点に着目することが有効です。

自分の芝生を茶色くしない能力(ストレスマネジメント)

トラブルや業務の負荷がかかった際に、どのように対処するかを測定する要素です。これをコーピング(ストレス対処)検査などで可視化し、どんな状況でストレスを溜め込みやすいか、どうサポートすれば乗り越えやすいかを把握できます。採用段階でこの情報を得ておくと、入社後のフォロー体制を早めに整えやすくなり、ミスマッチによる離職を防ぐ効果が期待できます。

自分の芝生を青くする能力(エンゲージメント)

「仕事を自分なりにアレンジして楽しめるか」「興味を持ったことには積極的にのめり込む姿勢があるか」を測定する要素です。具体的にはジョブクラフティング検査などを活用し、与えられたタスクや環境をどの程度ポジティブに変えていけるのかを評価します。Z世代は“興味が湧けばとことん追求する”一方で、不満があればすぐ転職に舵を切る二極化傾向があるため、エンゲージメントの高さを採用段階から把握し、適切な配属やモチベーション管理に活かすことが大切です。

いずれの視点も、単純な合否判定だけでなく、入社後の育成やフォロー体制を考慮しながらアセスメント結果を活かすことがポイントです。面接で結果を活用して「どのような対処サポートが必要か」「どういった働き方であれば能力を存分に発揮できそうか」を具体的に話し合うと、早期離職を防止するだけでなく、入社後に高いパフォーマンスを発揮してもらうための布石を打てるようになります

3-3. 応募者の自己理解を促す検査の活用と内定後フォロー

Z世代の多くは就活時点で「自分は何がやりたいのか」「企業との相性はどうか」を重視しています。そのため、以下のような観点で検査を活用し、相互理解を深める取り組みが注目されています。

インターンや内定後に検査を実施し、結果をフィードバック
  • 応募者自身の強み・弱みを客観的に把握してもらい、「どんな仕事であれば活躍できそうか」を考える機会を提供する。
  • 企業としても「あなたの特性が当社の〇〇部門で生かせそうです」と具体的なビジョンを示しやすくなり、内定辞退の防止や入社後のモチベーション向上につながる。
上司・メンターへの情報共有
  • 入社前後から検査結果を活用し、どういったコミュニケーションや育成が必要かを把握する。
  • Z世代はフィードバックの即時性を重視するため、個人に合ったフォロー策やキャリア面談を迅速に行うことで定着率が高まる。

適性検査は「合否判定の材料」だけでなく、Z世代への内定フォローや早期のミスマッチ回避にも応用できるツールです。応募者が「自分はこの会社に合っている」「活かせる強みがある」と感じられるようサポートすることで、早期離職防止や長期的な活躍を促すことができます。

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4. 最新の適性検査事情と選定のポイント

4-1. AI監視型Web方式の台頭と不正受検への対策

オンライン受検が当たり前になった一方で、代行受検やカンニングなどの不正が懸念されるケースも増えています。従来からあるテストセンター方式は厳格な監督のもとで実施できる利点があるものの、会場への移動や予約が必要になるため、近年のコスパ・タイパ重視の流れとはやや相反する面もあります。

そこで注目されているのが、AI監視型Web方式です。受検者のカメラ映像や操作状況をAIがモニタリングし、不審な挙動があればアラートを出して記録する仕組みを取り入れることで、不正を抑止しながらも会場費や移動負担を削減できます。受検予約などの手間も少ないため、応募者側のハードルを下げつつ、検査結果の信頼性を担保できる点が評価されています。

4-2. グローバル人材や海外拠点への対応・多言語化の重要性

グローバル人材への需要拡大や留学生の増加に伴い、英語やその他の言語に切り替え可能な適性検査を求める企業も増えています。日本語に不慣れな留学生が日本語版の検査を受けた場合、本来の力を正しく測定できず、不必要に脱落させてしまうリスクが高まります。一方、多言語化に対応し、海外拠点からもWebで受検できる検査であれば、国内外問わず一貫した基準で応募者を評価でき、優秀なグローバル人材を逃さずに済むのです。

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5. まとめ:適性検査を味方にする、新卒採用戦略の組み立て方

新卒採用に適性検査を活用する際、押さえておきたいポイントは大きく以下の5つに整理できます。ここでは、これまで触れてきたZ世代の特性や検査選定の考え方を「戦略としてどう組み上げるか」という視点から簡潔にまとめます。

5-1. 応募者の自己理解を促す検査の活用と内定後フォロー

Z世代の多くは就活時点で「自分は何がやりたいのか」「企業との相性はどうか」を重視しています。そのため、以下のような観点で検査を活用し、相互理解を深める取り組みが注目されています。

目的設定と検査選定
  • 自社が見極めたい要素をはっきりさせる(スクリーニング重視か、価値観・ストレス耐性の把握か等)。
  • 目的に沿って、能力検査・性格検査・ストレス検査など必要な項目を選定し、受検時間や形態(Web、テストセンター、AI監視など)を検討する。
選考プロセス全体の設計
  • どの段階でどの検査を実施するのかを選考フローと併せてマッピングする。
  • Z世代のコスパ・タイパ志向に配慮し、早期から過度な負担を与えない工夫(短時間受検や二段階方式など)を取り入れる。
面接活用と情報共有
  • 適性検査を実施したら、面接官が結果をどう使うか明確にしておく。
  • 面接ですべき質問例や着目ポイントをあらかじめ共有し、短い時間でも応募者の本質に迫れるよう連携を図る。
内定フォローとミスマッチ防止
  • 内定後に検査結果を本人へフィードバックし、強み・弱みの理解や仕事への期待を深める場を作る。
  • ストレス要因やモチベーション源を把握することで、入社後の配置や上司・メンターのフォロー体制を整え、早期離職リスクを軽減する。
効果検証と継続的アップデート
  • 一巡した採用結果を分析し、内定辞退率や早期離職率などの変化をチェックする。
  • 毎年の応募者動向やZ世代の嗜好変化を踏まえ、検査の実施タイミングや測定項目を見直し、柔軟にアップデートしていく。
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THEME 01

サービスのご紹介

TG-WEBシリーズは、「必要な検査を短時間で組み合わせて受検できる」という点が最大の特長です。能力検査や性格検査はもちろん、ストレス対処力や仕事へののめり込み度合いを確認する検査など、複数の検査を10~15分単位で自由に組み合わせられるため、測定項目をカスタマイズして受検負担を最小限に抑えることが可能です。

ストレス対処力を測定

コーピング適性検査 G9

ストレス対処力を測定
エンゲージメントを高める力を測定する

ジョブ・クラフティング
適性検査 Q1

エンゲージメントを高める力を測定する
“応募者の利便性向上”と“公正・公平な採用試験”を実現

オンラインAI監視型Webテスト

“応募者の利便性向上”と“公正・公平な採用試験”を実現

コスパ・タイパを重視する応募者が増え、不正受験への対応が必須となってきたいま、最新の検査を柔軟に取り入れる企業が、質の高い新卒採用を実現しています。もし「現行の検査が合っていないかもしれない」「早期離職を防ぎたいが、どんな検査があるのか分からない」などのお悩みがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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